気になる...どうしても気になるんだ。
ケチャップは好きじゃないはずなのに、オムライスにはいい思い出はないはずなのに、なぜかあの高配当株のことが気になるんだ。
どうしてなんだろう?
オムライスなんか、大嫌いなはずなのに。
...。
ー今から15年以上前、おいらがまだ20歳くらいだった頃ー
「ねえ、全部ちゃんと食べてね」
「あ、ああ...」
スクランブルエッグを乗せた、真っ赤なその物体をスプーンで一口すくって口に運んだ瞬間、思わず吐き出しそうになってしまった。
彼女が炊飯器を開けた瞬間から、嫌な予感はしていた。なぜなら、ご飯の炊き具合がまるでおかゆのようになってしまっていたからだ。
そのおかゆのようなご飯が、フライパンの上にぶちまけられ、そこにケチャップが鬼のように注がれていく。
さらには、おいらの嫌いなピーマンもたっぷりと。
その様子を見ながら、おいらは非常に迷っていた。
「実は僕、ピーマンが大嫌いなんだ」
そうカミングアウトしようか...でも、そんなことして彼女の機嫌が悪くなったらどうしよう...。
彼女の家に行ったのは、それが初めてだった。
「ご飯つくってあげるから、おいで」
そんな、甘い誘いだった。
「うん、ありがとう」
断るわけがなかった。そのころのおいらは、今の数十倍は欲望に満ち溢れ、本当にヤることしか考えてなかったからだ。
そのころの自分の持ち物を思い出してみる。
・お母さんからもらった1000円
・お父さんから拝借したタバコ
・ゴム
フランス人は3着しか服を持たないというが、おいらは本当にこの3つしか持っていなかった。
まさにシンプルイズベスト!!
常に総資産1000円の状態で生きていたのだ。
そんなハングリー極まりないおいらの目の前に、彼女が作った特性オムライスのような物体が置かれた。
腹が減っているのに食うのを躊躇したのは、友達のおばちゃんが汗をかきながらおにぎりを作ってくれたときと、そのオムライスを目の前にしたときだけだった。
異常に濃いトマトケチャップとピーマンが入り混じった匂いに、おいらはすでに吐き気をもよおしていた。
やっぱりさすがにこれは無理だ...、断ろう。
そう決心したときだった。
「ねえ、食べないの?」
「いただきます」
ー結局、胸の圧力に負けて全部食べたー
🍅 🍅 🍅
さて、そんな思い出の激マズ・オムライスに注がれまくっていたケチャップだが、最近スーパーに行くと様々な種類のものが置いてある。
その中に、米国の巨大食品メーカーのクラフトハインツのものも置かれていることがある。
おいらは、あまりケチャップは好きではないのだが、トマトの栄養素であるリコピンを濃縮した種類のもや、有機トマトを使ったものなど、様々な種類の商品がある。
海外では、トマトと玉ねぎは、日本でいうところの昆布や鰹節といったダシに近い感覚で使われていて、この二つがあれば結構なレパートリーの料理を作ることが出来る。
和食でトマトというと、あまり馴染みがないが、イタリアンなどはトマトが味のベースになっている場合がかなり多い。他にもスペイン料理や、アメリカの郷土料理などにもトマト味をベースにしたものが結構ある。
クラフト・ハインツは、そんなトマト料理のベースになるトマトを原材料としたケチャップを筆頭に、チーズ、冷凍食品など、様々な種類の食料品を製造しているメーカーだ。
以前紹介したゼネラルミルズはヨーグルトやシリアルなど、直接そのものがメインとなる食品を作っているイメージがあるが、クラフトハインツはケチャップやソース、粉チーズなど食品の味付けに使う商品を中心に展開している印象だ。
ちなみに、おいらはクラフトハインツの日本法人が製造している、ジャガイモの冷製スープを飲んだことがあるが、味は普通だった。
そんなクラフトハインツだが、ウォーレンバフェットが経営するバークシャーハサウェイの主力銘柄であることでも有名だ。
いわゆる、バフェット銘柄という種類の株だ。
バフェット銘柄といえば、コカ・コーラやアップル、それにウェルズ・ファーゴなど、長期的に上昇していく銘柄が多いイメージがある。
しかし、このクラフト・ハインツはというと、絶賛株価が下落しまくっている。
どれくらい下落しているかというと、2017年は90ドルを超えていた株価が、現在はなんと55ドルほどまで下落してしまっている。
なんでそんなに下落しているかというと、どうやら売り上げ高が落ちているが、それを補うための買収が上手くいってないらしい。
超有名な英蘭企業であるユニリーバに買収を拒否され、さらには一時取りざたされていたキャンベルスープの買収も上手くいかない。
クラフトハインツのような巨大食品メーカーが成長するためには、新製品の開発はもちろんだが、買収によって規模を大きくしていくのが一番手っ取り早い。
ゼネラルミルズも、低成長というか成長性が皆無だったため、ペットフードメーカーのブルーバッファローを買収して規模を広げようとしている。
ブルーバッファローは、アメリカの超巨大なペットフード市場 の存在や、世界中でペット関連市場が拡大していることを考えると、おいら的には相当いい買い物だったのではないかと思う。
ブルーバッファローの場合は、自然派志向の健康食品的なペットフードという、今後も確実に成長していきそうな事業を展開していくので、ゼネラルミルズの今後の売り上げ減少を補完してくれそうな感じがする。
しかし、キャンベルスープの買収ってどうなんだろうね...。別に食品事業に詳しいわけではないが、あの缶詰めスープを作っているメーカーを買収しても、それがクラフト・ハインツの成長に寄与するとはあまり思えないのだが。
今後アメリカの消費の中心となっていくミレニアム世代は、添加物を含んでいない健康的な食品や、新鮮な野菜や肉を好むらしいので、買収するのであれば、地方の小さな有機食品メーカーをちょびちょび地道に買っていった方がいいように思う。
そういう企業を買い集めて、一つに合体させたほうが、確実に成長性が高い企業が出来上がるように思えるからだ。
まあ、完全な素人考えだが、買収で規模を広げるにしても、その買収する先の企業に高い成長性がないと、かなり今後も厳しい気がするね。
だったら、ちっこいのを大量に集めて一つにしたほうが手っ取り早い気もするのだが。
🍅 🍅 🍅
そんなクラフト・ハインツだが、株価が下落しまくっているおかげで、配当利回りは4.5%手程度まで上昇している。
また、株価純資産倍率を示すPBRも1倍近くまで下落している。
PBRは1倍を切ると、その企業が持つ総資産よりも株を割安に買えるのでお得だといわれることが多い。
しかし、PBRが1倍近いということは、その企業が行っている事業にほとんど価値がなく、したがって誰も株を買わないということを意味している。
日本の地銀の多くがPBR1倍を大きく割り込んでいることからも、それがよく分かるだろう。
したがって、クラフト・ハインツは、多くの投資家から完全に見捨てられた存在だと言ってもいいかもしれない。
うーん、クラフト・ハインツは終わっているんだろうか?
...。
どうしても、そうは思えない。
製造している製品が、食品の味付けに使われるケチャップや粉チーズなんかがメインだという点が何となく魅力的に思えるからだ。
アメリカ人の大好きなハンバーガーやポテト、それからホットドッグにもケチャップは絶対必要だし、そういったアメリカ人の嗜好が完全に変化してしまうとはどうしても思えない。
これまでアメリカ人から愛されてきた製品を製造している会社なので、いくらミレニアム世代の嗜好が変わったからといって、それらの製品群が完全に売れなくなってしまうということは考え難い。
逆に、これからそういった層のニーズに合った商品を開発して、嗜好の変化に徐々にフィットした製品を発売するといったことも考えられるだろう。
というかそうしないとジリ貧になってしまうので、100%そういう方向で頑張っていくだろう。
それに、多分無理やりでも買収はまたするだろう。
そうしないと、手っ取り早く規模を広げることが出来ないので、現在同じくミレニアム世代の嗜好の変化に苦しんでいるメーカーを買収する可能性は高いと思う。
売り上げが落ちていて、苦しんでいる企業が巨額の提示をされれば、「うん」といってOKする可能性は高いだろう。
だから、おいらはクラフト・ハインツの株価は今が低迷しすぎているので、どう考えてもどっかの時点で上がるように思えて仕方がない。
その「どっかの時点」というのが難しいが、配当利回りが4%以上あるのであれば、ずっとドルをもらい続けて保有しても全然いい。
さらに売り上げが落ちて、株価下落しまくりという悪夢の展開も考えられるが、そういったマイナス面を考慮しても何となくいい気がする。
数値もクソもない、まさにテキトーな分析なのだが、こんな感じで最近クラフト・ハインツが気になって仕方がない。
当然、おいらが興味を持っている株なので皆様には絶対におすすめはしない。
夢テクノロジーの悪夢が再現されてしまう可能性があるからね...。
株で夢をかなえよう
※ケチャップ大好き!!かぶまくら先生にパワーを注入したい方は下記のボタンを猛プッシュしてくれ。また、「夢テクノロジー少し上がってるよ」という洒落にならない事実を伝えたい方も猛プッシュしてくれ。それ以外の方は、押さなくてもいい。
↓