昨年の春頃のことだったか、おいらの住んでいる築40年の豪邸アパートのベランダに、可愛い小鳥さんたちが毎日遊びに来ていた時期があった。
ピーチク、ビーチク、パーチク...。朝からそれはそれはうるさかった。
たぶん、その頃育てていた観葉植物を外に出していたのが原因だろう。その観葉植物は小さな実を枝にならしていたので、それを食べに毎日おいらのベランダにやってきていたのだ。
もしもおいらが心穏やかな引退後の老人だったら、小鳥さんとの会話を開始していたかもしれない。
「最近、ばーさんのビーチクが黒くなってきてね」
ピーチクビーチク!!
「おお、そうかい、お前もビーチクが好きかい」
ピーチクビーチク!!
...。
そんな心温まるコミュニケーションが開始されていたかもしれないが、おいらは欲求不満の塊みたいな中年の独身サラリーマンなので、そんな心の余裕はなかった。
「しばくぞこらあああああああああああああああ!!」
セブンイレブンで買ってきた焼き鳥を頬張りながらそう叫ぶと、小鳥さんたちは蜘蛛の子を散らすように去っていき、二度と現れることはなかった。
ピーチクビーチク!!
しかし、小鳥さんたちが去った後も、そのノイズのようなさえずりが脳の片隅から離れない。
さえずるな...さえずるんじゃあねえ。
いらつきながらスマホの画面を確認すると、今度は人間どもがさえずっていた。
🐦
みなさんは、モテキという映画を見たことがあるだろうか。
2011年頃に上映された、人気漫画を原作とした映画で、それまでの人生で全くモテなかった主人公が突然モテ期を迎えるとういう単純なストーリーなのだが、サウンドトラックのセンスや主演の森山未來の演技が面白くてかなりのヒット作となった。
まあ、本当のことろは、ヒットした一番の原因はヒロイン役の長澤まさみがメチャクチャ可愛かったからだろう。
あの映画で、それまでは清純派の印象が強かった彼女のイメージが変わり、長澤まさみ=色っぽいという構図が完成したのではないだろうか。
まあ、それはどうでもいいのだが、その映画の中で主人公がSNSアプリのツイッターにハマっていて、何と数万回ツイートしているのを上司役の真木よう子に発見され、「お前頭イカれてるのか??」と突っ込まれていた。※うろ覚えだが。
おいらはその頃ツイッターを見たことがなかったので、いくら短文でも数万回もツイートするなんてギャグでしょ、と思っていた。
しかし、最近ツイッターをたまに見るようになり、本当に数万回ツイートしている人がいることを知った。
ツイッターは120文字制限の短文を投稿するアプリで、その手軽さが受けて世界規模で爆発的な人気を得ている。あのトランプ大統領も過激なツイートを繰り返し、我々投資家は多大な迷惑を被っている。
トランプ大統領は、選挙戦も巧みにツイッターでのつぶやきを利用して戦っていたが、日本でも街頭で大声で叫ぶよりも、ツイッターでつぶやきまくった方が有効な選挙活動になりそうな気がするがどうなんだろうか?
まあとにかく、ツイッターはすでに米国大統領選にまで影響を及ぼすSNSアプリになっているというわけだ。
業績面では上場して以来、ずーっと赤字経営が続いていたツイッターだが、最近になってようやく営業黒字が見えてきて株価が急上昇していた。17ドルくらいでゴミのように放置されていたのが、突然倍以上の株価まで噴射したのだ。
しかし、今回の決算発表で月間のユーザー数が前期比で100万人減っており、さらに減少するというネガティブな見通しが発表されたため、一気に不安が広がり株価が何と20%も暴落してしまった。
先日のフェイスブックといい、ツイッターといい、アプリ系の企業の暴落率は凄まじいものがある。
月間のユーザー数が減ったとしても、つい最近までは赤字が普通だった企業がようやく黒字を確保しているのだから、何もここまで下げなくてもいいのでは?と思ってしまう。
しかも、ツイッターは最近S&P500の構成銘柄になったばかりだ。S&P500の構成銘柄に選ばれるということは、米国を代表する優良企業である証だ。
それなのにこの暴落...やはり期待値で維持されている株価が暴落するときは凄まじいね。
フェイスブックもそうだが、アプリ系の企業の弱いところは、少しでも利用者が減ると人々の期待値が下がり、株価が暴落してしまうところだと思う。
利用者が減る=その企業の衰退に直結する、というイメージにつながるのが原因だろう。
ツイッターはようやく営業利益を生み出せるフェイズまでこぎつけているので、赤字を垂れ流しまくっていた以前よりもファンダメンタルズはよくなっているはずだ。
しかし、投資家がツイッターに求めているのは規模の成長なので、利用者が減るとあっさりと暴落してしまう。そんな感じだろうか?
おいらはSNSアプリの中では、フェイスブックよりもツイッターの方がアプリとしては長く人々に使われるのではないだろうかと思っている。
なぜなら、ツイッターはフェイスブックと違って匿名性が非常に強いアプリなので、日常的に現実世界とは違うもう一人の自分を存分に楽しめるからだ。
ツイッターは悪質なツイートやアカウントが多いと批判されていたが、逆に言うとそういった情報を手軽に発信出来るのがツイッターの魅力なのではないだろうか。
フェイスブックは現実世界と紐づいているため何となく固いイメージがするが、ツイッターにはまだインターネット黎明期のアンダーグラウンドな雰囲気が漂っている気がする。
人々がインターネットに求めているのは、恐らくバーチャルな空間であることだ。要するに、現実の世界が嫌だからネットの世界にハマるのだ。
最近はネットショッピングの充実やSNSの発達により、現実世界とネット世界がより身近になってきているが、ネット空間がバーチャルな空間であることのニーズはかなり強いのではないかと思う。
ツイッターがこれから先も匿名性を尊重したアプリであるならば、この先も生き残っていく確率は結構高いのではないだろうか。
おいらは、短文のツイッターよりブログの方が読み応えがあって好きだが。
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