配当利回り4%超の三井住友FGの高配当株であり劣勢の金融株
配当利回りの高い株というのは、すでに大きな業績の上昇が望めない成熟産業に属する企業や、何かしらの原因によって株価が下落している銘柄が多い。
配当利回りは配当金の額が株価に対して高いと上昇していくので、配当金の額に対して株価が著しく低いか、配当金の額が株価に対して著しく高い場合に上昇する。
高配当株投資家にお馴染みの金融株である三井住友FGは、配当利回りが現状で4.7%まで上昇しているが、その理由は日本の銀行株を取り巻く経営環境の著しい悪化だ。
みずほFGもそうだが、日本の銀行株は現在、国内で長引く超低金利環境の影響で著しく収益性が落ちている。
金利自体が異常に低くなってしまっているので、「お金を貸して利息を得る」というオールドスタイルの正統派ビジネスでは儲からなくなってしまっているのだ。
ただ、メガバンクの場合は収益源を海外等に分散しているので、地銀よりかは経営環境は安定している。
それでも、みずほFG、三菱UFJ、三井住友FGのメガバンクにも、バブル前後まで巨大金融機関持っていたのような勢いはなく、最近ではリストラや国内店舗の縮小など、あまりポジティブなニュースを聞くことはない。
金融株はほとんどが苦戦しているという現状
最近、野村HDの業績がめちゃくちゃ悪化しているということが話題となっていたが、日本の従来型の金融機関は総じて苦しんでいるように思う。
メガバンク、地銀、証券会社、保険などなど、以前と比べて収益を確保するのがかなり苦しくなっているのだ。
この理由については所説あるが、一番の原因はインターネットビジネスがリアルビジネスの領域に浸食してきたことが密接に影響しているように思う。
以前まで日本の金融機関は大量の人を雇い、それらの人々に多額の報酬を支払い、さらには極めて高い収益性を誇っていた。
そのため、メガバンクなんかは理想的な就職先として就活生に大人気だった。また、地銀なんかも「地元のエリート」として人気があった。
ただ、今ではそういった昔日の面影は薄れてきている。
なぜかというと、インターネットが普及したことで業務効率化が物凄いスピードで進み、ネットバンクやネット証券が普及し、さらには最近ではAIが為替取引や株式取引を超高速で行うようになり、銀行のトレーダーの仕事を奪っている。
そのため、インターネットで人を排除した金融機関の方が人を大量に雇っている従来型の金融機関よりも収益性が高く、また、そういった金融機関が大量に設立されていることで、従来型金融機関のパイを奪っているのだ。
しかも、最近では地銀でさえ外債等の資産運用に力を入れていることからも分かる通り、収益の大部分をトレードや資産運用ビジネスに頼らざるを得ない環境となっている。
しかし、資産運用の世界はプロでさえ大きな損失を出す世界なので、どうしても収益は不安定にならざるを得ない。
おまけに、日本国内は少子高齢化で低成長となってしまっているので、「お金がお金を生む」という信用創造の仕組みが機能しにくくなっており、金融機関が儲けにくい環境が完成しまっているのだ。
三井住友FGは日本の金融機関の中では奮闘している
三井住友FGは、日本の金融機関の中では比較的頑張っていて、地銀などが苦戦する中で比較的利益を確保している。
また、自社株買いや増配を通じて株主還元にも力を入れており、PERも低くPBRも低いので、高配当株を選好している投資家であれば手が出したくなってしまう銘柄だ。
しかし、実際は銀行株を取り巻く環境があまりにも悪化しているため、中々手を出しにくいところだ。
ただ、現在の三井住友FGの定期預金の利率は0.010%程度なので、同行の配当利回り4.7%は470倍の利回りだ。
そのため、リスクをとって高い配当利回りを得るか、検討する人もいるかもしれない。
その場合は、今後の金利環境や三井住友FGを取り巻く経営環境を十分に吟味した方がいいように思う。
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