Categories: 投資哲学

爆損を防げ!!資金管理の重要性

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「おはようございまーす!」

元気よく挨拶して出社したおいらを、オフィスにいた誰もが異様なものを見るような目で見た。

「お、おい、かぶまくら、なんかあったのか?」

上司が目を見開き、顔を引きつらせながら聞いてきた。

「いえ、何も」

「じゃ、じゃあ何なんだその顔は?」

「ああ、これですか。ちょっと気分転換に顔にボディーペインティングしてみたんですよ」

「な、なにを言っているんだお前は?」

おやおや、何をそんなに騒ぎ立てているのか。今日の朝ちょっと気分を変えようと思って顔にカラフルなボディーペインティングをしてきたのがそんなに珍しいのか。

「スペインにいそうな感じでしょ。結構気にいってるんですよ、これ」

「どうしたんだ、いったいどうしたっていうんだ君は!?」

そんなに騒ぐんじゃない。真面目一辺倒のおいらだってたまにはふざけたくなることくらいはある。たいしたことじゃあない。たいしたことでは。

おいらの資産が昨日だけで50%も溶けてしまったことに比べればな!!!!

次の日から、おいらはめでたく出社停止となった。

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全資産の何割であれば無くなってもよいか

投資は楽しい。

非常に楽しいしエキサイティングだ。おいらが思うに、金銭欲というのは人間の三大欲求である食欲・性欲・睡眠欲を凌駕する可能性のある唯一の欲求だと思う。

なぜなら資本主義社会ではお金がないと何も出来ない。お金がなければ吉野家で牛丼を食べることも出来ないし、家賃を払うことも出来ない。なので、飢えてしまうし、住むところだって失ってしまう可能性がある。つまるところ、お金がなければ死んでしまう可能性があるのだ。※ごく一部の本当の自給自足が出来る人は除く。

「命より大事なお金」という言葉があるが、お金がないと生命を維持出来ないのである意味真実を現している言葉とも言える。

そんなお金を増やすことが資産運用の目的だ。自分の資産=お金がどんどん増えていくのを見るのは当然楽しい。また、お金が増えているときに投資を語ると最高に陶酔感にひたれる。

ただし、これが減るとなると逆だ。

おいらはFXでそれを体験したのだが、自分の資産がどんどん減っていく状況というのは本当に神経をすり減らす。その時の体験はこの記事に書いてあるが、それはそれは壮絶なものだった。

投資をやっていると体験されている方もいるかもしれないが、やはり自分の資産が50%を超えて溶けてくると日常生活にも影響をきたしてくる。

もう今為替がどうなっているか、株価がどうなっているのかが気になって気になって仕方なくなってくる。

そして70%を超えると精神がメルトダウンしてしまう。おいらの場合はその時点からウイスキーのロックが止まらなくなった。

例えばみなさんが500万円を運用していたとしよう。すると、損失額は10~90%で下記の通りとなる。

■-10%

500万×0.1=50万円

■ー20%

500万×0.2=100万円

■ー30%

500万×0.3=150万円

■ー40%

500万×0.4=200万円

■ー50%

500万×0.5=250万円

■ー60%

500万×0.6=300万円

■ー70%

500万×0.7=350万円

■ー80%

500万×0.8=400万円

■ー90%

500万×0.9=450万円

いかがだろうか。一度ご自身が運用している金額を当てはめて計算して欲しい。具体的に損失が出た場合をシュミレーションして計算してみると、意外と自分の損失に対する許容範囲が狭いことに気づくだろう。

かくいうおいらがそうだった。計算してみて20%くらいなら無くなってもいいかな、と思うのであればそれがあなたの損失許容範囲だ。これは必ず具体的な数字を入れてシュミレーションを行うことをおすすめする。

米国株は基本的にバイ&ホールド、つまり株を買ったら持ちっぱなしという戦略が一般的だが、自分の精神がメルトダウンしてしまえば自分の判断に疑心暗鬼になり必ず投げ売りを行ってしまうだろう。

よほどの信念か確信がなければ資産の50%以上損失が出ている状態で、平常心でバイ&ホールドすることは難しいと思う。

いくら配当金を支払ってくれるとはいえ、ポートフォリオ全体で50%損が出ていたら配当利回りが全体で5%だったとしても、その穴を埋めるのに10年かかる。そんなくだらない考えも思い浮かんでくるだろう。

そして最後には投げ売りを行ってしまう。その投げ売りを待っているのが真の優れたバリュー投資家(割安な資産を選好して買う投資家)であると、おいらが敬愛するハワードマークス先生はそう言っている。

つまり、投げ売りをしてしまうと優れた投資家のいいカモになってしまうのだ。だからこそ自分が許容できる損失の範囲を把握しておいて行動することが重要なのだ。

資産の何割を投資するか

さて、自分が許容できる損失の範囲が把握出来たら、次はどのようにして資金管理を行っていくかを考えないといけない。

株式運用のポートフォリオマネジャーや資産運用の指南書、有名な投資家の方のブログを見ていると大体100~70%くらいの割合で資金を資産運用に振り分けるべきであると書いてある場合が多い。

資産運用の世界では基本的に現金=キャッシュを持つのは愚かなことで、出来る限りの資金を株や債券に振り分けてリターンを追及するべきだとある。

これは本質的には正しいことだと思う。ただしそれには前提があって、本気で現金よりも株や債券等の資産のほうが本質的に価値があるものと信じている必要があると思うのだ。

もしも「現金=資産よりも価値が劣るもの」と本気で信じることが出来れば、どれだけ額面上の価値が下がろうが本質的には価値があるものと思っているので精神を害したりパニックになったりはしないだろう。

ただし、大多数の一般の人々は中々同じように「現金=資産よりも価値が劣るもの」と自分に信じ込ませることは大変難しい。なぜなら日常生活の中で株や債券よりも現金に触れる時間のほうが長いからだ。

日常生活の中では現金を使ってみんな生活している。マクドナルドに行ってハンバーガーを買うのにも、電車に乗るのにも、公共料金を支払うのにも全て必ず現金が必要だ。だから必然的に「現金=重要」という認識を持つことになる。

しかし、ポートフォリオマネジャーや有名な個人投資家の場合、現金よりも株や債券に触れている時間の方が長いのだ。マクドナルドでハンバーガーを食べるときも、電車に乗るときも四六時中株や債券のことを考えている。だから完全に「現金=資産よりも価値が劣るもの」と信じることが出来るのだ。

おそらく一般の普通の人が四六時中株や債券のことを考えるのは不可能なので、であればなくしてもいいだけの金額を資産運用に振り分けるというのが現実な選択になるだろう。

例えば全資産500万円×30%=150万円までが無くなっても精神的にこたえない金額だとすれば、300万円で運用しておけば50%損失を出したとしても150万円なので、300万円の範囲で運用するようにそればいい。これは最悪を50%と仮定した場合だが。

そして徐々に「現金=資産よりも重要」から「現金=資産より劣るもの」へと認識を変えて自分が許容できる損失の範囲を広げていき、それにともなって資産運用に振り分ける金額を増やしていくとした方が精神的に負担は少ないだろう。

許容できる損失範囲を広げる方法

どうすれば「現金=資産より劣るもの」と自分に信じ込ませることができるのだろうか。

実際問題として、資産運用は分母を増やしていかないと劇的に資産が増加することは期待できない。大きな金額を資産運用に振り分ければ振り分けるほどリターンも巨大になっていく。

それに本質的に「現金=資産より劣るもの」という定義は間違っていないのも事実だ。それは過去を振り返れば明らかなことだ。インフレーション(物価が上がること)によってお金の価値はどんどん下がっている。

例えば、自販機のジュースは昔は100円で買えていたのだが、今では130円出さないと買えなくなっている。つまり30%値上がりしているわけだ。ということは、お金の価値が30%下がっているということになる。

日本はバブル期を頂点に株価が下がり続けたという背景があるから例外だが、世界の株式市場というのは基本的には右肩上がりだ。何故かというと物価の上昇に応じて当然商品を販売したりサービスを提供する企業の利益も増加していくので、それに応じて企業価値が上昇し株価が上がるという仕組みだ。

日本だって今緩やかにインフレーションが起こり、その結果として調整を挟みながらも徐々に株価も上がってきている。

そう考えると「現金=資産より劣るもの」と考える方が自然だ。

しかし、なかなかそういう事実を確認しても「現金=重要」という認識を消すことができない。生まれたときからすり込まれ続けた認識なので、そうそう簡単に消えるわけがない。

ではどうすればいいのか?

おいらの答えは「資産から実利を得る」だ。今のところ自分自身への回答としてはこれにつきる。自分が保有する資産から何らかの実利を得てその価値を自分自身に認識させるのだ。おいらが実践している方法は下記の通りだ。

1.キャピタルゲインを得る

自分が買った価格よりも株価が上昇したら売却して上昇分の差益を得る。50万円投資して20%値上がりすれば税引き前で10万円の利益だ。そうすると勝手に資産が働いて10万円を得たということになるので、自分の中で株の価値が上昇する。

2.配当金や利子を受け取る

自分が保有している株や債券から配当金や利子を受け取る。これはまさに不労所得の代表と言えるだろう。100万円株を保有していて配当利回り5%であれば、何もしていないのに5万円が手に入ることになる。しかも資産は無くならず、その次の年も配当金がもらえる。

3.株主優待を受け取る

これは日本株限定だが、株主優待を設置している銘柄を持っていれば何らかのサービスや商品を受け取ることができる。おいらはあまり価値を感じないが、中には優待が目的で株を買う人もいる。確かに自分が株主優待を設置していると知らずに保有していた銘柄からクオカードが届いたときは少し嬉しかった。

やはり、人間というのは何らかの実利を得ないとその物に対して価値を感じるということは難しいと思う。

例えばスマホは他人と会話したり、ネットにつながるという実利を通じて初めて価値あるものとなる。イスだってそこに座れるという実利があることで初めて価値があるものとなる。コカ・コーラだって飲んでみて喉をうるおすという実利を通じて初めて価値あるものとなる。

誰もネットと接続できないスマホに価値は感じないだろうし、座れないイスにも価値を感じないだろう。飲むことの出来ないコカ・コカーラに価値を感じる人もいないだろう。価値を感じなければそれはゴミでしかない。

資産だって同じで、そこから何らかの実利を得ないと価値を感じるのは難しいのではないだろうか。

その方法は色々あるとは思うが、含み益では不十分だと思う。含み益というのはまだ現実化していない利益なので、それだけで価値を感じるのは難しいだろう。

本当は含み益こそ税金がかからない政府からの素晴らしい贈り物だと世界NO1の投資家であるウォーレンバフェットは言っているが、普通の人がその認識を持つのは難しいだろう。

おいらとしては、②の配当金を受け取るのが1番重要で、①のキャピタルゲインが2番、③の株主優待を受け取るが大分下がって3番という感じだ。

①のキャピタルゲインについては当たれば大きいが、毎回期待できるものではなくかなり運の要素が大きいと思う。でなければ、プロが運用するアクティブファンドは全て大きく勝っているはずだ。だけど実際はそうではない。それは運の要素が大きく作用するからだと思う。

②の配当金を受け取る、については安定している。配当金は実際に自分が受け取るお金として実際に確認することができるし受け取ると思ったよりも嬉しいものだ。それに配当金はハンバーガーを食べるのに使おうが再投資に使おうが自由だ。当たり前なのだが、これは嬉しい事実だ。

③の株主優待を受け取る、についてはおいらはそこまで価値を感じない。1000円のクオカードや10kg(3,000円くらい)のお米をもらうために投資をしているわけではないからだ。しかし、たまたま自分が保有している銘柄から食事券やクオカードが届くと嬉しい気分にはなる。

他にも、その企業が作っている製品を使ってみる、アニュアルレポートを読んで企業価値を確認してみるなど「現金=資産より劣るもの」と認識させるための方法は色々あると思う。

しかし、人間は現金な生き物なので実利を感じるというのが最良の方法ではないかとおいらは思っている。

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かぶまくら

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