日本たばこ産業は配当利回り6%超の高配当株
日本たばこ産業ことJTは、日本を代表する高配当株で、その配当利回りは現在なんと6%まで上昇している。
配当利回り6パーセントの水準は、日本の高配当株の中でも相当に高配当な部類に入るため、高配当株投資家たちにJTは非常に人気がある。
一方で、JTの配当利回りが高くなっているのはタバコ事業自体の将来性に多くの人々が疑問を投げかけているからで、その疑問が株価に反映されているため、JTの株価は低迷し続けているのだ。
配当利回りが高くて設備投資をあまり必要としない企業の株を買い続けていれば報われるという主張は、シーゲル教授の株式投資の未来で語られているところで、膨大なデータから弾き出されたその理論はかなり説得力がある。
しかし大前提として考えないといけないのは、JTがこのまま高い配当利回りを維持し続けていくことが出来るのか?ということだ。
タバコ産業には今、過去にないほどの逆風が吹いており、アメリカではタバコの販売自体が禁止されてしまうのではないか?と思うほど風当りが強い。
また、先進国では全般的にタバコを吸う人の割合が減ってきているので、投資家たちはタバコ会社の未来に対して懐疑的な目を向けざるを得ないのだ。
JTが試験販売する10本入りのセブンスター
タバコ株の配当利回りが高いのは、「たばこ」という乾燥した葉を紙でくるんでフィルターとくっつけた単純な製品を作り続けているからだ。
商品の構造が単純であればあるほど、設備投資にかけるお金は必要なくなるので、その分を株主に還元することが出来るのだ。
ただ、JTの場合は巨額の費用をかけて買収をしまくっており、プルームテックなどの新しい製品の開発にも力を入れているので、事業費用自体は今後もそれなりの資金を必要とするだろう。
そんな中で、従来型の葉巻タバコでもJTは販売方法を工夫していて、喫煙者にはお馴染みのセブンスターを10本入りで販売するという取り組みを実施する予定だ。
セブンスターは大昔から定番の葉巻タバコで、タール値が15mmと高めなので、かなり吸いごたえがある。
ただ、最近はタール値が低いタバコが好まれる傾向にあるので、あまり若い人には好まれないのではないだろうか。
しかし、10本入りであれば試しに吸ってみようという気になり、吸った結果ファンになる可能性はあるだろう。
現在はタバコ20本入りで一箱500円とクソ高い値段となってしまっているので、このお試し販売方法はかなり有効なのではないかと思う。
大麻産業とタバコ事業
現在、タバコ事業の驚異となっているのが大麻だ。
大麻はここ日本では禁止されているが、オランダ等の海外では許可されている国もあり、体への有害性はタバコに比べてほとんどないとも言われている。
最近では、海外で大麻を解禁するような動きが進んでおり、その状況に危機感を持った米たばこ大手のアルトリアグループは巨額の費用をかけてカナダの大麻企業であるクロノスの株式を取得している。
そのため、今後大麻が世界的に解禁された場合、明らかに人体に有害であることが証明されてしまっているタバコ自体が駆逐されてしまうのではないか、という懸念がある。
ただ、タバコ自体は新興国を中心として、まだまだ根強いニーズがあるため、一気に衰退するということはないだろう。
また、タバコは国の税収にも大きく影響するので、大麻が一気に解禁されて世界中に広まるという可能性は低いだろう。
そのため、JTはまだまだ高配当株としての地位を保っていけるかもしれないが、昨今の日本国内のタバコ事業を取り巻く環境を考えると分かる通り、今後さらに事業環境が厳しくなっていくことはほぼ確実だと言える。
なので、配当金を目的として日本たばこ産業の株を購入する際は、あくまでポートフォリオの一部として位置づけておくくらいがいいように思う。
最近は、もう本当にタバコ銘柄への風当りがキツイからね...。
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