レバナスという投資商品を知らない、という米国株投資家は少ないと思うが、平たく説明するとナスダックにレバレッジを掛けて大きく儲けを狙うETFのことだ。
ナスダック自体が株価指数の中ではボラティリティ、つまりは値動きが激しい銘柄なのだが、そのナスダックにレバレッジを掛けることにより爆発的な利益を狙うのがレバナス投資の神髄だ。
しかし、株価が好調な時には確かにレバナスはどんどん値上がりしていき資産は急拡大していくのだが、ナスダックの株価が下落し始めるとレバナスの資産はレバレッジが掛けれた状態で激減する。
その値幅の大きさに耐えられないレバナス投資家たちが次々とレバナスを売却した後にナスダックが反発してレバナスが上昇するという恐ろしいことが今現実に起きている。
その結果、今度は大丈夫だと思ったレバナス投資家が再びレバナスを買いなおし、その後に再びナスダックの株価が下がりレバナスも暴落して一文無しになるレバナス投資家が現れる、というグリム童話のようなおとぎ話が今現実の現象として展開している。
こういった悲劇を防ぐためには一体どのようにしたらいいのだろうか?
前項で書いたようなレバナス博打から解放される方法がある。
それは、レバナスに資産の大部分を突っ込まないこと。そう、これだけなのだ。
というのもだ、そもそもレバナスはそれ自体が長期投資に適した投資商品ではなく、資産の一部を振り分けて金利の低下などによるナスダックの上昇に一部の資金を掛けるというような使い方をするような投資商品だ。
例えばFXでレバレッジを25倍に設定して、そのままホールドし続ける投資家はかなりの少数派だろう。
なぜかというと、自分がかけている方向と逆方向に株価が動くと凄まじいくらいの勢いで資産が減ってしまうからだ。
だから、ある程度自分が想定している利益ラインまで達した時点で利確をするのが通常だ。
レバナスの場合もこのような使い方をするのが恐らくは正解だろう。
しかし、株価がガンガン上昇している状況ではそれが出来ないレバナス投資家が大半を占めている。
これを回避して利確するためには、最初から「利確ラインを決めて投資をする」という風に決めて、さらには資金の一部だけを振り分ける、という方法が適切だろう。
こうしておけば冷静な判断を下すことができ、やみくもなタイミングでレバナスを売却して枕を濡らすこともなくなるだろう。
レバナスへの投資がレバナス博打になるのは、レバナス投資家が冷静さを欠いたときなのだ。
さて、ここで最後にレバナスは大暴落するのか?という話についてだが、恐らくするだろう、というのが個人的な見解だ。
その一方で、ナスダックが大暴落するのかといえば、最大でも今から20~30%下落するくらいだろう。また、下落したとしても今市場に溢れている資金量を考えるとすぐに株価は回復する可能性が高い。
その理由として今現在は米国がひたすら金利を上昇させる局面にきており、3月から金利にブーストが掛かっている状態になっているが、これはやがて落ち着く可能性が高い。
というよりも、物価上昇が落ち着けば自然と金利も下がると考えるのが合理的だ。
そして、今現在はロシアのウクライナ侵攻により中国企業への投資リスクなども意識され始めており、以前よりも投資に適した地域・企業が絞られてきている。
なので、世界最強の軍事国家であるアメリカの庇護の元でぬくぬくと利益を増殖させることが出来る米国企業はやはり強い。
なので、しばらく金利が上昇している間はBOX相場のような相場が続くと思うのだが、それが終われば再びナスダックも上昇する可能性が高いと考えている。
だったらレバナスに資産全部を突っ込んでおけばいいじゃない、というレバナス投資家も多いと思うのだが、それをやるとあなたのメンタルが持たないことはすでに歴史が証明している。
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