「おう、こらあああああああ!!審判、お前も読売に金もらっとるんかあああ」
関西を拠点とする人気球団である半身的虎球団のホームスタジアム、甲死炎球場の外野席では、毎日のようにランニングシャツ姿の男たちがワンカップ片手に大声でヤジを飛ばしている。
甲死炎球場の外野席は恐ろしく治安が悪く、半身的虎球団の選手が三振に倒れたりすると、怒った男たちが防御ネットにかじりつきながら絶叫する。
「こらあああああ、苦慈いいいいい(打率1割)、打てえええええええええ!!」
そんな甲死炎球場の外野席に、突然ダークスーツに上等なシャツ、そしてシルクで作られたエルメスのネクタイに、手首にはロレックスを付けた紳士が現れた。
「おう、ここはなあ、お前みたいな上品なもんが来るとこちゃ...」
男たちの中の一人が、紳士に向かってそう叫ぼうとした時だった。
「か、かぶちゃん?」
「ああ」
なんと、その紳士はつい1週間前までここ甲死炎球場の外野席でランニングシャツにブリーフ姿でワンカップ片手に絶叫していた、あのかぶまくらではないか。
男たちの中で最も下品で、最も気が荒く、そして最も貧乏だった男だ。
「ど、どうしたんだよ、かぶちゃん、そんな恰好して」
「ふふ、どうもこうもない。まあ、お前ら、これでも食べてくれ」
そういうと、かぶまくらは持っていた紙袋から何かを取り出した。
「つまらないものだが...」
「メロンというフルーツだ」
「メ、メロン??なんでえこりゃあ、瓜かい??」
「ふふ、とっても甘いフルーツだよ、1個100万円するがな」
そういうと、かぶまくらは後ろに連れていたシェフにメロンを切るように命じた。
「こ、こんな料理人どこから連れてきたんだい!?」
「イタリアからだ。日給100万円でメロンを切らせてるんだ」
「か、かぶちゃん、甘え、甘えよ、これ!!」
「ふふ、いくらでも食べてくれ」
そう言うと、かぶまくらは、外野席に設置されたVIP専用の個室応援席へと歩いていく。
「か、かぶちゃん、そこは入っちゃだめだよ、そこに入るには特別なチケットが必要なんだ」
「大丈夫だ、俺はそのチケットを持っている」
そう言って、かぶまくらは黒光りするVIP専用の個室へと入っていった。
個室応援席には、すでに到着していたイヴァンカ・都乱夫が赤いドレスを着てソファに座っていた。
「Oh、マッテタデス」
「待たせてゴメン」
イヴァンカを抱き寄せると、かぶまくらはシャンパンみたいなメルシャンのスパークリングワインの栓を開けてがぶ飲みし、ガラスの向こうで本日6度目の三振をする半身的虎球団の苦慈選手を見つめてこう言った。
「やはり、世の中金だ」
はっと目を覚ますと、そこは薄汚い木造アパートの一室で、スマホの画面にはイヴァンカ・トランプの画像が映し出されていた。
そうか...昨日は2日連続でユニゾHDがストップ高だったお祝いでワンカップ酒を飲んで、少し酔っぱらったらしい。
そのせいで、自分が驚くほどのお金持ちになり、地元へ凱旋する夢を見ていたようだ。
...段々飽きてきたので、普通にいこう。
保有するユニゾHDが昨日に続いて2日連続のストップ高で、株価は一気に2890円まで上昇した。
今これを書いている時点でPTSで3000円まで上昇しているので、恐らくHISが提示しているTOB価格の3100円までは到達するんだろうが、問題はその先だ。
ユニゾHDがHISに対抗して何らかの行動に出れば、株価はさらに上昇する可能性がある。
おそらく、ユニゾ側も経営陣の出身企業のことを考えると、何らかの手は打ってくるのではないだろうか。
もしもそうなったら...株主側としたらラッキーなことになるだろう。
自分はこういうTOBされる銘柄を保有するのは初めてなので、どう行動すれば一番利益が膨らむのかはわからないが、すぐには売らずにもう少し放置しておこうと思う。
株で夢をかなえよう
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