配当金というと、投資家自体は何もしなくても保有している高配当株などの株式から自動的に支払われ不労所得だが、ここ数年日本企業が株主に支払う配当金の額は増え続けている。
いや、日本企業だけではなく、世界単位でも株式会社から株主に支払われる配当金の額も増え続けている。
日本企業といえば、昔から株主軽視の姿勢が強いことで知られており、少しでも業績が悪くなるとすぐに配当金を減配したりするケースも非常に多い。
高配当株の場合、減配を実施されるともはやその株を保有する意味がなくなってしまうので、多くの場合減配から大暴落へと発展してしまう。
そのため、日本の高配当株は投資家によっては、インカムゲイン銘柄として投資するには長期的に考えると不安定である、という評価をする人も多い。
そんな日本の高配当株なのだが、最近は株式市場の暴落に伴い、えげつないくらい配当利回りの高い高配当株も続出している。
株価が暴落するにつれて、配当金÷株価で割りだされる配当利回りが高まっていく現象は、いつの時代でもよく見られる光景なのだが、最近は5%の配当利回りを超える株が続出するなど、例年にないほど全体の配当利回りが上昇している。
しかし、最近では消費税の増税や米中貿易戦争にせいで、日本企業の業績が悪化するという声もよく聞く。
果たして、今後日本企業全体の配当金はどうなっていくのだろうか?
ブルームバーグによると、現在日本の上場企業が手元に置いてある現金の額が約506兆円となっており、多くの国々のGDPを余裕で上回るほどの額まで積みあがっている。
これは、直近の企業業績が良好だった影響が多分にあるのだが、日本企業の場合はこういった手元の現金を株主に還元しないことが問題となっている。
先日も、JR九州が外国の機関投資家に自社株買いを求められたが、他の株主たちの賛同を得てそれを却下したはいいものの、結局株価は高値から約20%も暴落してしまった。
株主還元をどれくらいの割合、程度で実施するのかは、企業の経営方針などもかなり影響してくると思うのだが、明らかに言えるのは、米国企業と日本企業では株主還元に対する姿勢がまったく違うという点だ。
米国企業の業績があれだけ良好なのは、株主ファーストの考え方が社会に浸透しており、徹底的に利益を生み出す努力をしているからだ。
一方で、日本企業はというと、とても株主ファーストどころではなく、株主に手ひどい仕打ちをすることもしばしばだ。
そんな日本企業たちが、手元の資金を配当金や自社株買いに今後回せば、さらに日本企業の利回りは上昇する可能性はあるだろう。
さて、渋チンな日本企業が今後手元にある現金を配当金の支払いや自社株買いに回すのかという問題についてだが、「そうしなくていい」明確な理由がなければ、恐らくは株主還元に回す企業も増えてくるだろう。
というのも、ここ最近、日本企業にもコーポレートガバナンスが求められており、手元に現金を残すのではなく、株主に還元したり投資に回したりするようにしなければならないという方向になっているからだ。
そのため、例えば中国が経済的に破綻してしまい、世界同時株安が長期間続いて、○○危機みたいにならない限りは、恐らく現在日本企業の手元にある現金の一部は株主還元に回されるのではないかと思う。
以前、何かの雑誌で外国人投資家がこれまで興味を示してこなかった日本の中~小型株に興味を持ちつつある、という記事を読んだ記憶があるが、外国人投資家たちが積極的に日本の中~小型株に参戦してきたら、さらにその傾向は強くなっていくような気もする。
もちろん、不用意に株主還元に回すよりも事業投資に回した方がいいのだが、日本の大企業の場合はすでに成長がストップしてしまっている企業も多く、有効な現金の使い方を出来るかというと微妙なので、やはり株主還元にそういった現金が使われる可能性はあるのではないだろうか。
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