「かぶまくら君、きみは、ふるさと納税をやっているのかい?」
頭をハゲ散らかした、超一流サラリーマンの上司が、そう聞いてきた。
「いえ、やっていません」
「まだやっていないのか、あれはお得だから絶対やったほうがいいぞ」
「はあ...」
どうやら、その上司の奥さんがふるさと納税にハマっているらしく、それに感化されてふるさと納税の素晴らしさを吹聴しまくっているらしい。
確か、地方に納税したら返礼品がもらえるとかいうあれだ。
ちなみにその上司は、上には絶対服従、接待大好き、仕事はあんまり好きではなく、そして莫大な額の住宅ローンを抱えているという典型的な日本のサラリーマンだ。
その証として、脳天がすさまじいくらいにハゲ散らかしている。
おいらもこのままいくと、きっとこんな感じの頭になっていくんだろうな...。
その上司のことは別に嫌いではないが、そう思うと陰鬱とした気分となってくる。
「あのオッサン、ハゲ散らかしすぎだよね!!」
そういった女性社員の心ない陰口を聞くたびに、おいらは心を痛ませている。
なぜなら、何を隠そうこのおいらも、デコからハゲ上がるというDNAを内蔵しているからだ。
したがって、それは未来のおいらに向けられている言葉でもある。
...。
しばくぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
🎁 🎁 🎁
さて、おいらの上司がハマっているふるさと納税だが、一体それはどんな制度なのか?
知っている方もかなりいらっしゃると思うが、一応説明しておこう。
ふるさと納税とは、自分が好きな自治体に寄付をすると、そのお礼として様々な返礼品がもらえる制度のことだ。
しかも、寄付したお金は確定申告をすることで納税した所得税や住民税と相殺され、納税者に還付されるのだ。
まあ、平たく言うと税額控除の一種のようなものだ。
税額控除とは、所得に税率をかけて産出した所得税等の額から、控除額を差し引ける税法上の制度のことだ。
ちなみに、控除する金額のベースとなる寄付金額から2,000円が差し引かれるので、その2,000円が自己負担額ということになる。
そのため、ふるさと納税を活用する人は、2,000を支払うと各自治体が用意した様々な返礼品をもらえることになる。
しかし、返礼品といっても税金を納付したお礼にもらえる品だから、そんな大したもんでもないでしょう...。
そう思っていたのだが、実際は違っていて、かなり高額な返礼品が納税者に対して送られているこということを知った。
もうね、本当にちょっとビックリした。
和牛にタラバガニ、うなぎのかば焼き、いくら、ホタテ、ビール、毛ガニ、うに、それから焼酎のセットに商品券...などなど。
なんでもありかい!?
思わず、そう突っ込みたくなってしまう。
そういえば、以前買った株雑誌に、ふるさと納税の返礼品特集みたいな冊子が挟まっていたが、そのときは全く興味がなかったので見たこともなかった。
しかし、よくよく思い出してみると、その冊子にカニや和牛のステーキの写真が載っていたような気もする。
はっきり言って、2,000円では買えないようなものが返礼品として用意されているので、そら流行るわと思ってしまった。
だけど、やはり何事もやりすぎるとよくない。
あんまりにも高額な返礼品がラインナップされすぎていることに違和感を覚えた政府が、ついに高額返礼品にストップをかけてしまったのだ。
🎁 🎁 🎁
それにしても、このふるさと納税という制度だが、制度の趣旨としては全然悪いものではない。
むしろ、税収の減少により悲鳴を上げている地方自治体を活性化するための、なかなかいい制度ではないかと個人的には思う。
昨今は、日本中で進む人口減少及び高齢化により、都市部を離れた自治体ほど、税収の減少に非常に苦しんでいる。
いや苦しんでいるというレベルではなく、財政破綻寸前の地方自治体だって結構な数存在すると聞く。
地方自治体が財政破綻するとどうなるかというと、北海道の夕張市の例を見ればよくわかると思うが、様々な公共サービスがストップしてしまい、その地域に住む人々の生活に重大な影響が出てしまう。
例えば、市立病院が閉鎖されてしまったり、ごみの収集で金を取られてしまったり、下水道料金が上がったりと、数えだすときりがないほどの不自由を住民は被ることになってしまうのだ。
この地方自治体の財政破綻問題を解決するには、税収を向上させるしかないのだが、はっきり言って今の日本では過疎地や都市部から離れた地域でそれを実現することはほぼ不可能だ。
なぜなら、現在は人口の都市部集中が進んでおり、地方は過疎化の一途をたどっているからだ。
それは、九州でも本州でも北海道でもそうで、都市部に人が集中するという現象が進んでいるのだ。
なぜかというと、都市部は様々な物資がすぐに手に入り、公共交通機関も発達しているので生活がしやすいからだ。
また、都市部に行けば行くほど仕事が増えていくので、結果的に人口は都市部に集中することとなる。
今後もこの流れが止まることはまず無いと言っていいだろう。したがって、地方自治体の税収を今の状態で向上させるのはほぼ不可能なのだ。
しかし、ふるさと納税制度を使えば、その土地に住んでいない人からも税金を寄付という形で得ることが出来るため、返礼品を魅力的なものにすれば税収の向上が見込める。
これは、大きな観光資源などがない地方自治体にとっては相当魅力的だ。したがって、人気が出るようにと、様々な返礼品がライナップされていった。
そのため、自治体によってはかなり高額な返礼品を用意するようになり、それに負けじと他の自治体もさらに高額な返礼品を用意する。
そんな返礼品合戦が繰り返されることで、従来の制度の趣旨とは違った形でふるさと納税が活用されていることを重く見た政府が、地場産でない返礼品や、納付額の3割を超える高額な返礼品を送っている自治体をふるさと納税の対象から外すことを検討しているらしい。
政府からすれば、最初は応援したい自治体に寄付を促すくらいのささやかな感覚だったものが、次第に商業臭プンプンの返礼品合戦に発展してしまったため、焦ったのだろう。
しかし、これはそんなに悪いことなのだろうか?
確かに、返礼品合戦が加速しすぎると、一部の高価な返礼品をラインナップしている自治体にのみ寄付が集中してしまい、弱小自治体には寄付がいくとどかなくなってしまうだろう。
それは問題だと思うのだが、返礼品を地場企業が生産したものに限るというようにすれば、地場産業の活性化にもつながると思うので、別に納付額の3割を超えていてもいいような気がする。
地方自治体が抱える構造上の一番の問題点は、それらの地域に目立った産業が無く、したがって労働人口も増えないために税収の向上が見込めないことだ。
産業の無い地域に人は根付かず、したがって家族も形成されることがなく、その地域の人口が増えていくということは中々無いと言っていい。
だから、返礼品の製造などを通じて、地場産業や企業を活性化することは、わずかではあっても地方の税収向上にプラスに作用すると思うので、それが長期間続けばやがては税収が向上する可能性もあると思う。
そう考えると、政府が言うように、その地域の特産品など以外の全く関係ない品を送るということは規制した方がいいと思うが、納付額の3割を超えるものについては、別に大目に見てもいいのではないかと思う。
それよりも、一定の額以上の寄付額を受け取った自治体は、その超過した額の何割かを別の自治体に振り分けるなどとしたほうが、総数は減らさずに寄付金を分散出来るのでいいのかな、とも思うのだが、どうなんだろうか?
地方自治体の財政問題は、ふるさと納税で解決出来るほど甘ったるい問題ではないが、何らかの解決策を模索していかないと、将来的に悲惨なことになるのは目に見えている。
だから、国民参加型で皆が楽しめ、なおかつ少しでも問題解決に寄与出来る可能性のあるふるさと納税制度は、あんまりガチガチにしない方がいいと思うね。
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最後に、このふるさと納税制度だが、寄付金を還付してもらうには、確定申告をする必要があるので、その点が面倒だ。
しかし、ワンストップ特例という制度もあるようなので、だれでも簡単に出来るみたいだ。
おいら自身はふるさと納税制度を活用したことがないので、地方活性化のために一度利用してみようかと思っている。
ふるさと納税関連のサイトを見てみると、様々な景品がラインナップされていて、見ているだけでも楽しい。
みなさんも、ささやかながら日本の衰弱化を食い止めるために、ふるさと納税をやってみてはいかがだろうか。
株で夢をかなえよう
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