深田恭子の写真集と田中みな実の写真集を比較してみる
深夜、仕事で疲れ切った私を癒してくれるのは、なんといっても深田恭子の写真集だ。
それは、もはや現代版聖書と言ってもよく、深田恭子の写真集に比べれば、投資の名著と呼ばれている「株式投資の未来」や「ピーターリンチの株で勝つ」、それから「バビロンの大富豪」なども、まるで幼児用の絵本にしか見えなくなってしまう。
というのも、深田恭子の写真集には、人が、いや、男が生きるために必要なすべての教えが詰まっていて、それさえあれば心安穏にして生きていくことが出来るからだ。
夜遅く家に返ってきて、ストロングの缶を開けて一気飲みをし、深田恭子の写真集を胸に抱いて寝る。
それだけが、その一瞬だけが、この息苦しい世の中を私が生きるための、たった一つの、たった一つの心安らげる方法なのだ。
そのため、私は深田恭子の写真集以上の書籍はこの世に存在しないと信じており、どのような書籍よりも眩いプリズムのごとき光を放つ深田恭子の写真集を実家の霊前にも飾っている。
「はやくどけなさい!!」
母親がそう怒っていたが、僕は決して深田恭子の写真集を霊前からどけなかった。
なぜなら、夢に出てきた祖先様たちが、「深田恭子の写真集を神に捧げなさい」、と言っていたのを聞いたからだ。
もはや、深田恭子の写真集の輝きはこの俗世を突き抜け、はるか天空の先に存在している神の世界にまで到達してしまったのだ。
そんな深田恭子の写真集に迫る勢いで、世の中のサラリーマンたちが買いまくっている写真集が存在していると聞いたのは、つい最近のことだ。
ー田中みな実ー
それが、その写真集の媒体となっている女優の名前だ。
譲れないもの
「僕、田中みな実さんの写真集買ったんですよ」
社内でも指折りの変態と噂されている後輩が、飲みの席でぼそっとそう言った。
「最高ですよ...」
恍惚とした表情で後輩がそういうので、僕が、「深田恭子の写真集の方が上だ」、と言ったところ、いつもは温厚な後輩が激昂して僕に殴りかかってきた。
「田中みな実の写真集のほうが上だ!!」
当然のことながら、僕も譲ることは出来ない。
僕たちは、己の譲れぬ信念のために、激しく殴り合った。
何度も何度も。
激しく激しく。
まさにそれは。
命をかけた闘いでした。
僕たちは、とても不器用で、純粋で、そして、透明でした。
そして...朝が来る頃...。
ー後輩の命が途絶えましたー
「おい、おい!!」
僕が何度呼びかけても、後輩はもう答えてはくれませんでした。
「おい、おい、目え開けろよおおおおお、目え開けてくれよおおおおおおお」
「め...ん...」
「なんだよ、なんだよおい!!」
最後に、後輩がこう言ったように聞こえました。
「ご...め...んね、み...な...み...ぶっか」
「ぶっか??おい、なんだよ、何て言おうとしたんだよ!!おいいいいいい!!」
それが、彼がこの世に残した最後の言葉でした。
僕たちは、とても不器用で、純粋で...。
そして、透明でした。
形見
「かぶまくらさん、これ、貰ってくれないかしら」
後輩の葬式に出て、ご焼香を終えて帰ろうとしたとき、突然後輩の母親がそう言って僕になにかを渡してきた。
「息子がね、夢の中で、これをかぶまくらさんに渡してくれって言ってきたんです。きっと、かぶまくらさんなら、これを大切に扱ってくれるからって」
そう言って渡されたのは、後輩が命よりも大切にしていた田中みな実の写真集だった。
ページをめくろうとすると、なぜか途中のページがいくつかひっついて開かなくなっているところが、彼の田中みな実への愛情を思い出させて、妙に泣けてきた。
「バカ野郎...好きな女で何てことを...」
僕はそうつぶやいてみたが、彼の気持ちが何となく分かるような気がした。
彼は、本当に優しくて、シャイで、そして愛情深い男だった。
きっと彼は僕と同じように、夜中遅くに仕事から帰ってきて、疲れた体にストロングを流し込んでから、田中みな実の写真集を抱くようにして眠りについていたに違いない。
そう、彼は僕が深田恭子を心の底から愛しているように、田中みな実のことを心の底から愛していたに違いない。
ー大切にするよ、これー
僕は、心の中で天国の彼にそう呼びかけていた。
聖書
家に帰ると、僕は後輩の形見である田中みな実の写真集を開いてみた。
途中の開かなくなっているページは、どれだけ開こうとしてもアロンアルファでも使ったかのように頑強に接着されており、開くことが出来ないのだが、逆にそれが彼の存在をより濃厚に思い出させてくれた。
よっちゃんイカのような香りが漂う写真集を開いて見てみると、確かに後輩が命を懸けて愛した女だけあって、それなりに美しいと思った。
しかし、そのあとで深田恭子の写真集を開いてみると、その輝きは一気に色あせてしまい、目の前にあるのは、圧倒的な輝きを放つ褐色の肌をした深田恭子の姿だった。
それは、全能の神に近い圧倒的な存在であり、一切のまやかしが通用しない、現世におけるたった一つの真実だった。
僕は深田恭子の写真集を見ていると、だんだんと恍惚とした気分となり、体が暖かくなってきた。
深田恭子の写真集がまばゆいばかりの光を発し、僕はだんだんとトロンとした気分になってきた。
このようにして僕は、毎日眠りの前に深田恭子の写真集を見ながら祈り、そして眠るのだ。
ー生まれ変わったら、お前も深田恭子の写真集を買えよー
眠りにつく直前、僕は天国の後輩に向かってそう呼びかけた。
すると...どこからか、後輩の声が聞こえてきた。
「ご...めん...ね..みな...み」
それは、命が途絶える寸前、最後に後輩が言おうとしていた言葉の続きだった。
ーどうしたんだよ、何を伝えたかったんだよ!!お前は!!俺に何を!?ー
必死で呼びかけるが、だんだんと意識が遠ざかっていく。
ーおい、なあ、答えてくれよー
必死で呼びかけるが、返答はない。
ーなあ、答えてくれよ!!ー
意識が途絶える寸前、後輩の声がかすかに耳の奥の鼓膜を揺らした気がした。
「ぶっかけて...ごめんね」
なるほど、やはりそれでページがひっついていたのか。
それを聞いて納得した僕は、深い眠りへと落ちていった。
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