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乳離れならぬiPhone離れをせよ!!

「ンッマンマー、マンマー」

赤子に甘えられながらそうねだられると、母親であれば誰もが乳房を差出し、慈愛に満ちた温かい母乳を与える。

「んっまんまー、まんまー」

その時の母の温もり、優しさが忘れられず、30を超えて思わずそう叫んでしまったことがある。もちろん、愛する人とベッドの中にいるときのことだ。何がトリガーになってそんなことを口ばしってしまったのかは分からないが、やわらかい谷間に顔をうずめながら、とにかく私は必死にそう叫んでいた。

「んっまんまー、まんまー」

現代社会に圧迫され、疲れ切った心がつかの間の休息で緩んでしまい、幼き頃の懐かしい日々を思い出してしまったのだろうか。私は、そのとき心地の良い膜のようなものに体を包まれ、生まれたままの純真な心を確かに取り戻したような気になっていた。

次の日、愛する人から「別れよう」というLINEが着信した。

👶👶👶

本日の日中、日本を代表する液晶ディスプレイの製造メーカーであるJDS(ジャパンディスプレイ)の株価が一時21%も暴落していた。

何事かと思って調べてみると、アップルが2019年発売する新型のiPhoneに有機ELを使用したディスプレイを採用すると報道されたからだ。今まではJDSが製造している液晶ディスプレイがメインだったが、それを有機ELディスプレイに変えるというのだ。

え、それだけでここまで株価暴落しちゃうわけ!?

正直びびってしまった。JDSの同業者であるシャープの株価も暴落してしまった。この両者に共通しているのは、有機ELディスプレイの生産能力が十分でないという点だ。

つまり、新型のiPhoneに部品を納入できないかもしれないという憶測が流れただけで、株価が21%も暴落してしまったのだ。

これは正直恐ろしいと思った。

先日、シーゲル銘柄代表格であるタバコメーカーのフィリップモーリスが葉巻たばこの出荷数が激減したことによって株価が15%ほど暴落してしまったのは記憶に新しい。

フィリップモーリスの場合は無数に顧客がいる中で、一部の人間たちが禁煙をしたり、健康志向が広がったせいで先進国でタバコを新たに吸う新規顧客の数が減ってしまったため単純に業績が鈍化したのだ。

しかし、現在世界規模で見ると所得の増加に伴いタバコを吸う人口自体は増加傾向にあり、そういった地域での売り上げを伸ばすなり、電子タバコの需要を増やすなりすれば、やり方によっては業績を回復させることが可能だろう。

ちなみに、タバコメーカーの中で一番おいらが有望だと思っているのはJTだ。なぜかというとJTはフィリピンやインドネシアなどのアジアのタバコ会社を買収しまくっており、新興国を攻めている。すでにJTの売り上げは日本以外が国内よりも大きくなっている。

それらの国はこれから人口ボーナスを迎えるので、それに合わせてタバコの消費量も増加してくると予測できるからだ。それに、アジアのそういった国々は国民が健康志向になるほどまだ豊かではないので、ひと昔前の日本みたいにまずは嗜好品であるタバコが庶民に十分行きわたるのが進んでいく段階ではないかと考えるからだ。

それにJTの電子タバコであるプルームテックは、ほとんど匂いがしない。アイコスやグローはタバコ特有の匂いがするが、プルームテックは加熱式ではないので匂いが発生しないのだ。その分、吸いごたえに欠けるという評判だったが、新型プルームテックは吸いごたえも中々秀逸らしい。

国内は電子タバコ分野で盛り返し、海外は引き続き新興国の需要を取り込めば、現在低迷しまくっている株価も案外回復するのではないかと見ている。

脱線したが、フィリップモーリスにしてもJTにしても不特定多数の顧客を相手にしている。そのためその内の1人が「タバコやーめた」と言って禁煙したからといって業績が傾くことはない。大勢が一気にタバコをやめてしまえばダメージは大きいが、そうなるにはそれなりの時間がかかるので、その時間を使って新たな経営戦略を進めることが出来る。

しかし、JDSやシャープ、その他の電子部品メーカーの中にはアップル1社のニーズに相当依存している企業も少なくない。アップルはiPhoneの部品のほとんどを外注に依頼して、それを組み立てているだけのデザインメーカーなので、同品質のものであれば安いものを調達できるに越したことはない。

だからアップルが、「液晶ディスプレイいーらない」と言い出した瞬間に、JDSの経営自体も行き詰ってしまうのだ。これは実に危険な収益構造である。JDSは収益の50%以上をアップルに依存しているのだ。

たった1社のニーズに社運を賭けているのと同じだ。要するに、アップルという母親に母乳をねだる赤子と同じなのだ。

これが母親であれば自分の子供が可愛いので必ず乳をくれてやるが、アップルにとって部品メーカーなど奴隷以外の何者でもない。アップルが部品サプライヤーであるメーカーに熾烈な要求をするのは有名で、日本メーカーとも特許権について訴訟ざたにもなっている。

利益を追求することを最優先とする外資企業なので当たり前なのだが、そのような企業にしがみついているJDSはたまったものではない。さらにその株主はもっとたまったものではない。

iPhoneはスマホ売り上げで世界シェアNO2の位置にあり、さらに日本では50%以上のシェアを握っている圧倒的なブランドだ。そこにしがにつきたくなるのも分かるが、それではアップルの気が変わった瞬間に100%死亡してしまう。

例えばアップルの要求通り有機ELディスプレイを増産しようとすると設備投資だけで数千億単位の費用がかかってしまう。さらに、それだけの費用をかけても技術革新が盛んで競争相手も多いので確実に生きていけるという保証など皆無だ。

そう考えてみると、バフェットやシーゲル教授がいうように設備投資をする必要がほとんどなく、競争相手もあまりいない企業というのは至って経営が安定しているというのが納得出来る。

タバコメーカーって今更どうなの?とこの記事を書くまで思っていたが、書いているうちに欲しくなってきた。

半導体等は需要が凸凹していていいときはいいが、悪い時は地獄のような結末を迎えてしまう可能性がある。おまけに競争相手はいーっぱいいる。

しかし、清涼飲料水やタバコや日常生活用品であればそこまで大きな凸凹はないので、ある程度収益の予測が立ち、結果として支払える配当金についても見込みが経つので配当重視の投資とは相性がいいのも納得だ。

部品メーカーではなくてアップル本体は支配力抜群なので非常に魅力的だが、ビジネスの安定度や顧客の分散という意味ではオールドエコノミー型の企業も捨てたものではない。オールドエコノミー代表のXOMを保有する者として、強くそう思った。いや、言い聞かせた。

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