「なんでじゃあ...、なんでじゃあ!!」
最近、毎晩株価をチェックしてはそう叫んでしまう。
どうしようもない怒り、大衆に逆らうことの愚かさ、取り残されたらどうしようという恐ろしさ。それら全てに身を包まれ、おいらはガタガタと震えている。
「ハイテク...、ハイテクじゃあ、ハイテクノロジーじゃあ!!」
そう、おいらは来る日も来る日も元気に値を上げまくるハイテク銘柄群を見つめながら呆然としていたのだ。2月にアメリカの証券市場が久々の値崩れを起こしたあと、最も早く回復してきたのがハイテク株たちだ。
アマゾン、グーグル、エヌビディア、マイクロソフト、アップル。
これらの銘柄はそれはもう毎日のように値上がりしまくっている。対照的にエクソンモービルやペプシコなんかの高配当株は暴落後からほとんど回復していない。
なんでじゃ...。
特にPMなんかのタバコ銘柄は悲惨すぎる。少し前まではシーゲル銘柄としてみなさんに愛されていたのに、最近ではボロカスのクソミソで売られまくっている。つい数か月前までは電子タバコのおかげで成長株のような扱いを受けていたPMも、今では売られまくって配当利回りは5%台まで上昇している。
いや、配当利回り5%ってすごいでしょ。ゼネラルミルズも4.5%あるし、IBMも4%以上の配当利回りだ。IBMって一応IT企業だと思うのだが、なんであんなに期待値が低いのだろう...。
そもそも、暴落している高配当株は全体的に非常にいい企業ばかりだと思うのだが。
一方で、無配のアマゾンやグーグル、雀の涙ほどの配当利回りのエヌビディアなどのハイテク銘柄たちは凄まじい値上がりを見せている。
毎日毎日上昇していく株価を見ていると非常にソワソワしてくる。何で米国株デビューをエクソンモービルでしてしまったんだろう。せめてマイクロソフトにしておけばよかったんじゃないのか。...。しかも何で買い増してんの...。
自分自身の判断に疑心暗鬼になり、すぐにでも株を売り飛ばしたい衝動に駆られる。
ここでハイテク銘柄中心の投資に切り替えられる人が相場の波に乗れる、いわゆる勝ち組に入ることの出来る人間なんだろう。
いいなあ、おいらも買ってみようかな。だけどそんなことをしたらエクソンモービルを裏切ることになる。どうしようか...。
色々考えてみた。
...。
ビールでも飲もうか。
いや、だめだ、妙案を考えるんだ!!確実に儲けることが出来そうな妙案を考えるんだ!!
考えた結果、色々混ぜてみようという結論に達した。要するに米国株でのポートフォリオを完成させる必要がある。うん、ごく普通の結論しか思い浮かばなかった。
ハイテク、しけもく銘柄、エクソンモービル...。とりあえず米国株初心者なので自分が好きな株を集めてまずはポートフォリオを完成させようと思う。そうしないとお話にもならない。
日本株を売って作った金とボーナスを種銭にして、まずはささやかなMYポートフォリオを作ってみよう。
しかし、ハイテク株の買われ方は尋常じゃない。PER100倍の株なんて、まともな株の本には大体買っちゃダメって書いてあるのに全然話が違うじゃないか!!
それだけ、投資家たちの期待値が高いという証拠なんだろう。アマゾンに投資する際はPERなんかの尺度は当てにならないらしい。
ハワードマークス大先生の著書には、「従来では聞いたことのないような投資理論が出てきたら相場が加熱している」的な警告めいたことが書かれていた。また、投資のコツは「みんなが買いたがっているとき買うのではなく、売り手が殺到しているときに買う」とも書かれていた。
非常にシンプルで説得力のある理論だが、それも値上がりしまくっているハイテク銘柄の前ではくすんで見えてしまう。
我ながら己の浅はかさに感心してしまう。さすがは素人だ、すぐに金に目がくらんでしまう。だけど、逆らうことは出来ないんだ。なぜならそこまでの理性はおいらの脳には搭載されていないからだ。
「OK、大丈夫!!BUYでいこう!!」
おいらがそう言って高値掴みをした瞬間に、ハワードマークス大先生の鉄槌が下されるのだろうか。
...十分あり得る。
そのときは、居酒屋で安酒(鬼ころし)を浴びるように飲んで全て忘れよう。寝て起きたら株価は必ず回復しているはずだ。
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