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【高配当株】配当利回り3%超のセブン銀行はキャッシュレス化の波に対処出来るのか

配当利回り3%超のセブン銀行はキャッシュレス化の波に対処出来るのか

配当利回りが高い株というのは、それだけで十分魅力的な投資対象となるのだが、配当金の源泉が企業が創出する利益であることを考えると、単に配当利回りが高いだけで投資対象とするのは疑問が残るところだ。

というのも、いくら配当利回りが高くても、将来の業績に不安がある株には投資したくないのが投資家の心理だからだ。

セブン銀行は配当利回りも高く、セブンイレブンの子会社であることから知名度も高いため、投資家たちの間でもよくしられた企業だ。

しかし、セブン銀行の主要事業であるATM事業については、将来性に不安を持っている投資家がいるのも事実だ。

というのも、セブン銀行は自社ATMを他の金融機関と提携して使用可能にすることで手数料を得るというビジネスを展開しているのだが、ATMは現金を顧客が引き出す際や振り込みの際に使用されるが、現在はキャッシュレス化が進んでいる社会情勢だ。

そのため、ATMを使用したビジネスには限界があるのではないか、と考える投資家もいるため、セブン銀行の株価に以前の勢いはない。

セブン銀行の配当利回りは定期預金の約300倍

セブン銀行の配当利回りは、一般的な定期預金の利率の約300倍もあるのだが、やはり株式の配当金というのは現状日本で買うことが出来るペーパーアセットの利回りの中では群を抜いて高い。

先日、ソフトバンクが社債を発行していたが、その際の利率は1%台だったし、他の円建て債券も高くて大体それくらいだからだ。

そんな高利回りな株式の配当金なのだが、そこには前項でお話した通り、利益が減少した場合に想定していた配当金が支払われないというリスクが存在している。

そのため、セブン銀行に投資をする場合には、現状の利益推移を確認し、将来的な業績を自分できちんと予測したうえで投資をする必要がある。

将来的な業績を予測するには、やはり決算短信や企業が提供してくれている月次のデータなどを確認し、自分なりの予測を立てるのが正解だろう。

セブン銀行は、きちんと月次のATMデータなども開示してくれているので、そういった意味では投資家目線でデータ開示を行っている企業だと言える。

キャッシュレス化でどの程度現金の流通が減少するのかという問題

日本はお隣の中国などと比べて非常にキャッシュレス化が遅れており、現金の流通量が極めて多いことで有名だが、いよいよ消費税増税でキャッシュレス決済の優遇がスタートしたことによって、これまでは現金派だった人々がキャッシュレス決済を使用しはじめる可能性もある。

キャッシュレス決済が広まったからといって、セブン銀行との提携をやめてしまう金融機関はないだろうが、ATMの利用者数は減る可能性があるため、やはりキャッシュレス化の進行は少なからずセブン銀行の業績に影響を与えるだろう。

実際、これから東京五輪などでさらにキャッシュレス化が促進されていくのは確実なわけだが、実際のところどれくらい現金決済が減ってしまうのかは不明だ。

セブン銀行は現在米国事業や、撤退を検討していたインドネシア事業も再拡大し、さらにはフィリピンでも展開を予定しているようで、あくまでもATMビジネスで攻めていくようだ。

セブン銀行のようなATMビジネスを中心に展開している企業というのは、上場企業では他にちょっと見当たらないので、キャッシュレス化が進んだら逆に金融機関の自前のATMが激減して、利用者が増える可能性もなくはない。

なんにせよ、セブン銀行への投資を検討する際には、キャッシュレスというキーワードについてはきちんと考えた方がいいんだろうね。

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