昨年、日本を代表する高配当株である武田薬品工業が、特殊領域に特化した製品を販売する製薬会社のシャイアー社を7兆円という超巨額の費用をかけて買収するというニュースが世間に衝撃を与えた。
7兆円という費用をかけてまで、果たして買収をする必要はあるのか?
当然、投資家たちはそんな感じの疑問を抱き、武田薬品工業の株は叩き売られて下落しまくった。
以前までは4000円台のレンジで株価が推移していたが、今ではリーマンショック後と同じくらいの3000円台まで株価が下落してしまっている。
武田薬品工業は元々配当利回りが4%前後で推移していた高配当株だが、現在では株価が下落した結果配当利回りが4.8%まで上昇している。
しかし、シャイアー社を超巨額の費用をかけて買収しているので、もしかしたら配当金の支払いが途絶えるのではないか?と恐怖する投資家も多い。
巨額の買収というのは、大体のケースで投資家から嫌がられるもので、ソフトバンクGが以前、半導体設計のARM社を3.2兆円という超巨額費用で買収した際にも批判的な意見が多かった。
しかし、今ではソフトバンクがARM社を買収した意味がようやく理解されてきて、むしろ「いい買い物だった」と称賛されている。
そういった事例を考えた場合、武田薬品工業の今回の買収が「成功だった」と評価される可能性がある。
武田薬品の場合は、今後シャイアー社の売上がどれだけ業績に寄与してくるかによって今回の買収が成功だったか、それとも失敗だったかが評価されるだろう。
しかし、それよりも投資家が注目すべきは、巨額の負債を背負った武田薬品工業が果たして今の配当金水準を維持し続けることが出来るのか?という点だ。
巨額の負債の返済に追われ、配当金に回すお金が減ってしまうと、当然その先に待っているのは減配だ。
直近の決算で示されている通期の業績予測は、シャイアー社の買収費用等で利益が圧迫され、約3800億円の赤字を見込んでいる。
しかし、シャイアー社の売上が確実に業績に加算されてきているので、社債等を使ってうまく負債を相殺していくことに成功すれば、配当金に回すお金も確保することは出来るだろう。
一方で、負債の返済に躓いたり、業績自体が悪化してしまった場合は配当金の維持は難しくなってしまう。
投資家たちは、今回の買収の結果が長期的にどういった影響を及ぼすのか、固唾を呑んで見守っている状態だ。
日本人はとにかく借金嫌いで有名で、自分自身も借金は嫌いだ。
しかし、企業活動や経済的活動における借金までを否定するのは少し違うような気がすると思うこともある。
というのも、経済というのはお金が循環して初めて回るものであり、企業がお金を借り入れてそれを事業に回し、その結果新たなお金が生まれたり、雇用が生まれたりするからだ。
そのため、借金はするわ、赤字を垂れ流すわ、で普通で考えたらあり得ない会社の場合でも売上高が伸び続けている場合は期待値の高さから株が買われる場合がある。
投資家の立場からすると、新規株式を発行して資金を集められるよりも、借金を適正な金利でしてもらって事業を回して貰った方が利益が希薄化しないので好まれる。
小型株の場合は新規株式の発行で資金集めをすることが多いが、あれをやられると株価はやっぱり下がってしまうからね笑。
そのため、理想的なのは借金をして事業拡大をするたびに利益を拡大させ、そのたびに利益を増幅させ、配当金の額も増幅させてくれるような企業だ。
まあ、そんなに上手くいくケースは中々ないんだろうけど、そういった株を見つけられたらホールドしておいた方がいいんだろうね。
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