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奨学金で破産するという恐ろしいリスクと日本の給与水準の矛盾について

最近、奨学金を返せなくて破産してしまうケースというのが増加しているらしい。

奨学金とは、高校や大学に行くための資金を日本学生支援機構から借りられる制度のことで、進学はしたいが資金的余裕のない学生にとっては非常に重要な制度だ。

本来であれば、借りた奨学金はその後働いて返すのが通常なのだが、中にはどうしてもそのお金が返せずに自己破産を選んでしまう人までいるというのだ。

そして、本人だけではなく、奨学金を借りる際に連帯保証人となっていた親等の親類にまで類がおよび、自己破産の連鎖を起してしまうケースすらあるという。

2016年までの5年間の間に、奨学金が返せずに破産した人の数はのべ1万5人にものぼる。

一体、どうしてこのような事態が発生してしまうのだろうか?

正直、おいらは奨学金で破産者が続出しているという事実を知ったとき、本気でこの国はヤバいんじゃないかと思ってしまった。

というのも、本来であれば奨学金というのは、資金はないが教育を受けて自身の能力を伸ばしたいという意欲のある人間に対して教育資金を貸し出す制度で、日本の教育水準の下支えにもなっている。

しかし、実際は奨学金を借りて高校や大学に行ったはいいが、就職した先の給与が低かったりして奨学金の返済が困難になってしまうケースがあるのだ。

おまけに、親や親類を連帯保証人に設定している場合、子供が返せない奨学金をさらに親が返せずに連鎖して自己破産する悲惨なケースまであるという。

「奨学金返すの、しんどいんだよね」

実際、昔おいらの周りでも、奨学金の返済に苦労している人というのは結構多かった。

というのも、若いうちというのは給料が少ない場合が多いので、月々1~2万円程度の返済金額でもしんどい場合があるのだ。

特に、一人暮らしをしていると様々な出費があるので、かなりきつそうな奴もいた。

日本企業は年功序列の給与体系なので、大卒であっても実際の初任給の手取りが20万以下という場合が非常に多い。

そして、高卒や専門学校卒の場合はさらに初任給も低く、また、中々昇給しない場合も多い。

以前、ファーウェイという中国の電子デバイス企業が、大卒の初任給を40万円超で設定して話題となっていたが、日本企業ではあの給与水準はまずありえない。

そのため、最初の時点で奨学金を返すのに躓いてしまい、職場環境が悪くて退職してしまい返済が不可能になるというケースも多いという。

奨学金が返せず自己破産を選択せざるを得ないという問題の根底には、労働者の給与をより低く抑えようとする企業の姿勢が多分に影響していると思う。

おいらは株をやっているので、企業が人件費を抑えるのはある意味当然で、それによって経営効率が改善し、株主を潤す利益が増加するということを知っているので決して悪いことだとは思わない。

ただし、それは投資家としての観点での意見だ。

日本の個人が保有する金融資産の比率の内訳をみると、圧倒的に現金が多いことからも分かるように、日本人でリスク資産を保有してるのはごく少数派だ。

日本の証券市場で取引を行っている大多数は外国人なので、そう考えると「外国人に利益を与えるために、企業は人件費を削っている」という構図をイメージしてしまう。

要するに、企業が利益率を改善するために人件費を削った場合、潤うのは少数派に属する投資家や、外国資本ばかりなのだ。

一方で、おいらのようなサラリーマンに代表される労働者たちは、人件費が削られるたびに割を食って悲鳴をあげる。

ただし、いくら悲鳴を上げても事態は全く改善されない運命にある。

なぜなら、日本はすでに高度経済成長期が終了しており、しかも少子高齢化によって経済規模が縮小していく国家なので、企業とすると利益を増加させるためには今まで支払っていた人件費を減らすという選択肢を選ばざるを得ないからだ。

そのため、今後もこの国の平均賃金が劇的に上昇するということは考えられないだろう。

つまり、日本企業の給与水準が総じて上昇し、労働者の給与が全体的に増える可能性は限りなくゼロに近いので、今後も「奨学金の返済が苦しくて破産する」というケースが減ることはないと思う。

親世代にしたって、段々と昭和の恩恵を受けてきた世代が減っているので、多くの資産を持っていないケースも多く、奨学金の返済で苦しむ子供を助けてやれないことも多い。

「これは、一体どうなんだろうか...」

もちろん、奨学金を返せずに自己破産するというのはごく一部の層だけだが、「奨学金の返済が苦しくて、生活がつらい」という人たちは相当な数にのぼる。

就職した先から十分な給与が支払われないため、月数万円の給与すら返せないというのだ。

その一方で、日本企業は過去最高の利益を計上し、投資家たちに支払われる配当金の額は過去最高を記録している。

だけど、ほとんどの人は「景気がよくなった」という実感を持てないでいる。

そして、人件費を削減して捻り出した利益という果実を手にするのは、外国人投資家ばかり...。

これはね、構造的にもう完全に歪んでいるとしか言いようがないと思う。

「だから投資しないといけないんですよ!!」

投資ブログであれば、そういったうたい文句を言えばいいのかもしれないが、恐らく奨学金を返すのにも困窮するような人たちには、そんな余裕は絶対にない。

一生懸命働く、だけど奨学金は中々減らない、だけど給与は上がらない、という蟻地獄式の悪循環にはまっている状態の人が多いと思うからね。

奨学金を貰って高い水準の教育を受けても、奨学金を返済するのにも困窮してしまう国。

果たしてそんな夢も希望も無い国に未来があるのだろうか?

本当に疑問に思うね。

おいらは、この奨学金での自己破産問題は、日本の給与水準と企業の人件費削減が相当影響していると思うのだが、はっきり言って解決策は思い浮かばない。

人件費の削減をやめてしまえば、恐らく日本企業の利益は激減してしまい、そうなると景気悪化や倒産リスクにつながってしまうので、雇用の継続性が悪化してしまう可能性が高い。

やるとすれば、若い世代の給与を増やして、上の方の層については年功序列を排除し、きちんとした評価基準で給与の査定を行うくらいなんだろうね。

日本企業の場合はネックになっているのは、あまり働かない上の層の人々に支払っている高額な給与の場合が多いからね。

要するに、今ある給与のバッファをやり繰りして何とかするしかないと思うのだ。

それでも、あまり解決策にはならないかもしれないが、若者の給与が著しく低いというのは本当に問題があると思う。

若くて経験がなくても、上の方の何もしないオッサンの何倍も生産的な働き方をしてる奴はいくらでもいるからね。

それに、「初任給40万」みたいな企業が大量にある社会の方が、夢があって若者はみんな頑張るのではないだろうか。

「真面目に勉強して新しいことにチャレンジすれば報われる」

若者がそう思うような社会であれば、イノベーションも起こりやすく、人口が減ったとしても発展していく可能性は高いだろうしね。

まあ、なんともしようのない問題なんだろうが、何となくそう思ってしまった...。

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