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高齢者になった君が投資信託の高速回転売買で資産を溶かさないための処方箋

みなさんは、ウルフ・オブ・ウォールストリートという映画をご覧になったことがあるだろうか?

主演はレオナルド・ディカプリオで、ジョーダン・ベルフォートという証券詐欺と資金洗浄の疑いで起訴され、最終的に22カ月間もの間投獄された米国の超有名な株式ブローカ-の半生を演じた作品だ。

ベルフォートは、ほんとんど価値のない屑企業の株式(ペニー株)を客を騙して売りまくり巨万の富を得たことで一躍有名となった悪党だったのだが、最初は新人としてきちんとした証券会社に勤めていた。

ベルフォートが最初に勤めた証券会社に初出社したとき、彼の上司はベルフォートにこう言った。

「いいか?お前は客に株を売り続ける。そして、客は何度も株を買い続ける。回し車の中で走り回るネズミのように、クルクルと」

このセリフは、証券会社の営業の全てを凝縮していると言っても過言ではない名言だと思う。※うろ覚えだがこんな感じのセリフ。

要するに、証券会社は顧客へ株式や投資信託を売った際に入ってくる手数料で儲けているので、証券会社が金を儲けるためには何度も客に株や投資信託を買ってもらう必要がある。

だけど、株や投資信託を無限に買えるほど金を持っている人間などほとんどいない。なので、すでに売りつけていた投資信託を解約させて、その解約金で新たに投資信託を購入させる。

このような取引を短い期間で繰り返すことを高速回転売買という。

こういった高速回転売買の犠牲となり、大切に貯めてきた資産を溶かす高齢者が後を絶たないことが昔から問題となっている。

ちょっとシュミレーションしてみようか?

例えば、あなたが自分のマイカーの車検で整備工場に車を預けたとする。

そして、車を預けた次の日、整備工場の担当者があなたに電話をしてきてこう言う。

「すいません、お預かりしたお車なんですが、エンジン内の部品に不具合がありますので交換させていただいてよろしいでしょうか?」

その際、あなたはきっとこう答えるのではないだろうか?

「え、そうなんですか!?わかりました、でも、おいくらくらいなんですか?」

「3万円くらいの部品です。交換しておかないと後でエンジンから出火する恐れがあるんですよ」

「出火!?わかりました、交換しておいてください」

おそらく、整備工場の担当者に勧められた通りに部品を交換する場合がほとんどだろう。

なぜなら、ほとんどの人は車に搭載されているエンジンの構造になんか詳しくはなく、その部品が本当に必要なのか、そしてその部品の値段が適正なのかの判断がつかないからだ。

そのため、プロである整備工場の担当者に言われるがまま、部品の取り換えを依頼してしまうのだ。

これと同じことが金融機関の窓口で起こっていて、その結果高速回転売買の犠牲になる高齢者たちが後を絶たないのだ。

高速回転売買が成立する大前提として、2つ必要な要素がある。

1つめは、投資信託等の金融商品を売る側にノルマがあること。

2つめは、投資信託等の金融商品を買う側に知識がないこと。

この2つの要素が揃うことで、高速回転売買は成立するのだ。

まず1つ目の、「販売する側にノルマがある」という前提条件についてだが、証券会社の営業マンは毎月会社から高いノルマを課されており、そのノルマを達成するために必死となって顧客に金融商品を販売する。

ノルマとは、金融商品を販売することによって得られる手数料のことだ。

そのため、証券会社の営業マンは顧客に投資信託を買わせては解約させ、そしてまた新たな投資信託を買わせようと営業をかけるのだ。

2つめの、「金融商品を買う側に知識がないこと」も高速回転売買が成立するには欠かせない前提条件だ。

なぜなら、金融商品について知識のある顧客であれば、どれだけ証券会社の営業マンに投資信託を買い替えるように勧められても、必要ないと思ったら断るからだ。

一方で、金融商品について知識のない顧客の場合は、前述した顧客が車検の際に整備工場の担当者からエンジンの部品交換を勧められたケースと同じように、営業マンに言われるがまま投資信託の売買を行ってしまう可能性が高い。

つまり、その商品がどういうものか判断するための知識がないため、プロである証券会社の営業マンに言われるがまま金融商品を買ってしまうのだ。

投資信託の回転売買の一番の問題点は、顧客の利益とは無関係に投資信託の売買が繰り返され、評価損と手数料の差し引きが合わさった場合は複利式の逆バージョンで損失が膨らみ続けていくことだ。

例えば、Aさんが5000万円分の投資信託を買って、その投資信託の販売手数料が3%だったとしよう。

まず、1回目の売買で10%の損失が出たとすると、

・5000万円×0.97=4850万円×0.9=4365万円となる。

そして、同じく販売手数料3%の商品で2回目の売買で5%の損失が出たとすると、

・4365万円×0.97=4324万円×0.95=4022万円となる。

どうだろうか?

たった2回の売買で、投資信託でも普通に発生しうる損失割合でシュミレーションしただけで、約1000万円もの金が吹っ飛ぶことになるのだ。

「5000万円もの金を投資信託に突っ込む人なんてそうそういないでしょ」

そう思うかもしれないが、日本の高齢者は金をもっているので、これくらいの額の投資信託を買っている人も結構いるのだ。

なので、普通にこういった悲劇が起こる。

そして、これは高齢者だけの問題ではなくて、退職金をもらったばかりの退職者や銀行などの窓口に投資の相談に行く中年社員なんかにも共通して起こり得る問題なのだ。

要するに、知識がなければノルマを課された証券会社や銀行窓口の担当者の言われるがままに売買を繰り返してしまう可能性があるということだ。

そして、最終的に大きな損失を被ってしまうのだ。

「そんなの詐欺だ!!」

という人に言っておきたいのだが、「投資は自己責任」という超有名な言葉があるように、基本的に投資の失敗は完全自己責任で投資家本人が責任を取らなければいけないようになっている。

痴呆の高齢者に無理やり投資信託を売りつけたなど、完全に詐欺に近いケースについては裁判になれば販売した金融機関側の責任も問われるだろうが、普通は完全自己責任で発生した損は投資家本人が被らなければいけないと考えた方がいいだろう。

なので、例え今は投資信託を買う予定がなくても、1冊でもいいからスタンダードな投資信託に関する本を読み、多少の知識をつけておく必要が今の時代は誰にでもあると思う。

なぜかというと、すでに確定拠出年金で強制的に自分で退職金の運用をさせられている人が増えてきていることからもわかるように、今の時代というのは投資という行為が相当身近なものとなってきている世の中だからだ。

スマホを使ってワンタッチで外国株を買えるサービスもあれば、昔は銀行にしか許されていなかった融資業務をインターネット経由で行うクラウドファンディング等のサービスまで普及してきている。

そして、企業は以前のように従業員の給与を増やしたり、きちんと退職金を支払ったりすることが出来なくなっている。

そのため、誰もが投資で自分の資産を最大化させる努力をしなければならない世の中になってきているのだ。

しかし、そのことに気づいている人は意外と少数派だ。

金融に関する勉強をしなければならないと聞くと、なんだか難しそうで気が重くなるかもしれないが、はっきり言ってそんなことは全然ない。

投資信託に関する本でも、最近は驚くほど読者にわかりやすく説明をし、ご丁寧に「買ってはいけない種類の投資信託」というものを紹介している本もある。

そんな本を1~2冊読むだけでいいのだ。何も金融雑誌や難しそうな本を読みまくる必要など1ミリもない。

個人的には竹川美奈子さんという方が書かれている、「新・投資信託にだまされるな!」という本がお薦めだ。

また、インデックス系投信に関して書かれた書籍を読むことを強く推奨する。それで大体どういう投資商品がヤバいかという基礎知識はつくと思うからね。

投資信託などの投資商品を買う前にその程度の努力をするだけで、大損をこかなくても済む可能性があるのだ。絶対にやっておかない手はない。

そのほかにも、インデックス系の投資信託に投資しているブロガーが書いた記事や、投資信託の基礎知識を扱っているサイトなど、現在は様々な媒体で情報収集が可能だ。

なので、今は投資信託なんかの金融商品に興味がなくても、そういった本や情報に触れておくといいだろう。

「自分は投資なんか関係ないから」

そう思っている人でも、どこかの時点では投資と接点を持つ可能性が高い時代となっているので、少しでもいいから事前準備はしておいた方がいいだろう。

退職時に無知識の状態で投資信託を購入し、最終的に身ぐるみ剥がされることを考えたら全然楽な努力ではないだろ?

株で夢をかなえよう

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