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【高配当株】配当利回り6%超の日産自動車は配当金を維持出来るのか

日産自動車といえば、日本の高配当株としてはかなり高い配当利回りを誇っていて、昨年に勃発したカルロス・ゴーン元会長に絡む問題の影響で株価が低迷した結果、現在の配当利回りは6%を超えている。

JTの記事でも述べたが、6%を超える配当利回りというのは、日本株の中では相当に高配当な部類の銘柄にカテゴライズされる。

一般的に高配当株と呼ばれる株の配当利回りは3%~5%程度が適正値だと思うので、6%を超える配当利回りの場合、やはりそこにはそれなりのリスクが存在する。

日産自動車の場合は、典型的なグローバル企業なので、為替の影響や世界経済の影響をモロに受けてしまう。

また、昨年から長引いているゴーン問題の影響で、日産の経営にも影響が出るのではないかと懸念されている。

そんな日産自動車だが、高配当株投資家には人気の株で、アベノミクス真っ只中の頃は株価も順調に伸び続けていた。

しかし、2015年のチャイナショック以降は株価は落ち込んでしまっている。

日産自動車は、実はリーマンショック後の2009年に無配に転落している。

ただ、リーマンショック後のそのころは自動車産業事態がマジでヤバくなっていて、アメリカでは自動車産業が盛んなデトロイトの治安がメチャクチャ悪くなっている、というニュースがテレビで流れていたのを目にした記憶がある。

実際、リーマンショック後にアメリカ最大の自動車メーカーであるゼネラル・モーターズは破綻してしまった。

それと比べると、日産自動車は2010年には早くも復配し、その後から現在に至るまで毎年配当金を増配している、いわゆる連続増配株だ。

日産の配当金の推移は下記の通りだ。

年度 1株当たり配当金
2009 0
2010 10円
2011 20円
2012 25円
2013 30円
2014 33円
2015 42円
2016 48円
2017 53円
2018 57円

こんな感じで日産自動車は配当金を増やし続けてきたのだが、その理由はルノーが日産の株式を大量保有しているからだとも言われている。

そして、そのルノーの株式を大量に保有している大株主がフランス政府なので、日産の儲けがフランスに上納金として流れている、という見方をされるケースもある。

まあ、その辺は実際のところ政治的な問題まで絡んでくるため、おいらが推察できる範囲を超えているのだが、株主構成が配当政策に大きな影響を及ぼすことは他の企業でも多々ある。

なので、日産の経営の独立性が強まった場合、もしかしたら配当政策に影響を及ぼすかもしれないな、とは思う。

ところで、業績面から考えると、日産自動車は今後今まで通りの高い配当利回りを維持していくことが出来るのだろうか?

日産自動車の利益は、直近ではかなり苦戦しており、2月に発表した決算では前年同期比で45%もの減益となることを発表しているが、これは米国税制改革の影響が多分に影響している。

実際のところは、昨年度同期比で25%減程度の減益となっている。

そんな日産自動車だが、配当金を維持出来るのかどうかの鍵となってくるのは、やはりアメリカと中国の景気だ。

日産自動車の販売台数の最も多くを占めるのがアメリカで、その次が中国なのだが、この2つの国の景気が悪化すると、必然的に日産の業績も悪化することになる。

そして、この2つの国の景気の悪化は、イコールで世界景気の悪化を意味するので、やはり日産自動車は世界景気の影響を大きく受ける企業だと言っていい。

また、現在欧州を中心に進んでいる電気自動車の普及が、日産自動車の経営にどのような影響をもたらすのかも注目すべきファクターの一つだと思う。

現在、トヨタ自動車がマツダ等と提携して、電気自動車の技術開発をする企業を立ち上げているが、その分野では日産自動車や三菱自動車の方に一日の長がある。

日産の電気自動車であるリーフの新型なんかは、電気自動車とは思えないほど走行性もいいらしいからね。

ただ、海外の自動車メーカーもしのぎを削って技術開発をしている分野なので、グローバルという視点で考えるとかなり苦戦する可能性もある。

そして、ガソリン車が減って電気自動車が普及していくタイミングで、その分野での売上を伸ばすことが出来なければ、当然業績にも影響し、その結果配当金が減配されてしまう可能性ももちろんある。

株式は貯金とは全く別の金融商品なので、例え高配当株ではあっても、業績が悪くなれば配当金は減らされてしまう可能性があるからね。

そんな日産自動車の配当性向だが、現状の予測EPSで計算すると約54%程度となるが、これは他の自動車メーカーと比べてもかなり高い数値だ。

また、為替の影響等で最終的にさらに業績が下振れする可能性もあると思うので、その場合は利益のうちの多くを配当金として支払うことになるだろう。

さらに、上記で記載した通り、日産自動車はリーマンショック後から増配を続けていたが、今後も今の事業環境やゴーン会長が欠けてしまった経営環境で、今まで通りの配当政策を維持出来るのかは不安が残るところだ。

日産自動車の現状はそんな感じなので、自分的には表面的な利回りは高いが、今後ににはやや不安がある高配当株であるという位置づけだ。

日産自動車自体は日本が世界に誇るグローバル企業で、非常に素晴らしい製品を作る会社だとは思うのだが、単純に配当性向等の数字だけを見ていると、今後に不安が残るといった感じだ。

本日、ルノーが日産に経営統合を提案したというニュースを見たが、多分、日産側は拒否するんだろうね...。

ゴーン問題が勃発してから、日産自動車の周りは非常に騒がしいが、日産自動車がダメになった場合、日本国内の雇用や景気等にも少なからず影響があるので、早くこういったゴタゴタは終わって欲しいところだ。

ルノーの株式持ち分と、日産の株式持ち分は、かなり歪な形になっているので、今後またひと悶着ありそうだけどね。

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