今朝株価を見たら、NYダウが大幅に上昇していて、なんと2000ドル近くも株価が爆上げしていた。そのため、先週死にかけていた高配当株たちが少し息を吹き返していた。
しかし、その一方ではエクソンモービルだけは何と、ここまでの株価上昇に一切乗ることが出来ずに若干株価が下落していた。
ほかのコカ・コーラなどの高配当株に関しては株価が少し回復していたというのに、エクソンモービルだけは別格の値動きを示し、なんと株価が36ドル台にまで下落してしまっていたのだ。
エクソンモービルは以前までは70~80ドル台の株価で推移していたのだが、ここにきてついに半分程度の価値まで下がってしまったのだ。
その結果、なんとエクソンモービルの配当利回りは10%近くにまで上昇し、過去に例を見ないくらいの超高配当株と化しているのだ。
ちなみに、米国株式市場において10%近くまで配当利回りが上昇して無事だった株は少なく、英国株であるボーダフォンやゲームストップといった株はその後壮絶な株価の暴落に見舞われている。
XOMは現時点ですでに株価がすさまじい暴落に見舞われているのだが、今後さらに株価が暴落する可能性はあるのだろうか。
個人的には、恐らくエクソンモービルの株価がさらに暴落する可能性はあると思っている。
というのも、エクソンモービルには「減配」という株価を壮絶に破壊するリスクがひたひたと足音を立てながら接近しているからだ。
さて、エクソンモービルが減配をする可能性があるのか、という点についてだが、エクソンモービルは現在すでに業績が悪化しており、直近でサウジアラビアが増産を発表したり、ロシアが協調減産を拒否したことにより、さらに業績に逆風が吹く可能性がある。
というのも、エクソンモービルの事業は原油価格に大きく左右されるのだが、現在は原油相場が低迷しており、すでに業績にかなりのマイナスとなっているからだ。
そこにきて巨大産油国が協調減産を拒否し、むしろ市場のシェアを確保するために増産に踏み切る動きを見せているので、これは非常にまずい事態だと言えるだろう。
もしも原油価格が反転するとしたら、産油国が増産しすぎてシェールオイルの採掘コストを下回るくらいまで原油価格の低迷が続き、その後に減産されるケースだろうが、すでに産油国も原油を増産することでしか利益を出しづらい環境になっており、そうなる可能性は低いように思う。
そして、原油価格が上がらなければむろんのことエクソンモービルの業績も悪化するに決まっているので、最終的には減配をせざるを得なくなる可能性が高い。
もしもそうなったならば、株価はほぼ確実に暴落することになるだろう。
昨日米国の株式市場が爆上げしたにも関わらず、石油株の株価が冴えなかったことからも分かる通り、今現在は石油企業にとって極めて不利な条件がそろっている状態だ。
というのも、世界景気は確実に減速に向かっているため、そうなると工場の稼働や人々の活動も停滞するので、結果として石油の消費量は減少することなる。
また、現在はESG投資が浸透してきており、クリーンエネルギーなど新たなエネルギー源が次第に実用化され始めていて、太陽光発電システムにおいては備蓄の問題さえ解決すれば、すでにメインエネルギーになる可能性まで指摘され始めている。
そのような環境下においては、当然のことながら原油の価値というのは上がるはずもなく、エクソンモービルなどの巨大石油企業が利益を確保していくための手段としては、リストラや事業の効率化などごく限られてしまうのだ。
そのため、今後もかなり石油企業にとっては厳しい環境が続くことになるだろう。
「減配」がきたら、さすがに手放すことも考えないといけないかな...エクソンモービルは。
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