日本郵政と言えば、小泉首相が主導して民営化し、さらにはアベノミクスで株式市場に超巨大IPOとして上場した、ある意味日本の株式市場を象徴するような存在なのだが、日本郵政は高配当株としても人気の銘柄だった。
日本郵政、そしてゆうちょ銀行、それからかんぽ生命の三社は別に上場をしているが、そのどれもが日本国民にとって非常になじみ深い企業であり、そういった企業群なので当初株式市場に上場した時には多くの人々がこの三社の株を買ったものだ。
日本郵政は元々配当利回りが3パーセント程度の高配当株だったため、中には将来の生活資金を生み出してくれるインカム資産として同社の株を買った人もいる。
しかし、その後この三社はいまだに完全な民間企業にはなりきれてはおらず、かんぽ生命の不正販売問題などの問題や、日本郵政にしても海外の企業買収での大失敗などで、その状況は悲惨なものだった。
そのような状態なので、多くの投資家たちが日本郵政の未来に見切りをつけて株を売りまくり、さらには最近のコロナショックですさまじいまでに株価が下落してしまった。
そのおかげで、日本郵政の配当利回りはなんと6%近くまで上昇してしまい、まさに超高配当株と呼ぶにふさわしい状態にまでなってしまっているのだ。
配当利回り6%と言えば、100万円を投資しているだけで年間6万円もの配当金を受取れる計算になるため、きわめて高配当だとしか言いようがない状態なのだが、今の日本郵政への投資には、それだけリスクがあると判断されているのだろう。
本日、3月31日のIRにおいて、日本郵政は子会社であるかんぽ生命の契約についての調査状況の進捗を発表していたが、かんぽ生命の不正販売問題は、郵政グループの信頼を根幹から揺るがしてしまっている。
というのも、基本的には金融商品というのは信頼関係があって初めて顧客がお金を出す商品なのだが、高齢者へのあり得ない販売などを通じて、かんぽ生命の信頼はもはや地に落ちてしまっている。
その原因となっていたのが、郵便局員に対するあまりにも過酷なノルマで、今現在進行形で問題が解決されていない、かんぽ生命の不正販売問題は公的機関が民間企業に移行する難しさをモロに露呈している。
その結果、郵政グループ自体の信頼はガタ落ちで、ゆうちょ銀行、かんぽ生命という日本郵政の収入源となっている2つの企業は大ダメージを受けてしまっている。
そして、もちろんのことながら、その影響はモロに日本郵政にもくるような構造になっているため、日本郵政の株価は暴落を続けているのだ。
今後、ゆうちょ銀行やかんぽ生命の株価や業績がさらに下がりだすと、もちろん日本郵政の株価も下がっていくだろう。
その場合、配当利回りは上昇するのだが、果たして配当金を維持できるのかは微妙なところだと言っていいだろう。
日本株の株価がコロナショックにより、経済状態が悪化している中でも大きく下がらないのは、日本銀行がETF買いをしまくって株価を下支えしているからで、一説には日銀のETF買いがなければ日経平均は15000円程度だと言われている。
個人的には、ETF買いがなければ投資家の心理面も考慮して13000円程度くらいまで下がっていたのではないかと思う。
日銀のETF買いには賛否両論あるのだが、日本企業の株価が大暴落してしまうと、実体経済の方にも影響が出てしまうし、株価が下支えされていると海外勢からのTOBなども起きにくいので、悪いことばかりではない。
しかし、このいびつな状態がいつまでも続くはずはなく、続ければ続けるほど日銀のバランスシートは悪化してしまう。
現在は、年12兆円をETF買いにぶっこむという異次元の政策をとっているが、恐らくはどこかでストップせざるを得ない場面もあるだろう。
ただ、先日1日で2000億円ものETF買いが行われたことからも分かる通り、日銀もフルパワー状態でやっているので、しばらくは大きく株価は下がらないのかもしれないね。
これで12000円くらいまで株価が下がったら、それは産油国が破綻したとか相当ヤバい状態になった時なんだろうね。
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