かんぽ生命は増配を実施する配当利回り3.8%の高配当株
かんぽ生命は日本国民なら誰でも知っている民間の超巨大保険金企業で、以前は公的機関だったこともあって、アベノミクス相場の中でIPOをされて非常に注目を集めていた。
かんぽ生命の配当利回りは現在3.8%を超えているため、いわゆる高配当株に分類される。
高配当株の魅力は、定期的に配当金を株主に支払ってくれることで、株主は株価が上がればなおうれしいが、何もせずに受け取れる配当金を手にすることで大きな満足感を得ることができる。
そのため、IPOで買ったかんぽ生命をずっと保有している投資家も結構多い。
しかし、直近で株式の売り出しをしたり、業績の低迷が鮮明になってきている影響でかんぽ生命の株価は大きく下落している。
現在のかんぽ生命の株価は2000円を割っており、過去最低値付近で推移している。
かんぽ生命の場合は、IPO時が株価の絶頂だったというパターンなので、そこで株を掴んだ人たちは現状の株価に大きな不満を持っている。
かんぽ生命は増配を実施している
そんな感じで株価の低迷で批判にさらされているが、かんぽ生命は実は増配をきちんと実施している企業だ。
そのため、株価の下落によって配当利回りは上昇していて、「株価が下がって配当利回りが上がる」というゴールデンパターンを形成している。
しかし、このゴールデンパターンには一つ罠が潜んでいて、その企業が配当金を支払えなくなってしまえば、その株は株価が下がったただの魅力の無い株に成り下がってしまう。
そうなってしまうと、もはや株を買った意味がなくなってしまい、残るのは損だけという状態になってしまう。
そういったケースを防止するためには、「その企業がまだまだ配当金を支払える余力はあるのか?」を考えて株を買う必要がある。
かんぽ生命の場合は超巨額の資金を運用しており、企業規模や事業規模からも一定額の配当金は維持出来る構造となっている。
しかし、直近では主力の生命保険事業が落ち込んでおり、新契約の年換算保険料の落ち込みからも、少子高齢化の影響をモロに受けていることがよくわかる。
そういったことは、業績の落ち込みにも顕著に反映されているため、ゆうちょ銀行株を買う場合は「何となく安心だから」という観点ではなく、「継続的に配当金を支払い続けてくれそうか?」という点を十分検討したうえにしておくべきだろう。
少子高齢化が社会に与えるインパクトとかんぽ生命
少子高齢化問題が社会に与えるインパクトというのは、我々が予測しているよりもかなり大きい。
少子高齢化問題の一番のリスクは、「お金を稼ぐ人」の数が圧倒的に減ってしまうことだ。
「お金を稼ぐ人」が減るということは、「消費をする人」が減ってしまうということだ。
消費をする人が減ってしまうと、その国の経済規模というのは縮小してしまう。
経済というのは、人々がお金を使うことによってお金が生まれ、そのお金が新たなビジネスを作り上げていくことで成り立っている。
ということは、「消費をする人」が減ってしまうと社会の中でお金が回らなくなり、様々な業種に影響が出てしまう。
そのため、少子高齢化社会を突っ走っている日本では今後経済規模が縮小していることが確実視されている。
かんぽ生命が展開している保険ビジネスにしても、基本的に保険というのはライフサイクルに応じて加入していくものなので、若者が多くないと構造がいびつになり、徐々に収益が縮小してしまう。
現在、かんぽ生命は医療保険等の新商品の販売で何とか事業利益を維持しようとしているが、かなり苦しい状況だと思う。
また、運用面に関しても現在の低金利環境では債券中心の保険業はかなり苦しい状況だ。
そういった現在の逆境を今後かんぽ生命が乗り越えていくのかは、非常に興味深いところだ。
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