家に帰ってきてノートPCを開き、ネットサーフィンをしていたときだった。
一瞬、目を疑うようなものがPCのディスプレイに映し出されていた。
口にビールを含んだままその物体を見つめた後、体温でぬるくなったビールをごくりと飲み込んだ。炭酸はすでに消えていて、嫌な苦味だけが喉を強く刺激した。
「これはアカンやろ...」
もう一度食い入るようにディスプレイを見つめてから、そうつぶやいてしまった。
最近、AIによって無くなる職業というものが、よく雑誌やニュース等で取りざたされるようになった。
2年ほど前に、健康診断を受けた病院で読んだ雑誌にも、「AIによって奪われる仕事ランキング」なるものが掲載されていて、その中に自分の職種に近い職業も入っていた。
「仕事なくなるかもな」
「はは、AIに奪われて、ですか」
先輩社員と笑いながらそう話した記憶がある。
それから少ししか時が経っていないが、今ではリアルな問題として本当にAIが人間の職業を奪い始めている。
ブルームバーグのニュースで、スイスのノルディア銀行が業務をロボットに任せて自動化する取り組みを進めており、10年後には銀行業界では人間の従業員が現在の約半数まで減ってしまうという。
そんなニュースは海外だけでなく、日本でも結構色々なところで取りざたされていて、実際人間の行っていた業務をAI、つまりロボットが代わりに行うという変化が起こっている。
例えば、日本のとある生命保険会社では、保険金の査定業務や支払業務をAI化した結果、大幅な人員削減に成功している。
また、長崎のシンボル的テーマパークであるハウステンボスでは、変なホテルというロボットが接客を行うホテルまで登場している。
さらにもっと身近なところでは、皆さんがお持ちのアイフォンに搭載されているSiriが好きな時に会話の相手になってくれる。
また、たとえ知らない土地で道に迷っても、グーグルマップが音声付きできちんと案内してくれるから安心だ。
このように、我々の生活の中にはすでに結構AIが入り込んできていて、それで便利な面もあるが、事実AIが人間の職を奪うというひと昔前では考えられないことが実際に起こっている。
しかし、これくらいであればまだいい。
日本はこれから少子高齢化のせいで人口がどんどん減っていくので、様々なイノベーションによってこれまで人間が果たしていた役割をロボットに担ってもらうという選択肢を選ぶしかなくなってくるだろう。
労働人口がこれからどんどん減っていく日本にとっては、産業やサービスのAI化はポジティブな変化となりうるかもしれない。
特に、介護分野でAIの利用が広がれば、その技術をこれから高齢化社会を迎える他の先進国や、過去の日本である新興国に売り込めるチャンスだってあるはずだ。
しかし、だ。
いくら便利だからといって、何でもかんでもAIを搭載してロボット化していいわけではない。
人間がやっていいことと、悪いことがあるはずだ。
AIを搭載してロボット化していいものとは、あくまで人間の明るい未来を切り開くためのものであって、戦争に使う兵器に搭載してしまえば、それはハリウッド映画の主人公であるターミネーターのごとく、人類を滅ぼすリスクにもなり得る。
この点はAIの最先端技術に関わっている学者や、有識者の間でも認識されていて、AIは使い方を誤れば人類自体を滅ぼすリスクがあると指摘されている。
ロボットが人間を襲うなんて、以前はSF映画の世界でしか考えられなかったことだが、ドローンの進化なんかを見ていると、案外マジで起こりうるリスクがあるなと思ってしまう。
しかし、AIを搭載して危険なのは、何も軍事兵器だけというわけではない。
本日おいらが食い入るように見つめていたPCのディスプレイの向こうに映っていたもの。
それは...。
AI搭載のSEXドール
つまり、AIを搭載したダッチワイフだ。
最近では、ラブドールという呼び方が一般的らしいが、もともとは軍隊等で兵士が厳しい任務に就く際等に、その性欲を発散させるために使われていた女性を疑似化した大人のおもちゃだ。
昔、アメリカの映画なんかで見たものは、ビニールを膨らませてつくったえげつない代物だったが、最近のものはシリコンで出来ていて、そのあたりに落ちていたら人間の死体と間違ってしまうくらいリアルなものもある。
ちなみにおいらはまだ未経験だ。その点は断固主張しておく。
そんなリアルなSEXドールに、米国や中国の企業が最先端のテクノロジーを詰め込み、何とAIを搭載したモデルを発売してしまったのだ。
特に、RealBotix社というアメリカの会社が作っているモデルはエグすぎる...。
ユーチューブの動画を見ると、普通に言葉をしゃべってるからね。
しかも、顔の表情筋が動いている様子まで再現していて、暗闇で見れば人間と判別してしまうだろう。
おいら思うのだが、これは絶対いつか社会的な問題に発展するぞ。
恐らくこれから技術が発展すれば、今以上にリアルで、そして本当の人間と見まがうようなSEXドールを作り出すことも可能になるだろう。
そうなれば、そのSEXドールとSEXライフを満喫し、やがて人間以上にそのSEXドールを本当に愛する人も現れるだろう。
だけどそれは、クローン人間を作り出すのと同じくらい、人間がやってはいけないことだと思う。
一番の問題は、それらのSEXドールに搭載されるAIが一定のレベルを超えてしまう可能性があるということだ。
いや、もっと正確に言えば確実に超えるだろう。
ようするに、人間と同じかそれ以上の学習能力を持ち、人間の気持ちを理解出来るレベルにまで進化してしまうことが確実だということだ。
それは、10年以上前のドコモのガラケーと最新のアイフォンを比べてみれば分かるだろう。
テクノロジーの進歩というのは、我々が気づいていないだけで、驚くほどの速さで進んでおり、そして驚くほど広く生活に浸透していくものなのだ。
SEXドールをAI化することの是非については、別の機会に別の形で論じさせていただこうと思うが、皆さんも一度このことについて10分ほどでもいいから考えて欲しい。
一点だけ言うのであれば、人間は神を超えてはいけないという絶対的原則がある。
それは様々な宗教の本にも書かれていたり、伝説として残っており、それらの話に共通しているのは、人間が神に近づきすぎた瞬間にその怒りを食らい、滅亡の危機にさらされるということだ。
科学技術による様々な検証が可能となった現代では、こういった昔の逸話や伝記、そして神話などはひどく軽んじられる傾向にあるが、世界中で同じような話が形を変えて残っているということは、その中には何らかの真実が含まれているからだと思う。
特に、地球温暖化によって頻発している自然災害は非常に気になるね。旧約聖書のノアの箱舟もそうだが、人類が大規模な洪水によって滅びかけたという話は、結構世界中で形を変えて残っているからね。
確か、スクエアエ二クスの有名なロールプレイングゲームである、ファイナルファンタジーの初期の人気キャラクター・ギルガメシュの伝説もそんなお話じゃなかったかな?
ちなみに、ギルガメシュは投資指南書の古典である「バビロンの大富豪」の舞台である古代バビロニアの王だ。
同じような伝説や寓話が、時代も場所も違う地域で残っているということは、人類の記憶の奥底に何かそれに付随した記憶を埋め込むほどの何かが、古代のどこかで起こっていたのかもしれない。
まあ、それはそれとして、人間が「人間に近いか、それと同じようなもの」を創り出そうとしていることは、通勤中の電車でスマホをいじるのをやめて目を閉じ、一度深く考える価値はあるテーマだと思う。
これは別にオカルト的な意味ではなく、本当に差し迫った未来に起こりうる変化について考えるという、極めて現実的な行為で、誰もが一度は考えてみるべき思考テーマだと思うからだ。
この問題に対するおいらの回答は、そのうちこのブログで書こうと思う。
それにしても、今日は短いブログにしようと思ったが、少し熱が入ってしまった。
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