配当金と給料を比べると、様々な面で配当金の方に軍配が上がるが、あまりこの二つを比べてみる人はいない。
配当金とは、株式を保有することによって自動的に手にすることが出来る収入のことで、給料とは会社に行くことによって稼げる給料のことだ。
「何もしなくてもお金がもらえますよ」
といわれると、なんとなく詐欺のように聞こえるかもしれないが、配当金を貰うこと自体は詐欺でもなんでもない。
そして、配当金を貰うためには株式を保有するという「リスク」を負う必要がある。そのため、手にする配当金以上の含み損を食らう可能性や、実際にその損が現実のものと化する可能性もある。
分かりやすく言うと、株価が下がることによって評価額が下がった状態の株を持つことになって嫌な気分になったり、実際にその株を売って損することになり、がっかりするということだ。
自分自身、株を損切してガッカリすることもあるが、やっぱり気分は悪い笑。
ただ、損切しなければ損というのは現実化しないので、放置していれば自動的に配当金も入ってきて、むしろ株価が上昇することもあるので、きちんと分散投資をすればそこまで恐れることでもないかな、と思っている。
一方で、給与収入は労働の対価として手にすることが出来る所得なので、基本的には「時間」をかなり使わないと手にすることが出来ない。
そのため、お金では絶対に買えない世界で最も貴重な資産である「時間」を消費してしまうというデメリットがある。
この点を軽視する人も多いが、例えば世界一の投資家と呼ばれているウォーレンバフェットが8兆円を超えるその全資産を投入したとしても、1秒たりとも自分の時間を巻き戻すことは出来ないことからも分かるように、「時間」というのはメチャクチャ貴重なものだ。
そんな貴重な時間を使って得る労働収入は、会社の命令に従って業務を遂行することによって手にすることが出来るのだが、はっきり言ってどれだけ努力をしようが増えていく類のものではない。
会社がその人の成果を評価しなければ、当然「収入」は増えないので、個人の努力が給与額に反映されにくい日本企業では、当然収入は増えにくい傾向にある。
一方で、配当金はというと、単純に株式を買い続けていれば増えていく可能性が高い。
これは、意外だと思われるかもしれないが、給与を増やす努力をしようとするよりも、配当金を増やす努力をした方が、結果として収入が増える確率は高いのだ。
ずっと以前に世界中で配当金の額が増額され続けており、ここ日本でも企業が支払う配当金の額が過去最高値に達したと書いたが、実は企業が株主に支払う配当金の額というのは、経済が発展するに従って増え続けていく可能性が非常に高いのだ。
なので、収入を増やそうと思った際には、どう考えても労働所得である「給与」よりも不労所得である「配当金」を増やす努力をした方が合理的なのだ。
この点、「時間」を使わずに収入を増やせる可能性のある「配当金」は非常に優れた所得だと言える。
不労所得である配当金と、労働所得である給与収入には税金でも明確な違いがある。
まずは、下記の所得税率を見てみよう。
■所得税
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え 330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円を超え 695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円を超え 900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円を超え 1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円を超え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
給与所得に課税される所得税は、収入額が増加すればするほど、その額がどんどん増えていくようになっている。
高所得者になればなるほど、どんどん税金も増えていくので、例えば給与収入が増えていったとしても、その分所得税も増額されていってしまうというわけだね。
この点でも、給与収入を増やすことによって収入額を増やそうとする場合、かなり効率性が落ちるということがよく分かる。
さらには、ここに住民税が10%程度乗っかってくるので、手取りはさらに少なくなってしまうという仕組みだ。
サラリーマンである自分としては、書いていて凹んでしまうが、やはりこれは相当な重税だねえ...。
一方で、配当金の場合はというと、下記の通りとなっている。
・20.315%(所得税+復興特別所得税15.315%、住民税5%)
この通り、どれだけ配当金の額が増えようが、税率は一律なので、配当金が増えたからといって税金の額を心配する必要もない。
よくある話で、超有名企業のCEOの報酬が1ドルだったり1円だったりする場合があるが、あれは単に税金がかかるので報酬としてお金を受け取らず、ストックオプション等で株式を取得して配当金を貰った方が合理的にお金を増やせるからそうしているだけだ。
つまり、お金持ちは「給与収入」よりも「配当金による収入」を好む傾向が強いということだ。
このように、配当金というのは収入を増やすために極めて優れた収入源であることがよくわかる。
しかし、リスクを嫌う日本人たちは「配当金」を貰おうともせず、日々労働に明け暮れ、「労働者は搾取されている!!」と激怒するケースが多い。
だが、激怒していても何も変わらないし、労働に明け暮れても収入は増えないことが多いので、そうなのであれば、株式を買って「配当収入」を増やす方が合理的なのは明白だ。
なので、勉強しながら少しづつでもいいので高配当株や高配当ETFなんかを買い、自身の収入を徐々に増やそうと努力していく方が、「収入を増やす」という意味では現実的な選択だ。
株式は値上がり益を狙う投資方法ばかりが注目されがちで、事実自分もそういう狙いで株の売買をすることもあるが、「配当金」に着目して株を買うのは決して悪い選択肢ではないと考えている。
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