世界一の投資と呼ばれているバフェット氏が先日、航空会社の株式を売却して多くの投資家たちに衝撃を与えていたことは、下記の記事で書いた通りだ。
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そんなバフェット氏が保有株売却の衝撃が収まらぬ段階で、さらに衝撃的なニュースが飛び込んできた。
なんと、バフェット氏がリーマンショック時に投資をして大きな利益を出していた金融株であるゴールドマンサックスの株式の約８０％を売却したというニュースだ。
バフェット氏はウェルズファーゴなどの金融株に好んで投資をすることで知られていて、その理由は構造的に金融は成長を続ける米国経済の恩恵を受けるからだ。
そのため、バフェット氏は数々の金融株を保有してきていたし、ここ数年は銀行株の買い増しを行ってきた。
そんなバフェット氏が金融株を売却する理由とは何なのだろうか？
＜この記事のポイント＞
金融株が大暴落する局面と言えば、リーマンショックのような金融危機と呼ばれる局面で、ギリシャショックなどの際にも金融株は他の株式に先駆けて暴落をしていた。
そんな金融株をバフェット氏が売却すると言うのは、もしかしたらバフェット氏は金融危機が来ることを予測しているのかという考え方もあるだろう。
しかし、今現在は米国政府や日本政府がそうであるように、無限に金融緩和を行うことによって流動性を確保し、極力企業倒産が連鎖したりしないようにコントロールしている。
そのため、巨大企業などの倒産や金融市場の崩壊による金融危機がすぐ来ることは可能性としては低い。
３月に株式市場が暴落していたが、あの段階でも株価と実体経済の関係性を考えるとバリュエーションは割安とは言えない状態だったので、金融危機とは言い難い状況だった。
本当の金融危機とは、企業倒産の連鎖や金融市場の崩壊により金融市場がコントロール不可能になることで起こるものなので、今現在はそういった状況ではない。
ならばなぜ、バフェット氏は金融株を売却しているのだろうか？
最近、バフェット氏はＡｍａｚｏｎを買ったり、さらにはＡｐｐｌｅに集中投資をしたりと、以前までのハイテク嫌いはどこへやら、名だたるテック企業への投資を開始している。
その理由は、バフェット氏自身がこれまで生きてきた中で体感していた米国経済の状況と、これから先の米国経済の状況が変化していくことを肌を持って感じているからだろう。
そして、新型コロナウイルスが終息した後はさらに経済の形は変わっていく可能性が高い。
その世界をバフェット氏はもうすでに見ていて、だからこそ従来型の産業や経済に大きく依存している金融株を売却している可能性が高い。
事実、従来型のビジネスを展開する企業が新型コロナウイルスの感染拡大による影響で次々に倒産しており、あのＪＣペニーでさえ破産申請を実施しているような状況だ。
バフェット氏が経営するバークシャーハサウェイは、手元に今までにないほど巨額の資金を留保しているため、次の一手が何になるのはバフェットファンとしては注目したいところだ。
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