現在、コロナショックの影響で株式市場が乱高下しまくっている影響で、毎日のように朝昼晩とチャートを見つめながら、冒頭の画像の人物のように興奮度がMAX状態になっている投資家も非常に多いだろう。
というのも、最近の株式市場は米国でサーキットブレーカーが発動されたり、日本ではバブル期以来の下げ幅を記録したりと、株式市場はまさに狂ったように変動しまくっており、毎日がギャンブル状態になっているからだ。
そんな中にあっては様々な株式が当然のことながら暴落しまくるのだが、中にはすでに暴落しすぎていて、暴落しても今更感のある企業も存在している。
そんな株の中の一つが、欧州の盟主であるドイツの銀行であるドイツ銀行だ。
ドイツ銀行はその名前からドイツの国営銀行のように勘違いされることが多いのだが、正真正銘の民間企業で、以前までは投資銀行として世界的にも大きな影響力を持った銀行だった。
しかし、直近10年ほどはこのドイツ銀行の業績が悪化し続けており、最近では投資部門を世界中で縮小したり、リストラをしたり、CEOを変えまくったりと非常に苦戦をしている。
さらには、ドイツ銀行は重い十字架を背負っている企業でもあり、それが元となってアメリカの裁判所から140億ドル(約1兆4000奥苑)の支払いを請求され、最終的には和解したものの、巨額の支払いをする羽目になったりしていた。
その重い十字架とは、サブプライムローン商品に関連する問題である。
サブプライムローンとは、今更ここで語るまでもなく、リーマンショックを引き起こす原因となった低所得者向けのローンのことで、これを証券化したものが金融市場でバラまかれたため、株式市場ではかつてないレベルのクラッシュが起こり、多くの企業が倒産し、大不況が訪れてしまったのだ。
サブプライムローン問題を簡単に説明すると、低所得者に返済不可能なくらいの金額を融資する代わりに高利息を取る、というが金融商品をパッケージ化したものが「リターンの大きな金融商品」として市場に大量にばらまかれた。
そして、当然のことながらそれらのサブプライムローンが焦げ付きはじめ、デフォルトが起き始めたのだが、その時になってみると、すでにサブプライムローンを証券化した商品を誰がどれだけ持っているか分からなくなり、市場が混乱状態に陥ってしまった。
最終的には、それが引き金となって市場が大混乱し、信じられないことに米国の超大手金融機関であったリーマンブラザーズ証券が破綻してしまったのだ。
この大惨事の一旦を担ったゆえに、ドイツ銀行には非常に厳しい制裁が科されていたのだが、最近ではそれとは関係なしに単純に業績も悪化していた。
特にトレード部門の収益が壊滅的で、多くのトレーダーを買い越し、「原点の融資に力を入れる」とまで言い始めていた。
そんなドイツ銀行が発行しているCOCO債という債券が、償還延期となったことで、市場が再び混乱しているのだ。
COCO債とは、一定の条件の元に発行体の株式に転換されたりする債券のことで、一般的な差遣よりもハイリスクとされている金融商品だ。
そのCOCO債の償還をドイツ銀行が延期したことで、もしやドイツ銀行は破綻するのではないのか?という噂が再び流れ始めているのだ。
ドイツ銀行がデフォルトするのではないのか、という話は以前から言われていた話で、結局今の時点までドイツ銀行は破綻していないので、恐らくはCOCO債が償還されないからといってドイツ銀行がデフォルトすることはないだろう。
しかし、仮にデフォルトしたならば、金融市場は大混乱するといわれており、一説にはリーマンショックを遥かに超える金融危機が起こるともいわれている。
というのも、ドイツ銀行は天文学的なデリバティブ商品を抱えているといわれており、その額は2016年時点でドイツのGDPの4倍にもなると言われていた。
そんな天文学的な額のデリバティブを抱えたドイツ銀行はが破綻した場合、もはやどれだけ金融市場に影響が出るのかわからないのだ。
まあ、恐らくは破綻はしないというか政府がさせないんだろうが、COCO債の償還を延期したという出来事は少し気になるね。
ドイツ銀行が破綻した場合は、コロナショックと違って純粋に金融システムに影響を与えるタイプのショックになるので、その影響がどれくらいのなるのかは、投資家としては非常に関心が高い事項なのは間違いがないだろう。
もう、やめてほしいのだが...。
■ドイツ銀行が抱えているCDSなどについては、下記の動画で解説しているので、興味がある方は見ていただけたらと思う。
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