「おお...こっちにおいで、ミーちゃん」
おいらが話しかけても、隣の家の飼い猫であるミーちゃんは微動だにしない。
それでも、いつかミーちゃんが「にゃあ」と鳴いて応えてくれるのをずっと待っている。
なにしろ、ここ数日全く人と会話をしていないので、せめて動物でもいいから意志疎通を図ってみたくなったのだ。
しかし、ミーちゃんは全くおいらの呼びかけには応えてくれず、隣の家の塀にションベンをぶっかけてから塀の向こうへと去っていった。
「ああ...誰かと喋りたいよう」
うめくような声で呟いてみるが、おいらは一人暮らしで、すでに配当金によるセミリタイア生活に突入してしまっているため、誰も話し相手がいないのだ。
おまけに、特にやることもないので、毎日ベランダから外の景色を眺めるか、家の中でテレビを見ているかしている。
そうしていると段々と軽い恐怖に襲われてきて、このままネットリとした時間の流れの中で年老いていき、誰にも知られずに静かに息を引き取ってしまうのではないかという妄想が頭をかすめる。
「嫌だ...嫌だああああああ!!」
ずっと楽しみしていたはずの配当金生活なのに、一体なぜこんなことになってしまっているのだろうか?
さて、悲惨極まりない冒頭の始まりだったが、これは無計画に配当金生活をスタートさせた場合のおいらをシュミレーションしてみた場合のお話だ。
前々回記事で、配当金生活を実際にやるにはどれくらいの原資が必要かというシュミレーションを少しやってみたが、今回は実際に配当金生活をする場合の注意点について少し触れてみようと思う。
まあ、おいらは実際に配当金生活をやったことはないので、あくまで仮定の話だが、自分なりの経験に照らし合わせてみて、恐らくこの点は注意した方がいいのではないかということを書いてみよう。
ところで、みなさんは全く仕事も何もせず、1カ月ほど自由だった期間を経験したことがあるだろうか?
学生時代でもいいし、最近でもいい。
とにかく、1月ほど自由で何にも拘束されず、永久に自分が好きなことをやっていられる期間があったなら思い出して欲しい。
そのとき、「何もやることがない」という感じで手持ち無沙汰になってしまわなかっただろうか?
正直、おいらは学生時代の夏休みに、アルバイトもせずにずっと家でゴロゴロしていたことがあるのだが、そのとき軽い恐怖感に襲われたことがある。
「このまま溶けて死んでしまうかもしれない」
1日中部屋でゴロゴロして漫画を読んだりテレビを見たりして、夕方頃からずっと酒を飲んでいたのだが、16:00頃のテレビドラマが再放送される時間帯になると、なんとも言えない焦燥感がこみ上げてきたのだ。
「この生活を続けていると、自分は破綻してしまう」
何もやることがなく永久にダラダラしていると、段々と時間の感覚がなくなってきて、ひどいときになると朝の5時に寝たり、起きたら夕方の4時だったりすることがあった。
そんな生活が続いていくと、日中にアルバイトをしている友達たちとも時間が合わなくなり(ニートのお友達たちとは合うようになった)、誰とも連絡を取らない孤独な状態となっていった。※そもそもニートとは連絡など取らないので除外。
そんな状況が続いた後、いても立ってもいられなくなってしまった。
「何とかまともな生活に戻さなければ」
その危機感もあり、結局はアルバイトをすることにした。
それまでは、「何もすることがなくて楽な状態」を楽しみにしていたのだが、実際にやってみたところ、「何もすることがない状態」というのは結構苦痛を伴うということが判明した。
恐らく、他の人も同じような経験があるのではないだろうか?
配当金生活を仮にスタートさせることが出来た場合、最も注意すべき点は「何かやることを見つけておくこと」ではないだろうか。
株のトレード、ブログの執筆、ジムでのトレーニング、以前から興味のあったアルバイトなど、何かしら生産的な活動をやっておかないと、冒頭のおいらのように配当金で生活をすることが可能になったとしても途方に暮れてしまう可能性がある。
特に、おいらのような独身者は要注意だろう。
なんせ、話す相手が誰もいないので、やる事を事前に決めて毎日のルーティーンとしてこなすようにしておかないと、アルコール中毒やうつになってしまう可能性があると思うからね。
なので、とにかく事前にやりたいことをリストアップしておき、「何もやることがない」という期間が長期間続かないようにしておくことが重要だろう。
例えば、下記のようにスケジュールを組み立てたりする。
・月曜日:ジムでトレーニング
・火曜日:図書館で読書
・水曜日:ショッピングセンターに買い物
・木曜日:ブログを書く
・金曜日:プールで水泳
・土曜日:キャバクラに行く
・日曜日:サイクリング
こんな感じで、事前に1日1個でいいからやることを決めておけば、「何もやることがない」という状態を回避でき、生活にメリハリもつくので結果として配当金生活が充実する可能性があるだろう。
また、できれば旅行などのワクワクできるイベントを自分で企画して実行に移すという風にして生活に新鮮味を持たせた方がいいに違いない。
「何もしない状態」というのは、忙し毎日を過ごしていると「いいな~」と思ってしまうが、いざ自分がその状態になってみると、今度は手持無沙汰でどうしたらいいのか分からなくなってしまうことが多いからね。
「配当金生活」や「セミリタイア」という言葉には非常に甘美な響きがあり、ストレスまみれの日本社会で働いていると、誰もが一度はその状態に憧れてしまうのではないだろうか。
ただ、おいらは思うのだが、実際にその状態が自分にとって本当に楽しいのかを事前にシュミレーションを行っている人というのは、かなりの少数派ではないかと思う。
「思う存分酒を飲んでみたい」
「毎月旅行に行ってみたい」
「思い切り趣味を楽しみたい」
そんな感じで、なんとなく「これやってみたいな」と考えている人は多いと思うのだが、配当金生活に突入した場合の生活をリアルにイメージしている人というのは案外少ないと思うのだ。
「配当金生活」や「セミリタイア」が夢物語のように思えるので、リアルにイメージしにくいというのも原因の一つだと思う。
ただ、このシュミレーションは、誰もが年老いたときに備えて一度はやっておいた方がいいと思うのだ。
というのも、現役世代でバリバリに働いているひとたちも、いつかは必ず仕事を引退するときがやってくるからだ。
仕事一筋でやってきた人の場合、「仕事がなくなるとどうしていいか分からない」という状態に陥ってしまい途方に暮れてしまう人もいると聞く。
なので、事前に自分がやりたいことをいくつか見つけておき、退職後の自分の生活イメージを作っておくことは結構重要だと思うのだ。
でないと、冒頭のおいらのように猫にすら無視される、という悲劇に見舞われる可能性があるからね。
「ミーちゃん、ミーちゃああああああんんん!!!」
そう必死に叫んでも猫にガン無視さえる自分をちょっと想像して欲しい。
きっと、ひどく惨めで悲しい気分になったはずだ。
「猫にすら無視される人生なんてまっぴらだ!!」
そう思った方は、きちんと事前に自分が引退した後の生活をシュミレーションにしておくことにしよう。
株で夢をかなえよう
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