配当金を支払ってくれる高配当株は、多くのインカムゲイン投資家に支持されている投資先だが、今回のコロナショックにより多くの高配当株が大ダメージを受けている。
先日、高配当株で有名な丸紅が1500億円の赤字を計上するということが話題となっていたが、今後は高配当株と呼ばれている企業が続々と衝撃的な決算を発表するだろう。
というのも、今現在はコロナウイルスにより「人」や「物」の流れが止まっており、それが経済に通っている血管を滞らせ、様々な場所で経済停滞が加速しているからだ。
各国で不急不要の外出を控えるように、と政府が命令を出し、マディソンスクエアガーデンを誰も歩いていないというカオスな状況になっているくらいの状況なので、人が「お金」を使うことによって動く経済が停滞するのは当たり前なのだ。
この状態が長期化すると、恐らくは多くの事業者が倒産していき、経済の悪化に歯止めが利かなくなってしまう可能性が高いと思うのだが、まだまだ事態が収束するような気配すらない。
そして、この状況が続いていくと、オリックスや三菱商事などの日本を代表するような企業の業績も大ダメージを受ける可能性が高く、その場合は配当金の支払いにも大きな影響が出る可能性があるだろう。
しかし、本当に高配当株にとって申告なのは、「産業構造」がコロナウイルス問題終息後の世界では変わってしまう可能性があることではないだろうか。
さて、コロナウイルスが仮に収束したとしても、恐らくはワクチンができるまでは完全にコロナウイルスが撲滅される可能性は非常に低く、人々の行動にも様々な影響を与えるだろう。
いま、ZOOMというテレビ会議のシステムを提供している企業の株価が上昇し続けているが、これまでは対面や人が集まって行われていた儀式や会議、それから商談などがリモートで行われるようになっている。
おそらくだが、リモートでもそこまで支障はないケースがそういった行動には多く、その結果、多くの人々が「別にリモートでよくね？」ということに気づき始めるだろう。
そうなると、例えば車で移動するケースが減り、石油の消費量などが減ってエクソンモービルなどの高配当株は打撃を被るかもしれない。
ほかにも、不動産賃貸業の業績に影響を及ぼしたり、外食産業にも影響を与えたりと、コロナウイルスが収束した後の世界では、今までの商売が成り立たなくなる可能性があると言っていい。
そうなってしまうと、そういった産業に属していた高配当企業の業績は悪化し、結果として配当金が減配されていくリスクがあると言っていいだろう。
このような変化は現時点では顕著ではないかもしれないが、コロナウイルスを人類が克服した後の問題としてよく考えておきたいものだ。
今回のコロナ騒動後の高配当株がどうなるのか？という問題についてだが、個人的にはヘルスケアや生活必需品産業はやはり強いと思っている。
というのも、今回のコロナウイルスによる経済停滞における中においても、この二つの産業だけは何とか回っているような状況だからだ。
ということは、この二つの産業に属する安定した高配当株については、継続して配当金を支払い続けてくれる可能性が高いと考えてもいいように思う。
ただ、どの企業がどれだけこの環境に耐性があるのかは、今後の決算をきちんと確認しないと判断することは難しいだろう。
4月から発表される決算はもちろんのことだが、その後の決算においてもどのような内容のものが発表されるのか、という点についてよく観察しておく必要がある。
おそらくは、配当金の減配を発表する企業も激増するだろうが、それはもう仕方がないことなんだろうね、これだけ経済がストップしていると．．．。
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