Tポイントといえば、現在保有者が最も多いポイントカードの一つとして君臨しているTカードの保有者が提携店やTSUTAYA等で消費をすると付与されるポイントで、日本で最も有名なポイントサービスだと言っていいだろう。
そんなTポイントだが、最近は苦戦を強いられており、Tポイント離れによる企業離脱が進んでいるという記事を以前書いた。
Tポイント離れが進んでいる背景には、ポイントサービスの広がりによって様々な企業が独自ポイントを採用しはじめたり、または楽天スーパーポイント等の別のポイントサービスを採用するようになったことがある。
企業側とすれば、独自ポイントを採用するのが最も効率的に自社事業を運営出来る選択肢だが、独自ポイントを発行する場合は、その企業自体にある程度のブランド力が求められる。
例えば、Tポイント離脱を発表しているドトールコーヒーの場合、ある程度の知名度と展開している店舗数の多さがあるため、Tポイントから離脱して自社のドトールカードによるポイント制1本に移行しようとしている。
ドトールコーヒーの顧客は、Tポイントを使用できなくても、毎日行くドトールコーヒーでコーヒーを飲む可能性が高いので、Tポイントではなく自社ポイント制にしても影響は少ないと判断したのだと思う。
Tポイントに加入しておくメリットは、約6000万人もTポイントを貯めている顧客を自社顧客として取り込むことが出来る点だが、すでに固定客が十分に付いていたり、顧客が自社製品に十分魅力を感じてくれている場合は、自社ポイントへ移行したとしても顧客が減るということは無いと思うからね。
次にTポイントの脅威となっているのが、dポイントや楽天スーパーポイントといったTポイントを追いかけているポイントサービスたちだ。
特に、楽天市場を運営する楽天が発行する楽天スーパーポイントは、利用者数が多い楽天市場や、日本で最も発行数が多いクレジットカードの一つの楽天カードと紐づいているため、相当な強敵だと言える。
自分が考えるに、ポイントサービスの魅力は下記の要素によって決定される場合が多い。
・ポイントを発行している企業のブランド力
・使える店舗の多さ
・使えるサービス範囲の広さ
・決済手段との強いつながり
楽天スーパーポイントは、これらの要素をほぼ完ぺきに満たしている。
まず、ブランド力については言わずと知れた楽天が発行しているので、知名度で言えば抜群だ。それに、「楽天」と企業名が入っているので、「楽天スーパーポイントと言えば楽天が発行しているポイントなので安心」という印象を顧客に与えやすい。
そして、使える店舗の多さについては、そもそも楽天市場と紐づいているため、それこそ無数に使用できる店舗がインターネット上に存在している。
また、実店舗でも最近は楽天スーパーポイントを使用出来る店舗が増えてきているので、この点についても楽天スーパーポイントは条件を満たしている。
そして、使えるサービスの範囲の広さについては、楽天スーパーポイントは投資信託も買うことができるし、クラフトビールを買うことも出来るし、レンタルWi-Fiを借りることも可能だ。
楽天スーパーポイントは楽天市場と紐づいているため、それこそ無限大に使い道があるので、この点についても条件をほぼ完璧に満たしていると言っていいだろう。
というか、「使用範囲」という点に限っていうと、他のポイントサービスの追随を許さない強さを持っていると言っていい。
最後に、「決済手段との強いつながり」という点については、楽天スーパーポイントは利用顧客が日本で最も多いクレジットカードの一つの楽天カードと紐づいているので無敵状態だと言ってもいい。
おいらも最近は楽天カードを日常的に使用しているが、そのたびに楽天スーパーポイントが貯まっていく。
楽天カードユーザーは、大体の場合楽天スーパーポイントを貯めているので、楽天スーパーポイントと提携すれば、莫大な数を誇る楽天カードのユーザーを自社の見込み顧客とすることが可能なのだ。
そのため、顧客数を増やすためにポイントサービスを企業が採用する場合、総ユーザー数の多い楽天スーパーポイントは当然選択肢の筆頭となってくる。
そう考えると、ロイヤリティ等の問題を別にすれば、楽天スーパーポイントと提携したいと考える企業はかなり多いのではないだろうか。
一方で、Tポイントはというと、これまではレンタルDVDのTSUTAYAという媒体を中心として顧客を獲得し続けていたが、TSUTAYA事業自体が顧客のレンタルDVD離れやペーパーベースの媒体離れにより、かなり縮小してしまっている。
昔はDVDが映像媒体の中心だったが、最近では通信規格の進化により、ネットストリーミングであっても相当高品質な動画を視聴できるようになっている。
そのため、顧客たちは定額制で動画を見放題のネットフリックスやアマゾンプライムのほうへと移行してしまい、今や週末のTSUTAYAは閑散としていることが多い。
また、スマホの普及等により、人々がペーパーの雑誌等を買わなくなってきているし、音楽CDについても最近はダウンロードが主流となっている。
なので、Tポイントを発行しているCCCの中心事業であるTSUTAYAは相当厳しい事業環境となっているのだ。
そのため、Tポイントのブランド力自体が以前と比べると弱まってきているように思う。
以前はTポイントと言えば、「TSUTAYAで使える安心のポイントサービス」というイメージが強かったが、最近ではそもそもTSUTAYAに行かない人が増えてしまっているからね。
また、「使える店舗の多さ」、「使えるサービス範囲の広さ」、「決済手段との強いつながり」についてもTポイントは楽天スーパーポイントに現状かなり差を開けられてしまっている。
そのため、今まではTSUTAYA絶頂期の遺産で何とか勝負が出来ていたが、今後は工夫をして勝負していかないと楽天スーパーポイントに相当押されてしまう可能性が高いと個人的には思っている。
ただ、ポイントサービスだけに限ったことではないが、ユーザー側の目線で見ると、複数の優良なサービスが存在して競争していた方が、顧客本位のサービスが維持される可能性が高いので、出来ればTポイントにも頑張ってもらい、ポイントサービス同士の競争環境が維持される状態が望ましい。
権力が一極集中してしまうと、やはりそこには独占的な力が働いてしまうので、ユーザー目線のサービス維持がされなくなってしまうケースも考えられる。
なので、dポイントや楽天スーパーポイント、それからTポイント等のサービスがお互いに競争する環境が継続してくれればいいのだが、恐らくそのうち楽天スーパーポイントが覇権を握ってしまうんだろうね。
Tポイントは「ネット上で使用する何か圧倒的なメリット」を頑張って構築しないと、今後の展開が手詰まりとなってしまうだろう。
自分は昔TSUTAYAでDVDを結構借りていたので、Tポイントが廃れてしまうのは寂しいが、ネット中心の世の中となると、実店舗だけに紐づけてTポイントを展開していくのでは限界があると思うからね。
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