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ひふみ投信の基準価格が回復してレオスがフルボッコ状態から解放へ

「ああ...、やっとこの地獄から解放されるんだね」

もしもおいらが当事者だったら、この写真の猫のように空を見上げながらそう呟いたかもしれない。

昨年の相場調整による株式市場の下落によって、購入者やそうでない人間たちからもネット上でフルボッコ状態にされていたレオス・キャピタルワークスが運用するひふみ投信が、ようやく息を吹き返しつつある。

この記事を書いた頃のレオスのツイートを見ても分かる通り、昨年は同ファンドにとって厄年といっても過言ではないほど苦難の1年だった。

・株式市場が下げる→投資家たちが激オコ

・株式市場が上げる→TOPIXに負けて投資家たちが激オコ

・株式市場が暴落→投資家たちがさらに激オコ

こんな感じでもう何やってもダメという状況で、ツイッター等のネット上で同社はもはやフルボッコ状態と言ってもいいほどボコボコに批評されまくっていたのだ。

しかし、最近の株価のリバウンドによってようやくひふみ投信の基準価格が上昇し始めており、それに伴って同社が昨年から続いていたフルボッコ状態から解放されつつある。

それにしても、金というものは人間の感情を最も刺激する危険な劇薬だということを、ひふみ投信のフルボッコ劇場を目の当たりにして改めて再認識をした。

「お前ら、それでもプロか!!」

「株価下がっているから、土日休まず働け!!」

「こんな成績で恥ずかしくないのか!!」

と、基準価格が下げまくっているとき、ネット上では凄まじいほどの勢いで怒号が飛び交っていた。

しかし、少し株価が回復してくると...。

「レオスさん、信じていますよ」

「明日も応援していますからね!!」

こんな感じの心温まる応援メッセージまで見受けられるようになってくる。

ひふみ投信は、2017年2月にカンブリア宮殿というテレビ番組にレオス・キャピタルワークス代表の藤野氏が出演した結果、一気に知名度が上昇した。

その結果、それまでは投資をしたことがなかった層が続々とひふみ投信を購入し、運用総資産額は順調に増えていった。

テレビ番組が放送されて以降も、2017年の株式相場上昇の勢いに乗り、ひふみ投信の基準価格は順調に上昇していった。

だが、2018年に突入すると一気に風向きが変わってしまった。

上げ一本調子だった相場が、米国市場も含めて調整相場入りしてしまったのだ。

そもそも、2017年の株式市場は歴史上滅多にないほどの上げ一本調子の相場で、普通に株式投資をしていれば損をする方が難しい相場だったのだ。その恩恵を受けて、ひふみ投信も順調に基準価格を上げることが出来たのだ。

そのため、2017年にひふみ投信で投資デビューした投資家たちは、相場が調整するという事態への耐性が全く無かったのだ。

なので、相場と連動して基準価格が下落していくという現象に耐えられず、少しでも基準価格が下がるとパニック状態となってしまい、その結果ネット上でレオスがフルボッコ状態となってしまったのではないだろうか。

たぶん、おいらが2017年にカンブリア宮殿を見て、「よっしゃ、これからは投資の時代や」、という感じでひふみ投信へ投資していたとしたら、ネット上で怒っている人たちと同じように激オコ状態となってしまっていただろう。

「おらああああああ、藤野おおおおおおおお!!」

そんな感じで、叫んでいたかもしれない。

もちろん、代表の名前を絶叫しても基準価格は一切上昇しないのだが...。

最近、「銀行の窓口で販売される投資信託を買うと相当な確率で損をする」ということが話題になっていたが、こういった投資商品を巡る問題は常日頃から散見される。

するが銀行の不正融資にからむ投資用不動産の問題や、毎月分配型投資信託、謎の投資案件に絡む詐欺事件と、ここ最近だけでも投資に絡む相当な数の問題が勃発している。

もうね、毎年こういった問題が起こっているわけだ。

その根本にあるのは、「人間は金に弱い生き物だという事実」と、「金融リテラシーの欠如」だ。

人間はね、金が絡むと極度に判断力が弱ってしまう生き物なんだよ...。

おいらだって、FXで大失敗ぶっこいたことがあるので人のことは言えない。

全財産吹っ飛ばすという事態を招かない程度の判断力はあったが、もしも中途半端に資産がでかくなり調子に乗って本気の大勝負をぶっこいていたら(実際、少しやってしまったのだが)、今頃はリアルに公園で焚き木をしてカップラーメンを食っていた可能性だってある。

ただ、大金は吹っ飛ばしたが、FXをやってよかったと思う点もある。

それは、「きちんとした金融リテラシーを身に付けようと思ったこと」と、「投資に関しては甘い話は疑ってかかるべき」と認識したことだ。

そして、自分自身が思っている以上に、自分は金が絡むと判断力が鈍ってしまう弱い生き物だということを知った。

そういった前提があるので、多分、おいらがこれから例えばひふみ投信を買ったとして、その後に基準価格が激下げしたとしても、レオスに激オコ状態となったりすることはまずないだろう。

なぜなら、基準価格が下がった場合原因は大体わかると思うので、その原因について分析してからホールドするのか解約するのかを判断すればいいだけだからだ。

つまり、基準価格が下がっている理由がわかるので冷静でいられると思うのだ。

また、自分は大金を賭けている投資対象の価格が大きく上下すると判断力が鈍るということを理解しているので、ひふみ投信がどれだけ優良な投資信託であっても、資産の大部分を預けたりすることはないだろう。

偉そうに一丁前のことを書いてみたが、だからと言っておいらの金融リテラシーが特別高いというわけではない。

おそらく、株式投資をやっている人間が最低限知っておくべきレベルの金融リテラシーを身につけている程度だ。

ただ、投資をする際にマジで全く勉強をせずにやり始める人や、「儲かりそうだから」とういうフワフワした感覚でやり始める人もいるのも事実だ。

「株式投資を始めるときは、まずは何も考えずに買ってみなさい」

そういう意見も結構あるが、その場合でも最低限、「全額をかけてはダメ」、「分散投資した方が安全」、という知識はあったほうがいいに決まっている。

なので個人的には、投資をする際には例えその投資の対象が投資信託ではあっても、必ず関連する書籍を数冊読むなどしてある程度の知識を身に着けてからにした方がいいと思っている。

それが出来ないのであれば、投資信託であれば「買ったあとは完全お任せ」を貫き、基準価格を見るのは1年に1度といった感じにする必要があるだろう。

だけど、その場合であっても、「買って放置するのならインデックスファンドが最適」、というくらいの知識は必要だ。なぜなら、放置しておくと本気の爆損を食らってしまうような投資信託も中にはあるからね。

そう考えると、やはりおいらは投資をする前にはある程度の事前知識は身に着けておいた方がいいと思うね。

さて、最後にひふみ投信の基準価格がどうなっていくかなんだが、恐らくは相場が上昇すれば価格が上昇し、下がれば下がるという普通の値動きをするんじゃないだろうか。

たぶん、以前までのように市場平均を大きくアウトパフォームしたりということは期待出来ないように思う。

なぜかというと、組み込まれている銘柄がどんどん小型株から中~大型株寄りにシフトしており、おまけにそこに米国株式市場に上場しているような超大型株のマイクロソフトのような銘柄も組み込まれているからだ。

保有してみると分かると思うが、指数に採用されている大型株の株価というのは、市場平均に連動して上げ下げする場合が多い。

そのため、そういった銘柄が多く組み込まれていると、必然的に値動きが市場平均と連動し始めてしまう。

なので、以前のように小型株が多く含まれていて、それらの株価が爆発的に値上がりをして基準価格を押し上げるという効果が徐々に期待しにくくなっているのだ。

ただ、そうは言ってもプロ中のプロが選んだ中型株も多く混じっているので、相場の調子が良ければ市場平均を多少アウトパフォーム出来る可能性はあるのではないだろうか。

一般的に時価総額が小さければ小さいほど、好材料があったときの上昇幅は大きいので、大型株ばかりの指数と比べると、時価総額の小さな中型株が多く含まれているひふみ投信の方が高い上昇率を記録する場面はあると思うからね。

ひふみ投信は長期での資産運用を前提とする投資信託なので、毎日基準価格を見たりせず、数か月に一回チェックするくらいが本来の金の預け方だ。

なので、もしも保有しているのであれば、基準価格のチェックはほどほどにしておいた方がいいと思う。

毎日価格をチェックしてドキドキしたいのであれば、おいらのように個別株を買った方が面白いと思うので、そういったスリルを求めたいのであればそっちをやってみるほうがいいかもしれない。

ただし、銘柄をミスって爆損した場合のエグさは、ひふみ投信の比ではないということだけは付け加えておく...。

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