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FBのリブラは暗号通貨ではなく正規通貨になる可能性はあるのか?

FBのリブラは暗号通貨ではなく正規通貨になる可能性はあるのか?

最近、世界最大規模のSNS企業、フェイスブックが発行する予定の仮想通貨であるリブラが様々な場所で議論されており、G7の財務相会議でも「最高水準の規制が必要」だという意見が出されていた。

各国首脳が集まる会談において、一企業が発行する暗号通貨について議論がされること自体が驚きだが、FBはそれだけの力を持った企業になっていると考えた方がいいということだろう。

リブラが他の通貨と違うのは、その価値をドル等の正規通貨で担保とする仕組みが予定されているところだ。

リブラの通貨量と同量のドルなどの通貨を担保とする仕組みなので、ビットコインなどの仮想通貨が大きく価格変動するのに対して、ある程度価格が安定すると考えられている。

もしもその仕組みでリブラが正式にスタートしたなら、月間アクティブユーザー数23億人を超える膨大な数のFBユーザーがリブラを通貨として使用することが可能になる。

そうなってしまうと、そもそもの正規通貨の価値にも影響を及ぼす可能性がある。

また、直接取引によるマネーロンダリングのリスクなど、問題が山積みであることから、各国でリブラに対する反対意見が非常に多い。

そんなリブラだが、ビザやマスターカード、ペイパルなどの決済大手企業も参加しており、実際は実用化される可能性が高いのではないかという予測もある。

自分が国を運営していたら、リブラを認可するのか考えてみる

中国などでビットコインの人気が爆発した後、政府が規制に乗り出していたが、その理由はおそらく自国通貨の元以外の通貨が国内で使用可能な通貨として個人間取引等で流通すると、元の価値が落ちてしまうからだと思う。

例えば、自分が日本という国を経営していると考えてみよう。

その場合、自国通貨である円を日銀に命令して刷り放題であれば、国内経済をある程度コントロールできるが、国内で別の通貨が流通してしまった場合、相対的に円の価値が下がってしまい、経済のコントロールが効かなくなってしまう可能性がある。

なので、大体の人は自分が国を経営しているという前提で考えた場合、フェイスブックが発行するリブラを脅威に感じるのではないだろうか。

フェイスブックのユーザー数はすでに一国の規模を超えており、デジタル上に一つの国家を形成していると言ってもいいレベルの規模になっている。

そのため、リブラが自国に流通するということは、デジタル上で領地を侵略されていると考えることも出来る。

そういった脅威があるため、フェイスブックのリブラは各国が非常に警戒しているのではないだろうか。

ビットコインにはリブラとは別の価値があると思う

ところで、リブラはドルなどの正規通貨を担保とする仕組みとすることが計画されているが、ビットコインなどの仮想通貨は、そういった担保を一切持たない。

あるのは、ブロックチェーンという技術により、取引履歴が改ざんできないという特徴だけだ。

しかし、だからこそ、ビットコインを代表とする仮想通貨はリブラとは棲み分けができるため、投機家たちの資金が流入しやすいのではないかと思う。

例えば、ドルの価値やユーロの価値が暴落した際などを想定すると、価値がそれらの通貨と連動しているリブラよりも、それらの通貨と価値が切り離されている仮想通貨の方に資金が流れ込む可能性があるように思う。

すでに仮想通貨の市場は一定の市場を形成しているため、株式市場の暴落時などに、「有事の際の円ならぬ有事の際の仮想通貨」というよく分からない現象が起こる可能性は十分にあるのではないかと考えている。

ただ、仮想通貨自体はバラバラに発行されているし、商品やサービスとの交換価値が現状極めて低いので、リブラのように実質的に正規通貨の脅威となることはないように思う。

それにしても、リブラが本当に発行されたら一体どうなるのか?それは非常に興味深いところだ。

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