どこまでも抜けるように青い空に、エメラルドグリーンの海。
大体の場合、沖縄に行ったことのある人は、その海の美しさや温暖な気候に魅せられ、再び彼の地を訪れたいと思ってしまう。
だから、沖縄の観光客は結構リピーターが多くて、中には東京の人なのに、まるで地元と同じくらいの数の知り合いがいたりする人もいる。
おいらも例に漏れず沖縄が大好きで、本島、石垣島、宮古島と何度も訪れている。
旅行に行くと、多くの人は財布の紐が緩んでしまい、いつもは食べない高価な料理や、エステなど割高な観光地のサービスを受けたりしてしまう。
おかげで、現地の住民は潤う。
観光客は、沖縄経済の浮き沈みを左右する、非常に重要な収入源となっているのだ。
これと同じことが、実は今日本全体で起こっている。
日本列島全体が、外国人にとっての沖縄と化しているのだ。
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今、日本を訪れる外国人の数が猛烈な勢いで増えている。
欧米、アジア、それに欧州など、世界各国から旅行者たちが大挙してこの日本に押し寄せているのだ。
一番多いのは中国や韓国などのアジア系の人々だが、銀座なんかを歩いていると、白人、黒人、そしてラテン系と色々な肌の人が歩いていて、一瞬ここが日本ではないどこかの国であるような錯覚を覚えてしまう。
訪日観光客が急激に増えだしたのはここ最近のことで、2012年の時点では年間で1000万人程度だったのが、2018年現在では上半期だけで1500万人を突破しており、おそらく年間では確実に3000万人を突破するだろう。
この原因は、アジアの新興国の所得増加が原因だと思われる。
訪日している人を国別に分けると、中国と韓国で50%以上、それから台湾やマレーシアといったアジアンの他の新興国で25%以上だ。
要するに昔の日本人と同じで、国全体が豊かになり、生活に余裕が出てきたから、今までに行ったことのない海外に行こうという発想になっているのだ。
そして、行くのであれば治安もよくサービスもいい、それに歴史的建造物もあって食べ物も美味しい日本が選択肢の第一候補に挙がる。
なぜなら、おまけに日本はそれらの国々から近いからだ。
中国人の爆買いに代表されるように、そういった外国人旅行客たちがもたらす経済的効果は無視できなくなってきており、インバウンドの取り込みは国を挙げての取り組みとなっている。
2016年3月に安倍晋三内閣が発表した、インバウンドの目標値は、2020年の東京オリンピック開催イヤーには、年間4000万人の訪日客と8兆円のインバウンド消費の取り込みを目標としている。
一見途方もない数字に思えるが、2017年のインバウンド消費は約4兆4千億円で、今年の訪日外国人客が3000万人を突破するであろうことを考えると、決して非現実的な数字ではない。
むしろ、目標を超過して達成してしまう勢いで、現状も訪日外国人客が増え続けているのだ。
こういった訪日外国人がもたらす経済的恩恵を、投資家としてはぜひ享受したいと思うのが当然だ。
指をくわえて見ているだけでは勿体ない。
そして、その恩恵を享受しようとすると、自ずと回答は株式投資でインバウンド関係の銘柄を買うという選択肢となってくる。
それ以外だと、訪日外国人向けのサービスを始めたり、民泊なんかを運営したりが考えられるが、それはサラリーマンであるおいらには敷居が高すぎる。
したがって、おいらはインバウンド関連の銘柄を少し買っている。
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インバウンド関連の銘柄としてすぐに思いつくのが、百貨店株だろう。
三越伊勢丹、高島屋などに行けば分かると思うが、店内は外国人であふれ返っている。特に中国人の数はものすごく、店内放送が中国語で流されているほどだ。
つまり、すでに日本人ファーストではなく、中国人ファーストに切り替えてしまっているのだ。
しかし、百貨店株はおいらとしてはあまりお勧めしない。
なぜなら、現在も保有はしているが、いくらインバウンドを取り込んでも業績がパっとしない。
インバウンド客の需要を取り込んでも業績が悪いということは、この日本ではすでに百貨店の営業形態は限界にきている可能性がある。
現在、百貨店は各地の不採算店舗を閉鎖しまくっており、リストラも進めている。
だから、2020年の東京オリンピックを頂点として、ここから業績が回復していく可能性はあると思うが、あんまりにも業績が悪いので、そうならない可能性も十分あると思う。
おいらも、現在握りしめている三越伊勢丹君をどうしようか思案中だ。
したがって、決して皆さんにお勧めできる投資先ではない。
今が悪すぎる分、反転した時の株価上昇は大きいかもしれないが、かなり確実性には欠けるというのがおいらの意見だ。
じゃあ、なんでお前持ってるねん?
そういわれると何とも言えないが、まあ、多少の可能性を感じるからまだ保有しているといったところだろうか。
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一方で、おいらが保有しているのと同じ、ホテル型のリートはかなりインバウンドの恩恵を受けることが出来るのではないかと考えている。
ホテル型のリートとは、保有している物件がホテルのみで構成されていたり、そのポートフォリオの過半数以上がホテルで占められたリートのことを指す。
これにはおいらなりの理由があって、訪日客が日本を訪れると必ず消費するものがあるからだ。
それは、宿泊費だ。
日本に来てわざわざ野宿をするという旅行者は滅多にいない。だから、必然的にホテルや旅館などの宿泊施設に泊まることになる。
現在、大阪や東京、京都などのビジネスホテルは週末になるともう満室だらけだ。
それに、宿泊費もどんどん値上げされて行っている。東京なんかは特にひどくて、どんだけ足元見とるねん、というほどの値段設定となっている。
大して綺麗でもないビジネスホテルに1泊1万円以上出すなんて、10年以上前では考えられなかったが、今ではそれがごく普通だ。
まあ、それだけニーズがあるということなのだろう。
このニーズは2020年の東京オリンピックに向けてさらに加速していくと思うので、そうなのであればホテル型のリートを買っておいて、それらの訪日客が落としていくお金を分配金として受け取ったらいいのでは?と思ったのだ。
それに、これは世界景気が悪化せず、アジア全体の所得が上がり続けていけば、という前提のもとでの個人的な予測だが、恐らく2020年以降も訪日客は増え続けるのではないかと思う。
というのも、一度日本を訪れた外国人は何度も日本に来るという傾向があるからだ。だから、新規客に加えてリピーターも見込めるので、アジア全体が豊かになればなるほど、訪日客は加速度的に増えるのではないかと思うのだ。
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現在、日本の証券取引所に上場しているホテル型のリートはいくつかあるが、そのどれもがここ数年、分配金の額を増額させている。
要するに、儲かっているのだ。
おいらがすでに保有している、いちごホテルリートもそうだが、他のホテル型リートも同じく分配金を増額している。
星野リゾート・リート投資法人も捨てがたいが、おいらが追加で買ってみたいと思っているのが、ジャパン・ホテル・リート投資法人だ。
このホテル型リートは、2005年に設立されたJリートとしては老舗の部類に入るリートだ。
ポートフォリオを構成する物件は現在41物件だが、東京、大阪、京都、それに沖縄など、位置的にもかなりいいところの物件ばかりが揃っている。
それに、ここ数年はものすごい勢いで純利益が増加している。
これは、インバウンド客によるホテル需要の増加が寄与していると考えて間違いないだろう。
現在の一口当たりの価格は83,300円で、配当利回りは4.67%だが、今後も分配金は増配されていくと思うので、将来的にはさらに利回りが高くなる可能性がある。
ただし、リートは利回り商品なので株価の上昇はあまり見込めない。
そのため、あんまりにもポートフォリオの多くの割合をリートにしてしまうと、完全に利回り重視の投資となり、キャピタルゲインを捨ててしまうことになりかねない。
それに、日銀がそろそろ金融緩和の出口を模索し始めているので、今後金利が上昇する可能性が高い。
その点は、借入金で物件を確保しているJリートにとって明らかに逆風だ。
また、民泊などの新たな宿泊先の提供ビジネスの台頭も、ホテル型リートにとっては悩ましいところだ。
しかし、そういったマイナス要素を勘案しても、ホテル型のJリートは中々いいのではないかと思っている。
シーゲル教授著の株式投資の未来で、米国が高齢化社会を迎えて退職者たちが生活費を得るために株を売りまくっても、新興国が経済発展すれば、それらの人々が株を買うので買い手が変わるだけで、需要自体はなくならないという話を書いていたが、インバウンド需要が増加しまくっている日本の現状はそれに近いものを感じる。
人口の少子高齢化などの要因により、日本人が消費出来なくなった分を、外国人が消費して補ってくれるという現象が今起きているのだと思うからだ。
これは、日本がアジアに位置しているという条件があったので、たまたまではあるのだが、その国自体が魅力的なのであれば、自国の経済規模の縮小をインバウンドによって補完するという必殺技が存在することを知った。
外国人大嫌いな幕末の方々が見たら激怒する光景かもしれないが、これからの日本の発展にはインバインドが必要不可欠だなと思う次第である。
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