「は~い、ぼんくらども、まずは一人ひとり、自己紹介から始めなさ~い」
椅子にふんぞり返った面接官たちにそう言われると、リクルートスーツを身に纏った小鹿たちはおびえた声で自己紹介を始める。
「ふっふぁい、私は、学生時代に海外へ留学しており...」や、「ひっひい、私は所属しておいたサークルにおいて副リーダーを務め...」などなど。
そして、その段階で「君いいねえええ」と「君はクズだ」という感じで振り分けが行われる。
学生時代と違って社会人は大体のケースでシビアに「いい・悪い」が決められてしまうので、この段階で振り落とされてしまった学生の中には自信を喪失してしまい、嫌になって就活をドロップアウトしてしまう者もいる。
「なんで僕(私)が落とされるんだろう...」
そんな感じで自信を喪失した方は安心して欲しい。ここに就活面接30連敗を記録した本物の天才がいるから...。
おいらね、マジで就活の面接まったく受からなかったんだよ。
就職氷河期がちょうど終わった頃くらいに就活をしてたんだが、採用件数は少しづつ回復気味だったものの、おいらのような超3流大学出身者には非常に厳しい時代だったのだ。
以前の記事にも書いたが、今とは違って完全買い手市場だったその頃は、面接会場が設置される街のそこかしらで悲痛な就活生の叫び声が聞こえていた。
「職をくだせえええええええ、職をくだせええええよおおおおおおおおお」
まさに、就職難民の大群が街にあふれ返っていたのだ。
もちろん、おいらも例外ではない。腹を空かせきった野良猫のような声でひたすらに叫び続けていた。
「君からは何だか熱意が感じられないね」
そんなおいらを弄ぶかのように、面接官はおいらをひたすら落としまくった。
「なんでやねん...」
おいらは学生時代驚異的に勉強もしていなかったし、スポーツを頑張ったわけでもない、そしてそもそもが超3流大学の出身なので、面接に応募した時点で落とされることもよくあった。
ただ、根拠のない自信だけはあったので、「俺が来たらどこの会社も即採用するだろう」という完全に意味不明な見込みを立てていた。
しかし、結果は不採用の雨あられ...。
さすがのおいらも、自信を喪失してしまった。
「なぜだ、なぜこの天才を採用しないんだ」
リアルにおいらは30回以上連続で不採用のありがたい通知をいただいているのだが、バカなので20回目くらいまでは対して気にならなかった。ただ、20回を超えたあたりから、「あれ、これおかしくね?」と疑問を持ち始めるようになった。
そして、あるとき受けた企業の2次面接でこんなことを言われて、これは本気でダメだと気付いたのだ。
「君の話からは、君がどういう人間なのか全然伝わってこないんだよね」
面接官からそう言われたとき、おいらはようやく気が付いた。
ーやり方を変えないといけないー
それまでのおいらは、一応就活の面接対策本なんかを読んで、「なぜその企業で働きたいのか」を中心にして話をしていた。
企業分析を行い、そこで自分のどのような点を生かしたいかということを話していたのだが、自分で話していても何となくシックリこなかった。
「私は御社のこんなところが素晴らしいと思う」
「私は御社にこういう理由で入社したい」
こんな感じで、中途半端に話を展開していたのだが、自己PRも定型文そのままを話しているような感じだった。
「自分の学生時代のエピソードは...」
「自分はこんなことが得意で...」
だが、全く相手の企業には伝わらず、ひたすら面接で落とされ続けるという悲劇を味わった。
そしてとある面接官に言われた前述の言葉を聞いた時、ようやく自分の間違いを気付くに至った。
「君の話からは、君がどういう人間なのか全然伝わってこないんだよね」
そう...おいらは、相手の面接官に自分がどんな人間かを全く伝えることをしていなかったのだ。
なので、面接官に薄っぺらい印象しか与えることが出来ず、「印象に残らない大勢の中のひとり」になってしまっていた。
「自分がどんな人間かをきちんと伝えないと話にならない」
その点に気付いたおいらは、自己PRをする時の内容を下記のようにカスタムするようにしていった。
①自分の一番得意なことと、それにまつわるエピソードを一つ書きだす。
②何を言われても①の話で完結させる。
人間誰しも一つくらいは得意なことがあるはずなので、その得意分野にエピソードを交えて話をすることで、自分という人間がどういう人間かを伝えるようにしていったのだ。
「自分は学生時代に営業のアルバイトをしていて、アルバイト全員の中で〇位になったことがありますが、その際に活かしていたのは自分の〇〇な点です。なので、〇〇な点を御社で生かしたいと思います」
一見シンプルな定型文のように見えるかもしれないが、〇〇に自分が本当に得意なことを当てはめることで「自分という人間」が相手に伝わりやすくなるのだ。
ただ、〇〇を真剣に考えて分析している人というのは意外な程少ない。
なので、その点を突き詰めてシンプルな自己PR文を完成させ、何を聞かれてもそこにつなげるという話し方をすると、相手の印象に残るようになる。
ポイントは、「何を言われても事前に完成させた自己PR文につなげる」ということだ。
「君は自分のどういう点をこの会社で生かしたいの?」
「君はこの会社でどういうことがしたいの?」
「君は学生時代勉強を頑張ったの?」
面接官は就活生に様々な質問をして心を揺さぶろうとするが、何を言われても事前に作成しておいた文章につなげることで、段々と何を聞かれてもスムーズに答えることが出来るようになる。
なぜなら、会話のゴールに向かって喋ればいいと分かっているからだ。
何を聞かれても最後はどういう風に答えればいいのか分かっているので、心が安定してくるという効果があるのだ。
エピソードは多少盛ってもまったく問題ない笑。ただし、「自分が得意なこと」だけは限りなくリアルに話をしないといけない。それも、一歩踏み込んで深く。
ほかの人全員に効果があるのかは不明だが、おいらは「最後を自分の得意なことの話」で話を完結させる話法で、衝撃的な連敗を続けていた就職活動を何とかクリアし、最終的には無事に就職することが出来た。
そして、自分が受かったあと、おいらとおなじく就活連敗記録街道を爆進していた友人たちにこの方法を伝授してみると、彼らも最終的には就職することが出来ていた。
なので、ドヤ顔で言えるほど画期的な方法ではないが、シンプルな分だけ再現性はあるように思う。
最近の就職活動は完全な売り手市場だとよく聞くが、電車の中や街でリクルートスーツに身を包んだ就活生を見ると、結構思い詰めた暗い表情をしている人が多い。
「面接うまくいっていないのかな?」
そういう人たちを見ると、何となく心配になってそんなことを考えてしまう自分がいる。
自分自身、就職活動でずっと落とされ続けた時期は自分に自信を失ってしまい、「俺はダメな人間じゃないか」と悩むことが多かったからだ。
特に、おいらと同じく2流や3流大学出身の人間は就職活動で苦戦をするので、そういった学生の中には自信喪失してしまった結果、「もういいや」と途中であきらめてしまう人もいる。
ただ、突破口は絶対にあるはずだ。
社会に出て働いてみると分かると思うのだが、「不可能だ」と思っていることでも必ず突破口はあることが多い。
なので、「不可能だ」とあきらめるのではなく、何度も繰り返しチャレンジしてみてその状況を打開していくことが重要なのだ。
別にスマートにやらなくてもいい。泥臭くてもいいじゃないか。俺なんて、社会に出てからもずっと泥臭くやっている。ただ、必死で食らいついていれば何事も突破口は開けてくる。
明日の面接が不安で寝れない?
いいじゃないか、寝れないんだったらユーチューブでも見てテンションを上げておけばいい。
企業に否定されて毎日がつらい?
誰も君のことを否定したりしてなんかはいない。否定しているのは君自身だ。なので、自分を肯定してあげて諦めなければきっと突破口は開ける。工夫をしよう。成功するまで何度でも。
野球選手を多く輩出するドミニカ共和国のメジャーリーガーたちは、普段は陽気で適当なのだが、世界トップリーグのメジャーリーグで圧倒的な成果を残し続けている。
そんな彼らがよく口にする言葉がある。
ーLet’s have fun Play hardー
楽しく、激しくいこう。
日本人に最も不足している部分を強調しているこの言葉がおいらは大好きだ。
日本人はとにかく物事を暗く捉えがちで、悲壮感を漂わせながら周りに同調して生きようとする傾向がある。
だけど、よくよく考えたら「悲壮感を漂わせながら周りに同調して生きる人生」になど何の意味もない。
ーLet’s have fun Play hardー
楽しく、激しくぶつかった方が、人生はきっと上手くいくはずだ。
就職活動も一緒だと思う。
決して諦めたりはせず、「楽しく激しく」トライ&エラーを繰り返して君なりのスマートな結果を手に入れることを祈っている。
株で夢をかなえよう
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