配当金を支払ってくれる低PBR株だけがバリュー株なのか
高配当株は写真のリスのように木で静止している状態でも、配当金を投資家の懐に振り込んでくれる、極めてありがたい存在だ。
高配当株の場合、じっくりと保有してコツコツと配当金を配当金を貰うことが目的で買っている投資家が多い。
配当金を支払ってもらえるなら、株価が上がらなくても我慢強く保有することが可能だ。
日本株にはPBR(株価純資産倍率)が非常に低くて配当利回りが高い株が結構あるが、そういった株はバリュー株に分類されることが多い。
バリュー株とは、その名の通り、実際の価値よりも株価が低いと評価される株のことを指す。
例えば、PBRが0.5倍ということは、その企業が保有している資産の内容にもよるが、実際の価値の半値でその企業が売りに出されているということだ。
そのため、投資家はお買い得だと思ってバリュー株を買うわけだが、実際のところバリューだと思って買ったらさらに株価が下がるという現象が起こることがある。
そういった場合でも、配当利回りが高ければ保有していられるが、単にバリューだと思って買った場合、なかなか値上がりしないので非常にイライラすることになる。
なので、個人的にはバリュー株を買う場合は配当利回りが高いなど、なにかしらの「おまけ」があった方が我慢強く保有出来るように思う。
PBRとPERが高い場合はバリュー株ではないのか?
PERが高い株には、成長性の高いグロース株が多い。
米国株の場合だとネットフリックスやアマゾンなど、将来的な利益の増幅に対する期待から買われている銘柄がそれに該当する。
日本株の場合だとマザーズに上場しているPER50倍を超えるような株などがそうだ。
そういった株は普段の上昇率が高い分、株価下落時にはかなり叩き売られる。
例えば、昨年の年末から今年の年始にかけての株価下落時、アマゾンは一時1800ドル台から1400ドル台まで売り込まれていた。
しかし、その後どうなったかというと、現在では再び過去最高値の2000ドルまで株価が回復している。
ということは、年末の時点ではアマゾンはバリュー株状態になっていたといえる。
ただし、アマゾンの場合は株価と資産の対比でバリューになっていたのではなく、将来的な業績の伸びに対する期待値に対して株価がバリューになっていたのだ。
だいぶ前に、市場全体が暴落した後の株価回復時には、高PERな銘柄の方が株価の回復が早いという記事を書いたことがあるが、多分それは再現性が高い事象のように思う。
そして、その後株価が伸びていくのも高PER株の方である傾向が強い。自分が保有する米国株でも、他の株よりも高PERなペプシコの方が株価の回復も早いし、その後過去最高値を更新している。
ということは、今後の株価の上昇率という意味合いで株式市場が急落した際にバリュー株を探すのであれば、高PERで人気が高い銘柄を買った方がリターンを得やすいのではないかと思う。
つまり、その後の上昇率を考えると、その時点では高PER株の方がバリュー株である可能性が高いということだ。
バリュー株もグロース株も割安株なのでは?という疑問
自分が保有している株にベトナム株のサイゴン・ビール(サベコ)という株がある。
この株はPER39倍、PBRは12倍という高バリュエーションな株だが、自分としては将来的に大きく伸びるか、アンハイザー・ブッシュ・インベブなどの巨大企業に買収されるかして、株価が大きく上昇する可能性があると思って保有している。
日本のキリンやアサヒなどのアルコール飲料を販売している企業を見ていれば分かるが、巨大アルコール企業はもはや買収を重ねることでしか業績を拡大することが難しくなってきている。
サベコは現在はタイ・ビバレッジというタイの財閥系の企業が株式の50%以上を保有しているが、ベトナム経済の発展に合わせてサベコが成長していけば、そういった巨大企業がサベコの株式をプレミアムをつけて買う可能性もあるかもしれないからね。
また、ベトナムのビールの消費量は経済発展によって人々の給与水準が上がっていけば確実に増加していくと思うので、そうなるとサベコの業績も拡大する可能性が高い。
そんな感じの期待があるので(その通りになるかは不明)、自分は元々苦手だったバリュエーションの高い株を保有していることになるが、よくよく考えると高バリュエーションではあるが、上記のような期待があるから将来的な価値を考えると「割安」だと判断して投資をしていることになる。
株式投資の場合は、将来的な価格に対して現在の価値が低ければバリュー(割安)状態だと言えるので、サベコのような成長株に分類される株であれ、低PBRな株であれ、結局投資家はその時点で「割安」だと思って買っているケースが多い。
ということは、割安の判断基準が業績等に基づくか、それとも資産価値に基づくかだけで、投資家は大体のケースでは「割安株」を探しているということになるのかもしれない。
※ちなみに、ベトナムの個別株への投資は高リスクなので個人的にはあまりお勧めしない。
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