先日、当ブログでも記事を書いた「老後の資産は年金を考慮しても2000万円が必要と政府が公表した件」により波紋が広がっている。
日本人は、健康や食事、それから人間関係など、人生に必要な要素の多くについて細やかに思考を巡らす場合が多いが、「お金」の問題についてはあまり思考を巡らさないことが多い。
そのため、突然、老後の必要資金について政府が詳しい数字付きで発表を行ったのでパニックになってしまったのだ。
現在、政府側は「軽率だった」として火消しを行おうとしているが、かなりリアルな内容の発表だったので、今後も老後資金2000万円は国民に意識される老後の必要資金額となってしまっただろう。
昨今、「老後破産」という言葉が一般的に認知されるようになったが、老後になっても現役時代と同じように消費を続けていれば、次第に資金を食いつぶしてしまい、最終的には本当に経済的に破綻してしまうケースも想定され得る。
しかも、年金支給額については徐々に引き上げや減額等が想定されるので、年金についてもあまり当てには出来ない。
そのため、我々は現役で働いている時期から出来るだけ早めに老後の資金計画を立てておく必要がある。
老後の資金計画を立てるうえで、最も重要なのが「支出を減らす」ということだ。
というのも、老後というのは年金収入を満額得られる場合でも、どうしても現役時代よりも収入は下がってしまうからだ。
前述したとおり、収入額が減ってしまった状態で支出を続けると、どう考えても貯金等の蓄えを食いつぶしていかないと生活が成り立たなくなるので、可能な限り支出の額を減らす必要があるのだ。
しかし、支出を減らすだけで安心かというと、実はそうでもない。
というのも、現在はインフレーションにより各種物価が上がり続けており、おまけに消費税も上がっていくことは確定路線なので、支出を努力で減らしても節約した額が相殺されてしまう可能性があるからだ。
インフレーションによる物価上昇もそうだが、日本の財政状況を考えると消費税の増税ペースは上がっていくと思うので、果たして30年後はもうどうなっているのか？？というレベルだ。
今秋に消費税が10％に増税される予定だが、「消費するだけで10％課税される」というのはやはり相当な負担だ。
そのため、そういった点も考えながら老後の資金計画を立てる必要がある。
日本人は貯金が大好きな人種ランキング第一位に君臨しているが、投資という概念についてはかなり疎い。
しかし、老後の資金計画を早めに立てておき、それを完成させるためには早めに「投資」という概念を取り入れておく必要がある。
というのも、やはり「貯金」だけで資金を積み立てていくには限界があるし、現金だけを積み立てていくとインフレや増税等で目減りしてしまうリスクもあるからだ。
そのため、投資を活用して年5～7％程度のスピードで資産を増加させていき、インフレや増税による相殺に対処していく必要がある。
投資というと、株式投資や不動産投資、それから最近では仮想通貨投資など様々なものがあるが、やはり王道の投資方法で安全なものを選ぶのがベストだ。
S＆P500連動型ETFが一番いいんだろうが、その他にも高配当株や現金での不動産投資など、自分に合ったものを選んで続けていくことが必要だ。
また、お金を投資する以外にも、何かお金を儲けるための能力に時間を投資するということも重要だと思う。
例えば、英語を勉強しておく、ブログの運営を通じてネットビジネスを学ぶ、ビジネス関係の本を読む、などなど、出来る限りそういった行動をとっておいたほうがいいだろう。
というのも、これからは定年退職の年齢がさらに伸びていき、より長い時間を労働に充てなければならない世の中になっていくことが想定されるからだ。
なので、副業をするにせよ、会社で昇給を目指して頑張っていくにせよ、自分自身の能力を伸ばしておき、より長い期間金を稼げる状態を作っておくことが重要だ。
これから終身雇用が完全崩壊していくと、確実に人材の流動化が進んでいくので、労働市場で通用する能力や、会社員以外でも糊口をしのぐ能力を育てておくことは非常に重要だと思う。
例えば、自分自身はアラフォーのオッサンのわけだが、会社を出てしまえば「無職の中年男性」というカテゴリーに属すことになってしまう。
その状態でも、「この人には雇う価値がある」と客観的に見て思わせる能力を身に着けておかないと、今の会社が倒産してしまったり、60～65歳で定年退職した後に路頭に迷ってしまうことになる。
そして、それが「現役であること」をより長く続け、老後資金の不安を根本的に解決する対処策になるかもしれないと思っている。
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