「ねえ、かぶちゃんも吸わない?」
真っ赤な唇が柔らかく動き、細い煙が巻き上がる。
それはまるで、淫靡な貝がため息をついた瞬間のようで、思わず引き込まれそうになった。
「いや、僕はもうタバコはやめてるんだ...」
「いいじゃん、吸いなよ」
淫靡な貝が僕を誘う。
長い髪をかき上げながら、そう言ってじっとこちらを見つめられると、僕は断れなかった。
タバコの匂いと、彼女が体中に振りかけている甘い香水の匂いと、体中に回っているアルコールの匂いで、僕は少し気が遠くなりそうになっていた。
「じゃあ、一本だけ」
僕はこうしてたまに、淫靡な貝に誘われては、もうずいぶんと前に吸わなくなってしまったはずのタバコを吸うことがある。
乾燥させたタバコの葉を、まるで女性の細い指のように紙でくるんだバージニアスリムが、僕の手に手渡される。
手に取ったタバコにライターで火をつけて、煙を肺に吸い込むと、少し頭がクラクラした。
ごくたまにしかタバコを吸わないと、タバコを初めて吸ったときのような、懐かしい倦怠感を感じることが出来る。
「ところでさ...」
そろそろ、いいだろう。
僕は意を決して彼女を誘う。
「今日は、ずっと一緒にいようか」
彼女が、舌で唇を湿らせ、こちらをじっと見つめる。
今夜は、この淫靡な貝が、殻を脱ぎ捨て、僕に絡みつく。
そう考えた瞬間、僕の体の中心を衝動のようなものが突き上げる。
ああ...この淫靡な貝を...。
「今日は嫌や!!」
淫靡な貝は、気まぐれだ...。
🐚
はいどーも、淫靡な貝に振られて家に帰ってきたかぶまくらです!!
さてと、冒頭の物語はフィクションではなくて、実際にこの現実世界で起こった悲劇です。
まあ、淫靡な貝を抱けなかったことはさておき、おいら、酒を飲んでいる途中にタバコをすすめられると、つい吸ってしまうという悪癖を持っております。
タバコ自体はもう十数年以上も前にやめたのですが、酒を飲んで気持ちよくなっている途中にすすめられると、なんか普通に吸ってしまうことがあるのです。
そして最近、ついにJTの最終兵器と噂されているプルームテックを吸ってしまったのです。
女性から「吸ってみるか?」と聞かれて、我慢できませんでした。
間接キスする→淫靡な貝を抱ける、というシンプルな方程式が頭の中で即座に完成してしまったためです。
そして吸ってはみたのですが、「なんじゃこれ!?」という感じでした。
もうね、とにかく味が薄いし、ほとんど味がしない。
ニコチン1mgのタバコが重く感じるほどのライトな吸いごたえなのです。いや、もはや吸いごたえはほとんどないと言ってもいいかもしれません。
以前、フィリップモーリスの電子タバコであるアイコスも吸わせてもらったことがあるのですが、まだアイコスの方が吸いごたえはマシだと思います。
ブリティッシュアメリカンタバコのグローは、吸ったことが無いので分かりませんが、デバイスにタバコのようなスティックを差し込む、という構造的にアイコスと似た吸い心地なのではないかと思っています。
しかし、恐らくはそのどれもが、ヘビースモーカーたちを満足させられるレベルの吸い心地とは言い難いのではないでしょうか。
おいらは喫煙者だったころ、1日に2箱ほどセブンスターや、マイルドセブンのチャコールといった銘柄を吸いまくっていましたが、やはりニコチンが濃く、死の煙のような害煙を発するタバコの方が旨いんですよね。
ニコチンには強力な中毒性がありますが、おいらはそれと同じくらい、煙を吐き出すときの爽快感にも中毒性があると思います。
そのため、恐らくおいらが現状喫煙者だったとしても、煙の出ないプルームテックやアイコスなどの電子タバコには乗り換えてはいなかったでしょう。
🐚
さて、そんなJTの最終兵器プルームテックですが、徐々に量産体制が整ってきており、遅まきながら全国への拡販が急ピッチで進んでいます。
皆さんも各地のコンビニで、最近よくプルームテックが販売されているのを見かけるようになったのではないでしょうか?
ところで、このプルームテック、販売ほうはかなり好調のようで、デバイス、デバイスに接続するカプセルともに売れまくっているようです。
8月1日にJTは第2四半期の決算を発表しており、HPでその内容を説明していますが、平たくまとめると下記の通りになると思います。
■国内タバコ事業
引き続き、葉巻タバコの販売量は減少し続けており、その減少分の一部をプルームテック関連の事業で補っている。しかし、現状は葉巻タバコの販売減のスピードのほうが、プルームテック関連事業による増収をはるかに上回っている。
■海外タバコ事業
繰り返し行っている買収が功を奏し、利益が上昇し続けている。今後も上昇していく見込みであり、国内タバコ事業の減益を補う、JTの最重要部門。
■医薬品事業
まだ国内タバコ事業の1割程度の利益しか出ていないが、非常に将来性あり。子会社の鳥居薬品の売り上げも増加中。将来的にJTが、タバコと並ぶ収益源の柱に育てたい事業なのだろう。
■加工食品事業
もうやめてもいいかもしれません。
...。
おいらの感想としてはこんな感じなのですが、案外いい感じの決算だと思いましたね。
国内の葉巻タバコについては、もう誰がどう考えても縮小していくのは間違いないので、それを補うためのプルームテック関連事業がどこまで売り上げを伸ばせるかですが、この点については結構厳しいかもしれませんね。
メビウス等の葉巻タバコを吸っていた人が、プルームテックに乗り換えるケースも結構あるかもしれませんが、それよりもタバコ自体を辞めてしまう人が多かったり、新規ユーザーの増加がほとんど見込めない可能性が高いかもしれませんからね。
最近の日本はもう、オリンピック開催に向けて頑張っているせいで、居酒屋ですら禁煙にしまくっている状態です。
居酒屋で禁煙て...。
もはや、それ居酒屋の意味をなさんでしょう、と喫煙者からすれば思うに違いありません。
したがって、どんだけ吸いごたえの薄いプルームテックで頑張ろうが、国内事業が大きく盛り返すのは結構厳しいのではないでしょうか。
新規ユーザーが減り続けている、ていうのは非常に痛いと思いますね。
それとは逆に、海外タバコ事業はこれからも成長が見込めると思います。
買収を繰り返しまくっているので当たり前なんですが、売上高はこれからも増加していくでしょうし、JTが種を蒔いている新興国ではむしろ喫煙者が増えているので、今後も期待大というわけです。
海外事業で心配なのは、為替による影響くらいですかね。
最近は、経済情勢が非常に不安定になっているので、リスクオフになると円が買われて円高になってしまいます。
そうなると、相対的に通貨の弱い新興国での売り上げは、円に換算するとかなり目減りしてしまいます。
次に、医薬品事業。
おそらく、JTは今後の収益の柱としてこの医薬品分野を大きく育てたいと考えているはずですが、まだまだタバコ事業と比べると規模が小さいです。
しかし、徐々にではありますが決算における存在感が増していますので、もしかしたら今後大きく育つ可能性はあると思います。
そして、育った時には、JTはタバコ事業と医薬品事業という、相反する強力な事業ポートフォリオを構築する可能性があります。
最後に加工品事業。
これは、続ける意味あるんですかね?
飲料水事業と同じく、最後は売却という道を辿りそうな気がします。
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こうして決算の内容を見ていくと、株価下落しまくりのJTではありますが、結構魅力的な企業に思えていきました。
プルームテック関連事業が、これからどれだけ成長するのかは、おいらにはよく分かりませんが、海外で繰り返している買収が今後も事業基盤を強固にしていくような気はします。
おまけに、JTは日本株では最上位に位置するほど高配当な銘柄です。
一株あたりの配当金は150円で、その配当利回りは4.9%にも達しています。これは、Jリートの平均値である4%を凌ぐほどの高配当です。
今の株価は3,000円程度ですので、最低単元である100株を買っておけば、株価は上昇しなくても、15,000円くらいはもらえるという計算になります。税引き後で12,000円程度でしょうか。
高配当だという理由だけで株を買うのはどうかと思いますが、JTのHPで決算書を見て、今後株価が上昇しそうか検討するのは悪くないと思います。
ほかにも、最近日本株が下落しまくっているおかげで、4%を超える配当利回りの株もかなり増えていますが、まあ、どれも人気がなさそうな企業ばかりです笑。
しかし、Jリートと同じく日本企業の配当金も過去最高を更新しているので、配当目的でさがせば案外いい企業が混じっているかもしれないと思う次第です。
暇な方は、証券会社のスクリーニング機能を使って、宝物が無いか探してみてはいかがでしょうか。
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