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配当金で暮らすという異常な考え方と偏ったバイアスについてのお話

「さあ、今から道徳の時間だ。まずは、みんなの夢を先生に教えてくれないか」

おいらが小学生だった頃、スプリンクラーのように唾を飛ばしまくりながら喋る担任の先生がいて、その先生は、道徳の時間に雑談と称して自分の武勇伝を熱く語ったあと、よく生徒たちにそんな質問をしていた。

ちなみに、先生が語る武勇伝は、「俺は昔ケンカが強かった」、という低知能丸出しで道徳とはかけ離れた話がほとんどだった。

バカで暑苦しくて、そして信じられないくらいヤニ臭くて、しかも生徒をどつきまくる...。おいらは、本当にその先生が生理的に無理だった。

「かぶまくら、お前の夢は?」

「はい、株式を保有することによって得られる配当金で生活をすることです」

もしもそんな回答をしたら、間違いなく先生は教壇から飛び降りてきて、おいらの頭が瘤まみれになるまで殴り続けただろう。

一度、「お前の夢は?」と聞かれて、「はい、トラックを寝床にして放浪生活をすることです」、と答えた友達が、本当に頭に瘤が出来るまでボコボコにされていた。

「バカ野郎!!人間ていうのはな、大人になったら社会のために一所懸命汗を流してこそ一人前なんだよ!!」

そう叫びながら、拳を振るう先生を見て、生徒たち全員が戦慄していたのを今でもはっきりと覚えている。

おそらく、あの先生にとっては、「配当金で生活する」ということは、社会人としてあるまじき選択で、もはやそれはおぞましい考えだったに違いない。

なぜなら、先生には「社会人は労働者として働くもの」という思考のバイアスがかかっていたからだ。

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配当金生活...。

それは、おいらにとってはとても甘い響きのする言葉だ。

しかし、もしも自分の子供がそれを夢として語ったなら、あんまりいい顔をする親はいないだろう。

「ママ~、将来は株の配当金でぬくぬくと楽して生活したいんだ」

「何バカなこと言ってんのあんたは!!今日は飯抜きにするわよ!!」

そんな感じで怒られてしまうだろう。なぜなら、大抵の日本人にとって株とはギャンブルに近い性質をもったもので、そこから得られる配当金で生活するなど普通では考えられないことだからだ。

そもそも、配当金って何?というレベルのママの方が多いのではなだろうか。

だから、「配当金で生活する」、ということがどういうことを指すの分からず、様々なバイアス、つまりその人個人の思考による偏り作用してしまうのだ。

そのため、自分がパートに行って利益貢献している企業や、旦那が働いている企業の利益から配当金が支払われるという構造が理解できない。

自分の子供が言っている、「配当金で生活がしたい」、という夢は、実は労働者である自分たちの上に立ちたいと言っているも同然だということが理解出来ないのだ。

バイアス、つまり思考の偏りというのは非常に恐ろしい。

しかし、株をやっている人間であれば、「おお、配当金生活か!!いいな!!がんばれよ」、と逆に応援してしまうだろう。

なぜなら、配当金がどのような仕組みで支払われるのか知っているからだ。

つまり、「株式投資はギャンブルで配当金など意味がわからない」、というバイアスがかかっていない状態だから、子供が言っている夢がどんなものか正確に脳の中で処理することが出来るのだ。

だから、株式投資をやっている親の子供の方が、株に興味を持った場合に良い方向にバイアスのかかった考え方を親から叩き込まれる可能性が高いだろう。

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ところで、株式投資の世界では、およそ9割の個人投資家が負け、勝つのはたった1割の投資家だと言われている。

昔から言われている数字のようなので、ある程度の信ぴょう性があると思うのだが、もしも実際にそうだとすると、一体なぜそんなことが起こるのだろうか。

おそらくその原因は、およそ9割にも達する個人投資家には、株式投資に対するなんらかの間違った思考バイアスがかかっているからだと思う。

そこで、自分自身にかかっているバイアスとはどのようなものか、過去に自分が思い込んでいたことと、経験して実際に違っていたことを少し羅列してみようと思う。

自分が思い込んでいたことと、現実に起きることや発生確率が高い事象には、かなり差があることが多い。それを羅列することで、自分自身、何か投資の参考になるかと思って少しそれを書きだしてみる。

何の参考にもならないと思うが、少しそれを見ていただこうか。

思いこんでいたこと 現実
貯金は安全 貯金はインフレを考慮すると安全ではない
高配当株は安全 減配リスクがあるので安全ではない
グロース株は危険 勢いがあるときは安全
ETFは儲からない ETFの方が安全に儲かる
米国株は難しい 米国株は日本株よりわかりやすい
女は浮気をしない 女の方が浮気をしやすい
アップルは高すぎる 配当割引モデルを使えば高くない
ドイツ銀行がすぐに破たんする ドイツ銀行は破たんしていない
KDDIは買値から暴落する KDDIの株価は上昇している
エクソンモービルは90ドルになる エクソンモービルは77ドルになっている→36ドルに

...。

バイアスかかりすぎやがな笑。

過去に自分が考えていたことと、現実の結果を見比べてみると、結構自分自身にも様々な思考のバイアスがかかっていることがよくわかる。

ほかにも、最近では「損切りはしない方がいい」とういうバイアスが自分自身にかかっていることに気が付いた。むろん、損切りは迅速に行った方がいいに決まっている。

しかし、最近の株取引での失敗から、損切りに関する考え方のバイアスが修正されたわけだ。

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ところで、配当金生活に必須の株といえば、もちろん高配当株に間違いはないというのが一般的な考え方だと思うのだが、最近、もしかしたら、それは間違っているのではないかと思うようになってきた。

どういうことかというと、大体の人が今すぐに配当金生活を始めるのではなく、将来的に配当金生活をするために高配当株を保有している場合がほとんだと思うのだが、将来を見据えた場合は、配当性向が低くて、なおかつ1%程度の配当を出していて、さらには業績が将来的に上昇していくと予測される株の方が、実は向いているのではないかと思うのだ。

その理由は、高配当株は大体の場合、配当性向が60~100%ほどの銘柄が多く、その利益のほとんどを配当として投資家に払い出すため、利益成長はあまり望めない場合が多いと思うからだ。

配当の原資は利益、つまりEPSなので、EPSが伸び続けていて配当性向が低い株であれば、配当金も徐々に増配され、なおかつ利益を設備投資などに回すことにより、さらなる利益成長が期待できる。

そのため、増配余地がどんどん上昇していき、最終的に成長が止まった段階になると、買値で計算すると物凄い配当利回りになる可能性があるからだ。

有名なところでいえば、バフェットが買いだしたときのコカ・コーラは非常に低い配当利回りだったが、今現在の配当利回りで計算すると約45%程度と凄まじい利回りとなっている。

だから、今すぐに配当生活を始めるのでなければ、マイクロソフトやアップルなどの成長+増配を見込める銘柄を買うのが、将来的には実は最も正しい選択なのではないかと思っている。

まあ、間違っている可能性もあるが、目の前の配当利回りで判断するよりも、将来的な利回りを考えて投資することが実は大事なのではないかと個人的にはそう思っているのだ。

なぜそう思うかというと、最近、高配当株が減配をして株価が暴落するというパターンを目の当たりにして、高配当株に対する考え方のバイアスが修正されたからだ。

このあたりは個人によって見解が分かれると思うので、一概に何が正しいとは言えないと思うが、自分自身としてはそんな感じで最近は考えている。

まあ、BTIは超高配当株化してるので興味があるが笑。

★まだ世間が平和だった頃のリバイバル記事でした、絵だけ...。

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