「ちゃんと蛇口閉めないと、水が無くなっちゃうよ」
「大丈夫だよ、出しっぱなしにしといても」
まだ自分が小学生だった頃、近所の公園で水道の蛇口を出しっぱなにしにして、その下の脇にある、水を貯める部分が何日も水が貯まった状態になると、そこでカエルが泳いでいたり、田んぼから流れてきた水生昆虫なんかが泳いでいたりして、ちょっとしたビオトープのようになっていた。
そのため、僕はそういった生物たちが生活できるように、蛇口を開きっぱなしにしたまま遊んでいることがよくあったのだが、その公園の近くに住んでいる女の子に、よくそれを注意されていた。
彼女は非常にまじめな性格だったので、水道の蛇口を閉めると、いつもこう言った。
「お水がなくなったら、みんな水が飲めなくなって死んじゃうんだよ」
今思えば、彼女はグレダさんに遥か先行して地球環境問題にマクロ視点で取り組んでいたのだが、確かに真水がなくなると人間はのどが渇いて死んでしまうのは事実だ。
実際のところは水の循環については水道局が管理しているので、近所の公園という超マクロエリアにおいては問題がないのだが、世界というグローバル視点で考えると、最近水の問題は非常に深刻になってきている。
例えば、ロシアや南米のチリなどでは、一瞬にして巨大湖の水が消えてしまった、という事例も報告されており、人間が経済活動に「水」という極めて貴重な資源を使い続けたことの弊害が、恐ろしい形で具現化されていることは確かなことだ。
「水」がなくなると、体の70%以上が水で構成されている人間は死んでしまうのだが、同じくサラリーマンの生命の70%は会社から支給されるお給料によって保たれている。
コロナウイルスにより新型肺炎は、文字通り感染症なので、ワクチンが開発されていない今は、とにかく「人」と「人」が会わないようにして、感染の拡大を防ぐしかない。
今現在、アメリカのNYやイギリスのロンドン、それから我が国の首都である東京では非常事態宣言下のもと、人々に外出の制限を課し、強制的に「人」と「人」が会わない状況を作りだしている。
感染症の対策としては、確かにこれしかなくて、今現在各国がとっている対応は正しいと言えるだろう。
ただ、「人」と「人」が会わない社会というのは、それつまり「人」と「人」の間で流通する「お金」が巡回しない社会であり、その結果経済が崩壊してしまう可能性が高い。
現実として、すでにここ日本ではコロナ倒産という言葉が聞こえだし、観光業や旅館業なんかでも廃業する企業が出てきている。
これは対岸の火事ではなく、すでに我々サラリーマンたちは生活を支える安定収入である「給与」が倒産やリストラによって断たれる危機にさらされているのだ。
これは恐らく、どのような業種においても共通していて、今回のコロナショックによって多くの業界は大打撃を受けることになる。
そうなると、「お給料」で生活をしている我々サラリーマンは危機的状況に追い込まれてしまう。
冒頭で書いた、水道の近くのプチビオトープで暮らしていたカエルや水生昆虫たちは、そこに水が無くなっても近くを流れる溝の水流に乗って田んぼに避難すれば生活していくことは可能だが、サラリーマンの場合はそう簡単にはいかない。
多分、リストラされたり倒産したら途方に暮れてしまう人がほとんどなのではないだろうか。
ところで、我々が暮らすここ日本では、「働かざるもの食うべからず」という言葉からも分かる通り、「仕事」は社会的地位を確保するために必須事項で、「無職」に対しては非常に風当りが強い。
そのため、リストラや倒産が原因で自殺してしまう人も多く、今回のコロナウイルスによる経済停滞によって多くの自殺者が出るのではないかと危惧されている。
ただ、今回のコロナウイルスの蔓延による経済停滞では、かなりの業種で大ダメージを負い、さらにはリモートワークや人々の巣ごもり状態の長期化により、経済構造自体が変わってしまうのではないかと考えている。
これまでは必要とされていた仕事が消滅したり、一般的だった習慣が一般的ではなくなったりなどの現象が今現在、激増しているからね。
例えば、以前までであればサラリーマンは「飲み会」に参加しましょう、といった感じだったのが、今では「飲み会は開かないでください」となってしまっている。
こういった変化が蓄積、そして長期間していくことで、人々の消費行動は変わっていく可能性が高い。
旅行はVRで行う、みたいな感じで、そもそも観光業やホテル業が必要なくなる可能性すらあるだろう。
そうなってしまうと、必要な「仕事」自体が激減して、ベーシックインカム的なもので多くの人が生活をする、という状態がもしかしたら現実化するかもしれない。
なので、サラリーマンたちが大量にリストラされ、これまでの「仕事が全て」という価値観が破壊されてしまう可能性がある。
リアルにAIが農業や漁業を完全コントロールして管理し、人間は趣味を楽しむだけ、みたいな人類総家畜化未来がやってくるかもしれない。
ただ、それまでは生活をする必要もあるし、生きていく必要があるので、サラリーマンの一人としては、明日会社が倒産したりリストラされたりしたら、何をして生活をするのかは考えておかないといけないんだろう。
それと同時に、「仕事」という概念が変化したときに、自分が何を軸にして生きていくかも考えておく必要があるんだおうね。
なので、サラリーマンである自分自身に、今こう問いたいと思う。
ー明日会社が倒産したら、あなたは何をしますか?-
株で夢をかなえよう
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