増配で高配当株になりそうなJR九州に対する株主提案
高配当株のいいところは、株価が下落しようが上昇しようが、業績さえ悪化していなければ配当金を定期的に支払ってくれることだ。
配当金は最も安定した不労所得で、純度でいうと本当に何もしなくてもお金が入ってくるので、キングオブ不労所得だと言ってもいいだろう。
そのため、高配当株投資家は頻繁に株を売ったり買ったりすることはなく、じっと株をホールドして配当金を受け取り続けることを好むのだ。
配当利回りが3%を超えたあたりから高配当株と呼ばれるケースが多いが、現在は3%以下だが増配によって今後配当利回り3%を超える高配当株となる可能性もある。
増配とは、企業が支払う配当金の額を業績などに連動させて増加させていくことだ。
増配の魅力は、最初は配当利回りの低かった株が、いつの間にか配当利回りが上昇していることで、気が付いたら高配当株になっていることもある。
例えば、自分が少しだけ株を保有しているセントケアホールディングスという株もそうだ。
この株は、ダブルバガー化した時点で最低単元だけ残して売却してしまったのだが、その後株価が見事に買値付近に戻っている笑。
まあ、それ自体は最低単元とは言え残念なのだが、買った時点での配当利回りは確か2.5%程度だったのが、現在では増配効果で3.2%程度まで増加している。
JR九州は配当金を増配中
JR九州は九州地区で新幹線などを運営する鉄道会社で、JR系列の中では最も遅く上場した企業だ。
JR九州のメイン事業は鉄道事業だが、その他にも不動産事業が収益の多くを占めており、最近は株主還元にも力を入れている。
配当金も上場後から年々増配しており、現在の配当利回りは2.8%となっており、高配当株の水準である3%近くまで上昇している。
そんなJR九州の大株主である米ファンドのファーツリー・パートナーズから自社株買いの提案が実施され、その結果がどうなるのか注目を集めていた。
同ファンドは、発行済み株式の10%に相当する1600万株の自社株買いや役員報酬制度の見直しなどを提案していた。
しかしJR九州が、同ファンドの保有株が株主名簿に異なる名義で記載されている等を理由に発言することを認めず、結局ファーツリー・パートナーズは総会を欠席した。
結果的に同ファンドの提案は否決したのだが、これに対しての世間の反応は、どちらかと言えばJR九州の主張を支持するような内容だ。
JR九州としては、中期経営計画でも示している通り、鉄道などの事業への投資を優先したいため、極端な株主還元は避けたいという主張だった。
結局は、JR九州の主張が通ったわけだが、その理由としては「鉄道事業などに投資するほうが重要だ」といった感じの意見が多い。
自分も、確かに短期的な株主利益を追求するよりも、事業投資を先行した方が企業価値が上がるだろうな、と思ったのだが、これが米国だったら一体どうなのか?という疑問もある。
株主還元は短期的利益の追求なのか?
日本企業と米国企業の違いは、株主への利益還元意識の違いにある。
日本企業の場合は業績が悪くなった場合、すぐに減配したりするが、米国企業の場合は業績が悪化しても増配する場合がある。
なぜかというと、米国企業の場合は減配なんかをやらかしてしまうと、株主が激怒して役員の首が飛んでしまう可能性があるからだ。
そのため、自社株買いや配当金の支払いなどを通じて必死で株主還元を実施する。
現在の米国株高には自社株買いの影響が結構作用していると言われているが、企業が行う自社株買いの規模は過去最大級となっている。
日本企業の自社株買いも過去最高を記録しているわけだが、株主の企業に対する要求はまたニュアンスが違っているような気がする。
例えば、企業が減配したりしても、「業績が悪いから、まあ、しょうがないよね」という感じで特に役員の首が飛ぶといったことも無いケースが多いからね。
なので、今回のJR九州と大株主とのやり取りが、例えば米国で起こったとしたらどういう結果になったのか?という風に思う。
もしかしたら、他の株主も激昂して、「自社株買いしねーなら役員を首にしろ」と提案を強引に押し通したのだろうか。
投資ファンドが強引に企業の資産をコントロールするのは、確かにあんまりいい印象は受けないが、株主の利益追求という意味だと正しい行為だと言える。
今のところは日本国内は企業にとって穏やかな環境となっているが、今後欧米式の考え方が浸透していったら、株主と企業が対立するケースがもっと増えてくるかもしれないね。
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