みずほFGなどメガバンク株の株価が少し回復
配当金目的で買っている人も多い代表的な高配当株である、みずほFGの株価がここ最近少し回復している。
また、三井住友FG、三菱UFJも同じように株価が上がり、その影響で配当利回りはやや低下している。
配当利回りが上昇すると、思わず手を出したくなってしまうのだが、直近のメガバンク株の株価は回復気味なので、高配当株投資家にとっては少し微妙な状況だと言ってもいいのかもしれない。
直近の決算での連結純利益は、三菱UFJ、三井住友FG、みずほ銀行ともにコンセンサスを上回っており、予測されていたよりも比較的業績は良好だと言える。
直近でメガバンクの中で最も苦しんでいたのがみずほFGだったのだが、最近は業績の方も回復してきた影響で株価も以前までの水準よりかは少し回復してきているのだ。
以前までは業績予測が市場予測を下回ってしまった影響で、株価が年初来安値を更新しまくっていたが、現状ではその状況が落ち着いていると言っていいだろう。
三井住友FG、三菱UFJにしても同じで、年初来安値を更新しまくっていたころと比べると株価はかなり落ち着いた動きを見せていると言ってもいい。
一方で、株価が上昇すると配当利回りは下落してしまうので、配当金という観点で考えると投資妙味が落ちてきていると言っていいのかもしれない。
メガバンク3行の配当利回りが下落している
メガバンク3行の現在の配当利回りは下記の通りとなっている。
・みずほFG :4.49%
・三菱FUJ :4.32%
・三井住友FG:4.47%
この通り、各行とも以前までの配当利回りの水準と比べると少し配当利回りが落ちているのだ。
しかし、このレベルの配当利回ではあっても、定期預金の利率の400倍以上という驚異的な水準なので、いまだに高配当株としては魅力的な部類の配当利回りだと言っていい。
自分も購入時配当利回り5%を超えるJリートを保有しているが、これくらいの利回りになると放置しておくだけで配当金が積みあがっていくからね。
そのため、「元本価値が大きく下がらなければ」保有しておくだけで現金がバンバン入ってくるのだが、果たして現状投資をしたとして、この3行は元本価値を保つことが出来るのだろうか?
元本価値を保つためには、株価が下がり続けず、また下がったとしても買値かそれ以上まで値を戻す可能性があるのか、という点から判断しないといけない。
高配当株が元本価値を保ち続ける大前提として、「配当金を維持できるのか」という点はとても大切な判断要素となってくる。
なぜかというと、配当金目的で買っている投資家たちは、個人投資家であれ機関投資家であれ、配当金の額が減額されてしまうと一斉に株を売ってしまうからだ。
そして、配当金が減額されてしまうと、もうその株には高配当株としての価値はないので、株価水準も大きく下がり、元の位置には中々戻ってこなくなってしまう。
混沌とした経済環境で経営環境が悪化するか
先週はイランと米国の問題で市場心理が大きく悪化したり、「いや、全然大丈夫かも」といった感じで株価がリバウンドしたりしていた。
まあ、イランと米国の問題は突発的な問題であって、長期的に世界経済に影響を及ぼす可能性は低いだろう。
それよりも、やはり米中貿易や世界経済の減速などに目を向けておく必要がある。
なかでも、中国と米国の関係には要注目だ。
というのも、この両国が喧嘩をし始めると、世界経済に対してきわめて大きな影響を齎すからだ。
なぜこの両国がケンカを開始すると世界経済が減速する可能性があるかというと、この二国の消費や生産に世界中の国々が依存しているからだ。
現在の世界経済は数珠のように各国が貿易によって繋がることで成り立っているので、世界1、2位の経済大国同士が大喧嘩をし始めると、世界中の経済に影響が出てしまうことは誰でも理解できるだろう。
みずほFGをはじめとするメガバンク3行は、すでに事業ポートフォリオを世界中に広げているので、世界経済の減速イコール業績の悪化に直結してしまう。
トレードの収益もそうだし、融資案件についても影響を受けることになるからね。
そして、業績が悪化すると当然、配当金の支払いにも影響が及んでくるため、メガバンク株を配当金目的で買う場合にはこの点は注意しておく必要はあるんだろうね。
世界的に銀行のトレード収益は改善するのか
銀行といえば、ひと昔前であれば融資業務など、「お金を貸し出して利子を稼ぐ」というビジネスモデルが一般的であったが、昨今は低金利環境もあり、投資銀行業務等がビジネスの中心に据えられていることが多い。
超低金利環境が影響していることもあり、もはや融資だけでは食っていけないのが今の銀行の現状だ。特に日本の銀行はそうだと言っていい。
そのため、トレードや投資案件などで収益をいかに確保出来るかが、メガバンクが業績を維持するためには必須となってくるのだ。
そういった意味で考えると、今後世界経済の動向により株式市場や為替市場等がどうなっていくのかが、メガバンクの業績に影響を与えていくことは確実だろう。
金融株は、本当に市場の暴落に真っ先に反応するという特徴があるので、メガバンクなどの金融株に投資をする際には特に注意して世界経済の動向に目を向けておくべきだろう。
日本の金融株は世界最弱と言ってもいいくらい、経済動向が悪化するとその影響を受けてしまうからね。
金融株は配当利回りが高くて非常に魅力的なのだが、買う価格を間違えるとかなり遺体目を見てしまう種類の株だということは覚えておいたほうがいいだろうね。
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