本日、原油先物市場で凄まじい暴落が起こり、なんと1日で原油価格が20%以上も暴落してしまった。
これには、ロシアが協調減産に応じなかったことや、サウジアラビアが石油市場のシェアを取る方向に方針転換し、増産する方向に踏み切ったからだ。
すでに、シェールオイルの登場によって原油価格の上値は抑えられ、中東の国々の価格コントロール能力が落ちていたところに今回のインパクトがあり、さらにはコロナショックで世界経済が停滞し始めていることも要因となり、過去に例を見ないくらいの石油価格の暴落が発生してしまったのだ。
この影響をもろに受けるのが石油企業で、エクソンモービルやシェブロン、それからBPなどの石油株は業績に大ダメージを受けることはほぼ確定だと言っていいだろう。
そして、そんなことは原油価格の暴落を見れば誰でも分かることなので、これからかなりの高確率で石油企業株の暴落が始まる可能性が高い。
石油企業の配当利回りは直近の株価下落によって相当上がっているのだが、ここからさらに配当利回りが上昇する可能性が高い。
しかし、それは石油価格の低迷が要因となっている仮の利回りなので、減配の可能性がないのかということを十分に注意して見極める必要があるだろう。
ただ、それよりも本当に心配なのは産油国の財政状態の方だ。
産油国の財政状態が株価のさらなる暴落を招く可能性がある
以前、どこかの記事で書いたのだが、みずほ総合研究所が出している書籍において、原油価格の変化が産油国に及ぼす影響について読んだことがある。
その他のメディアでもこれは指摘されていたことだが、産油国の財政が悪化した場合、それらの国のファンドが保有している株式が大量に投げ売りされる可能性があり、それが世界的な株価の暴落を招く可能性がある。
というのも、サウジアラビアに代表されるような産油国においては、メインの収益源が原油となっているので、原油価格が低迷するということは死を意味するからだ。
そのため、国営ファンドが保有する株式などが大量に売られるという説なのだが、確かに長期間原油価格が低迷すれば、そういった事態も起こりうるだろう。
また、心配なのはロシアの財政状態だ。
ロシアも原油や天然ガスなどに財政が大きく依存しているような構造となっているので、長期間原油価格が低迷した場合、かなりの打撃を受けることになるだろう。
ロシアの通貨のルーブルは伝統的に非常に弱い通貨なので、そうなればロシアの国際や通貨の価値が暴落し、世界の為替市場や株式市場に混乱が起こる可能性がある。
つまり、原油価格の長期低迷は単に石油企業の問題だけではないと言えるのだ。
米国で石油の生産量が激増したことは致命的だった
シェール革命により、 世界最大の石油消費国だった米国において、輸出に回すほどの原油が抽出されるようになったことは、世界の原油市場のバランスを完全に崩してしまった。
国防のことを考えると、これは米国にとって非常に都合のいいことで、これまでに石油を確保するために中東情勢に深く入りこまなくても済むようになるし、なりよりもロシアの経済力をコントロールすることが出来る。
多くの一般人は経済のことに目が向きがちだが、国家間において真に重要なのは軍事力によるパワーバランスなので、経済力を削ぐことでロシアの力をダウンさせることが出来るのは、米国にとって非常に望ましいことなのだ。
そう考えると、今後も米国は原油をガンガン生産して市場の価格をコントロールする可能性が高いので、原油価格の下落というのは度々起こる可能性が非常に高いだろう。
今現在はコロナショックが市場を直撃しており、原油価格の低迷が長期化すれば、現在の利回りは高くても将来的には減配などの心配があるような状態だね、石油株は...。
エクソンモービルなんか、配当利回り8%くらいまでいきそうな勢いだな、表面的な配当利回りはね。
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