日本国内の投資信託の中で人気NO1の地位を不動のものとしている「ひふみ投信」の投資先が、近年少しづつ変化しているのをご存じだろうか?
ひふみ投信はリーマンショック真っ只中の2008年に設定され、その後の景気回復局面で株価上昇の追い風を受けながら、圧倒的なパフォーマンスを出してきた日本を代表する投資信託だ。
ひふみ投信の特徴は、以前までは成長性の高い小型株に投資をし、大型株で構成されているTOPIX等の株価指数を大きく上回る投資成績を叩き出すことだった。
しかし、資産規模が膨張するにつれて段々と時価総額の小さな小型株だけを買うことが難しくなり、直近では日本の中~大型株を中心としたポートフォリオに変化してきていた。
そして、最近では日本株だけではなく、世界の中心的な株式市場である米国株式市場に上場する株式への投資も開始している。
米国株式市場には世界的に有名な企業が数多く上場しており、中国等の外国企業もIPOでの上場先として米国株式市場を選ぶケースが多い。
そのため、米国株式市場は優良企業の詰め合わせのようになっており、その規模やクオリティは日本株式市場の及ぶところではない。
ひふみ投信は、そんな米国株式市場に上場する企業の株式をポートフォリオ組み込み始めているのだ。
ひふみ投信が投資をしている米国株式市場に上場する企業は、我々の生活にも恐ろしいほど溶け込んでいる。
例えば、アップル、グーグル、アマゾン、コカ・コーラなど、日常的にそれらの企業の製品やサービスを目にしない日の方が少ないといったケースも多く、我々の生活は思っている以上に米国企業に支配されていると言ってもいい。
ひふみ投信が中国株式市場や欧州株式市場ではなく、米国の株式市場を投資先として選択している理由は、資本主義社会の総本山である米国の株式市場に投資をするのが一番合理的な選択肢であると考えているからではないだろうか。
最近、ひふみ投信のポートフォリオ上位にOLLIE’S BARGAIN OUTLET HOLDINGS(OLLI)という銘柄が組み入れられていたが、この銘柄も米国株式市場に上場している銘柄だ。
OLLIはPER40倍の成長株で、様々な商品をバーゲン価格で販売するアウトレット店舗を展開している小売業者だ。店舗数は230店舗程度なので、広大なアメリカでまだまだ成長する可能性を秘めている。
その他にも、マイクロソフト、アマゾン、ビザといった成長性のある大型株がひふみ投信のポートフォリオに組み込まれている。
ひふみ投信のポートフォリオは設定以来、小型株から中・大型株へと変化してきたが、変わっていないのは「成長性のある企業に投資をして資産を最大化する」というコンセプトだ。
そのため、今後は時価総額は大きくても成長性がまだまだ残されていると考えられる米国企業の割合が増えていく可能性はあると思う。
そんな「ひふみ投信」だが、最近は「ひふみプラス」が様々な金融機関で販売されているため、多くの人々が投資をする超人気の投資先となっている。
しかし、昨年から続く株式市場の変動により、基準価格は以前のように順調に伸びなくなっており、昨年から続くパフォーマンスの低下により、ツイッターなどのネット上でボコボコにされている。
株式市場が調整段階に突入すると、時価総額の小さな小型株の場合、大型株以上に暴落する銘柄も多い。
株価の下落に嫌気がさした個人投資家が株式を売り払ってしまい、一気に資金が抜けて株価が下落してしまうからだ。
そのため、「ひふみ投信はもうダメなんじゃないか」と思って解約を検討する人も多いようだが、ひふみ投信の場合は成長株投資である以上、長期運用が前提となってくる。
なので、短期間の株価の調整等で解約してまうのは、投資先の特性を考えると最良の選択肢ではないように思う。
ひふみ投信の場合、個別株とは違い投資信託なので複数の銘柄で構成されている。そのため、景気後退局面や短期の株価調整でそれらの企業のビジネスが全滅するということはあり得ない。
ただし、株価は人々の期待値によって構成されているので、それらの企業の株価は下がることもあるが、運用が困難になるほど解約が殺到しない限りは、ひふみ投信が資産として崩壊する可能性は極めて低い。
そう考えると、ひふみ投信はおいらが投資をしている個別株よりかは安全な資産だと言えるのかもしれない。
投資信託の場合、運用する先を選択するのは運用先企業なので、その運用先の投資方針を信じて投資をする必要がある。
なので、「ひふみ投信はテレビ番組に出ていたから投資してみよう」という考え方で投資を行うと、基準価格が下落した際に疑心暗鬼となり、すぐに解約を選択してしまう可能性がある。
なので、投資信託ではあってもHPでその企業の投資方針や、そのファンドの特性等をきちんと調べておくことが重要だと思う。
ひふみ投信は全国各地でセミナーを開催していたり、HPやツイッター上でも情報を発信しているので、投資をする前にそういった情報に触れておくのも悪くないだろう。
そうして事前に投資先の特性をある程度でもいいから理解しておくことにより、投資後の不安を払拭して、投資信託の基本である「お任せ投資」を実践することが出来るようになるのではないだろうか。
投資の世界では、「よく分からないものには投資をするな」という風によく言われるが、分からないものに投資をすると価値が下落した時に保有し続けることが困難なんだよね。
なので、日本で人気NO1のひふみ投信を買う場合であっても、きちんとある程度の情報は仕入れておき、自分の頭で投資先として適正かという判断を下しておいた方がいいだろう。
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