家に帰ってきてポストを空けると、今月も公共料金の請求が来ていた。
水道、ガス、電気。この三つに加えて、インターネットの使用量の請求もある。全部で1万5千円くらいだろうか。
やれやれだ。どいつもこいつも、請求書ばっかり送ってきやがる。
ややヘビーな気持ちで玄関のドアを開け、真っ先に冷蔵庫を開けて缶ビールを取り出し、喉に流し込む。
家に帰ってきてからスーツのままビールで一息つくのが、夏の間のおいらの習慣だ。しばらくソファーで放心してから、PCのスイッチを入れてネットサーフィンをする。
そうだ、おいらの日本株たちはちゃんと息をしているのだろうか?
最近の相場環境はトランプ大統領のせいで極めて悪く、日経平均もNYダウも調整しまくっている。恐る恐る口座にログインしてみると、やはり大分下がっていたが、まだ含み益の状態なので少し安心する。
もうすぐしたら、含み損の世界へ突入し、帰ってきてからのビール1本が5本になってしまうだろう。
...?
口座の現金の額を見て、少し違和感を覚える。なんだか、増えている気がする。
入金明細を確認してみると、やはり配当金が入金されていた。その金額を数えてみると、今月の公共料金の金額を余裕で上回っている。さらに遡って確認してみると、毎月のように配当金が入金されている。
おいらは思った。
これ、普通にすごくないか??
株を始める前までは、毎月のようにおいらに届くのは公共料金の請求書やカード会社からの請求額のお知らせばっかりだった。
それが、株を始めてから徐々にではあるが、配当金が入金されたという通知や、優待品が届くようになった。
前者と後者には決定的な違いがある。前者はおいらから資産を奪うお知らせで、後者はおいらの資産が増えているというお知らせだ。
株式投資を始めたころ、バビロンの大富豪という本を読んだことがある。古代バビロニア帝国の大富豪である商人が、貧しかった主人公に富を築く方法を教えていくという物語なのだが、その中にこういう一文があったと記憶している。
自分の頭で理解でき、年間5%程度の利益が見込めるものに投資をしなさい。ただし、お金たちを一時も休ませてはいけない。
こんな感じのことが書かれていた。本棚にあるのでもう一度開いて確認することは出来るのだが、本日は非常に疲れているのでそれはしない。ご自身で本を読んでご確認願いたい。資産運用に関する原理が書かれた非常に面白い本なので、是非一読をお勧めする。
そのときは、「年間5%の利益じゃ金持ちにはなれねえでしょうに」と、あんまり胸に響いてはこなかった。
しかし、実際に株を触り始めて配当金や優待品を受け取ったり、ついにはドルで配当金を受け取るようになってから、少しづつ本に書かれていたことが真実であるような気がしてきた。
配当金というのは、キャピタルゲインに比べればごく小さなものなのだが、意外に侮れない力を持っている。
当たり前のことなのだが、貰った配当金を再投資すればさらにその配当金が配当金を生むという複利のマジックが効きはじめる。それを長期間続けていけば、いつの間にか大金持ちとなり、さらに配当金が配当金を生み出すという好循環が生まれていくのだ。
だから現在は暴落しそうな相場環境で、明らかに投資をしようという気分にはならないのだが、実はこういう時に高配当な株をちょこちょこ買っていくのが案外後で効いてくるのかもしれない。
結局、いつ投資するのかが問題なのではなく、総資産額の何割を投資に充てるのかということの方が最近重要なのではないかと考えている。
投資に関しては、まだまだ卵から生まれてばかりのヒヨっ子極まりないので、全く偉そうなことはいえない。
しかし、資産価格は上下したとしても、配当金を生み出す株式を自分の総資産の何割かとして組み込んでおく方が最終的には金持ちになれることが明らかだという確信が最近生まれつつある。
無配のグロース株は企業の中で配当金を再投資するので、配当はしないがさらに現金を生み出しているということはなんとなく分かるが、やはり株主に直接配当される配当金は魅力的だ。
配当金の額がコンスタントに月5万以上になれば、恐らく配当再投資の威力が徐々に加速していくのだろうと思う。そうすると、年間で60万円ほどの配当金が必要となる。
毎月コンスタントに入金される、というところも結構重要な気がするので、やはり配当金目的の投資であれば日本株よりも四半期で配当金を支払う米国株の方が有利なのかな、と最近は思っている。
なんにせよ、株を買わないと何も始まらないので、暴落しそうな相場ではあるが株をせっせと買おうと思っている次第である。
もしかしたら、反対に爆上げして日経平均が3万円突破!!NYダウさらに最高値更新!!という事態も十分ありえると思う。
おいら、これだけ金融緩和をやってるんだから、日経平均3万円は100%どこかの時点で超えると思っているのだが、どうなんだろうか...。NYダウも3万ドルは将来的に余裕で突破するんじゃないだろうか。
まあ、それは神のぞ汁...いや、神のみぞ知るところなんだろうが。
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