すかいらーくHDの株価は優待の人気で底値も限られ上昇も早い
投資家たちが優待株に投資をする理由は、大体のケースでは株主優待制度の恩恵を受け、ただ株を保有しているだけで郵送されてくる株主優待品を受け取りたいから、というケースがほとんどだ。
株主優待銘柄の場合、株価の上下に関係なく、保有しているだけで株主優待品が送られてくるので、高配当株と双璧をなすほどここ日本では投資家たちに人気がある投資先だ。
人気優待株である「すかいらーくHD」の場合なんかはそれが特に当てはまり、株主優待食事カードは多くの投資家たちに熱い支持を受け、その結果株主優待食事カード目的ですかいらーくHD株を保有する人が増えまくり、少々のことでは株価が下落しないようになっている。
最近の株式市場においては、新型コロナウイルスの影響をモロに受けている外食産業に属する企業の株価が不調で、いきなりステーキを展開するペッパーフードサービスなんかは一時期凄いことになっていた。
一方で、すかいらーくHDは確かに株価は下落していたのだが、それでも直近の高値が２０００円台で底値が１３００円台なので、３０％程度の下落率だ。
これは、すかいらーくHDが置かれている事業環境と今後の利益の低下を考えればまだマシな下落率だと言える。
しかも、いますかいらーくHDの株価は再び１８００円台まで切り返しているのだ。
優待制度の人気が高い銘柄は強い
すかいらーくHDの株価がこのような値動きを見せているのは、恐らくだが保有比率の高い個人投資家たちがどっしりと構えて同社株をホールドしているからだろう。
自分のようにある程度株価が上昇したら売却してしまう投資家と違い、根っからの優待株投資家は少々株価が上がったり下がったりしてもなかなか株を売却しない。
そのため、すかいらーくHDの株主優待制度が本当に気に入っている投資家たちは新型コロナでも株をホールドし続けていた可能性が高い。
そして、優待制度が魅力的なため、新規で参入してきた投資家たちが喜び勇んで値下がりしたすかいらーくHD株を買うので株価が上昇しているのだ。
そう考えると、株主優待制度が本当に人気のある優待銘柄の場合は、業績の良し悪しよりも株主優待制度が維持されることが人気のキーポイントになっていると言える。
すかいらーくHDの場合は、そういった「本当に人気がある優待制度」を持っている数少ない優待株の一つだと言えるだろう。
人々の行動パターンと外食産業
ところで、すかいらーくHDが属している外食産業についてだが、今現在は新型コロナウイルスによる影響により、本当に壊滅的な打撃を受けてしまっている。
すかいらーくHDのように、巨額の融資枠を設定してもらえるような大企業の場合はまだ耐えきれるのだが、中小企業や個人店なんかはどんどん店を閉め始めていて、その勢いが加速している。
というのも、新型コロナウイルスは人々の行動パターンを変形させてしまっており、例えばこれまでに夜は飲みに行っていた人たちが今では自宅で酒を飲むようになってしまっている。
国が感染拡大しないような行動を国民に求めているのだから当然そうなるのだが、しかし、それでは新型コロナ前の人々の行動パターンに依存していた外食産業は非常に苦しいとしか言いようがない。
特に、今後は酒類をメインで提供していたタイプの店舗はどんどんギブアップしていくだろう。
そうなってしまうと、どのような飲食店でも一定レベルを保っている、という日本の美点が失われていってしまうことにもなりかねない。
日本の飲食店のレベルが高いのは、競合店が多く、競争が品質を高めているからだ。
個人的には、色々な飲食店がある街の風景が好きなので、依然のように普通に人々が何の気兼ねもなく様々な店舗で飲食する世界が復活して欲しいのだが、これはちょっと難しそうだね、当分の間は．．．。
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