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【高配当株】キヤノンの配当利回りは5%で定期預金の500倍だが配当金は維持可能か

高配当株といえば、配当利回りが高くて投資家を配当金で潤してくれることで、日本人には非常に人気のある種類の株だ。

そんな高配当株の中でも、配当利回りが5%に達している株は日本株では少ない。

キヤノンは、そんな数少ない配当利回り5%超えの高配当株の一つで、多くの高配当株投資家を潤してきた高配当株だ。

そんなキヤノンだが、最近は株価が低迷しており、高い配当金を維持していくことが可能なののかが注目されている。

高配当株の場合は、配当金を受け取り続けることが目的で株を買っている人が多いので、キヤノンが配当金を維持出来なくなった場合、株価に与えるインパクトも大きいと予測されるからだ。

キヤノンの配当金

キヤノンの配当金はここ数年は停滞しているが、2009年からは徐々に増配されている傾向にある。

2018年度の配当金は年間160円となっているが、2009年度は中間と期末を合わせて110円だったので、10年で約45パーセントの増配となっている計算だ。

キヤノンは日本企業の中では投資家への還元意欲が強い企業で、2016年の景気悪化時にも配当金を維持している。

しかし、ペプシコやコカ・コーラなどのように毎年増配を繰り返しているわけではないので、投資家への還元姿勢は、やはり米国の連続増配企業には劣る印象だ。

ただ、企業体力があり、規模も相当大きな会社なので、よほど業績が悪化しい限り、大幅な減配はなかなか実施しないのではないかと思う。

キヤノンの事業

キヤノンの事業ポートフォリオは2018年時点では下記の通りとなっている。

・オフィス機器:46%

・イメージングシステム:26%

・メディカルシステム:11%

・産業機器:20%

※ユニット間取引による売り上げが含まれるため、総計100%にはならない。

見ての通り、レーザープリンター等のオフィス機器や、デジタルカメラが含まれるイメージングシステムの売り上げ高が大きくなっている。

このうち、苦戦しているのがデジタルカメラが含まれているイメージングシステムで、スマホに搭載されているデジカメの高性能化が進んだ結果等の要因により、デジカメの売り上げが落ちているという。

十年くらい前は、ガラケーのカメラはデジカメの画素数に及びもしなかったが、最近のアイフォンに代表されるスマホカメラの画質は、デジカメを上回っているケースもある。

一方で、もはや「オワコンビジネス」と考えられることの多いオフィス機器については、新興国等で意外とまだまだ需要があり、インク販売等のストックビジネス的要素が大きいので、キヤノンの収入源の柱となっている。

特に、数年前からレーザープリンターやカラー複合機へのニーズが強まっているようで、同部門がキヤノンの事業を下支えしている。

現状の比率は低いが、今後成長期待が大きいのがMRIの製造等を含むメディカルシステムで、この事業は東芝が虎の子として大切にしていた事業を買い取ったものだ。

東芝を巡る一連のゴタゴタ騒動によって、通常では絶対に売りに出ることなどあり得ない成長分野の事業を買うことが出来たキヤノンはラッキーだったと言えるだろう。

キヤノンは稼ぎ続けられるか

キヤノンが今後も高い配当金を維持出来るかどうかは、今後もキヤノンが前記した事業によって稼ぎ続けていけるのかどうか、にかかっている。

キヤノンはその事業構造上、世界景気の動向によって利益を左右されてしまう。

例えば、キヤノンが得意としている一眼レフカメラについては、相当高額な趣味の商品なので、景気が落ち込んで消費者の消費意欲が落ち込んでしまうと、かなり売上に影響を及ぼすと考えられる。

レーザープリンター等の複合機等も同様で、不況で企業が設備投資を控えれば売上高は落ち込んでしまう可能性が高い。

なので、キヤノンが高配当株たる所以となっている高い配当金を維持出来るかどうかは、今後の景気に大きく左右される可能性が高いのだ。

また、配当金を維持していくためのもう一つの重要なファクターが、新規事業の育成だ。

というのも、デジカメの需要はスマホカメラが進化すればするほど今後も細っていくことが確実だと思うし、オフィス機器についてもペーパーレスの流れが加速すれば事業は細ってしまうだろう。

そのため、新しい事業の柱を育てていく必要があるのだが、今のところはメディカル部門が育ってきているくらいだ。

監視カメラ事業はかなりキヤノンの技術とマッチングすると思っていたんだが、競合企業も多いので、まだまだ事業としては育っていないように思う。

キヤノンの株価

キヤノンの株価は、直近の業績があまりよろしくなかったこともあり、現状は低迷を続けている。

ここ10年程度は、好調時は4000円を超えていて、不調時は3000円程度となっており、現在の株価は3000円前後となっている。

ただ、今後10年も同じような値動きをするとは限らないが、やはり世界景気好調時にキヤノンの株価も上昇しているような印象だ。

リーマンショック前の世界景気が好調だった頃や、2015年、2017年の景気好調時には株価が4000円を超えていたからね。

そんな感じのキヤノンだが、もしも株を購入するのか検討するのであれば、「配当金の支払いが維持されるか」という点を第一に考えるべきだと思う。

具体的には、現状の業績等を確認し、これまでの配当金を維持出来そうか考える必要があるように思う。

配当金さえ維持すれば株価が大きく下がることはないと思うのだが、あんまりにも業績が悪いと配当金の維持が難しくなってくると思うので、その点は重要なのではないだろうか。

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