最近、為替市場が極端な円高に襲われており、すさまじいまでに円高一方向に為替が振れている状態が続いている。
2月20日ころには最高値の1ドル112円を記録していたが、その後コロナショックやFRBの利下げによって一気に為替は円高方向に振れてしまったのだ。
そのチャートを確認するとプチナイアガラ状態となっており、米国株に投資をしている投資家たちの悲鳴がその向こう側から聞こえてくる気がした。
というか、先日の記事で書いた通り、自分自身も「みぎゃあああああああああ」と、もんどりを打ちながら悲鳴を上げていた一人であり、おそらくは来週も悲鳴を上げることになる可能性が非常に高い。
外国株でも日本株でもそうなのだが、全体的にはリスク資産である株式は為替市場による影響をかなり濃く受けるケースが多い。
というのも、企業業績というのは為替市場の影響を受けることが多く、各国の大企業はほとんどのケースで世界中でビジネスを展開するグローバル企業であるケースが多く、為替の影響で業績が良くなったり、悪くなったりするからだ。
しかし、最近は為替市場以外の要因も合わさり、猛烈な勢いで株価が下落し、ついには配当利回りが6%を突破してしまった恐ろしい株が存在している。
それが、エクソンモービルという老舗石油企業だ。
現在、石油市場が暴落しており、ついには1バレル50ドルの壁を突破して下落を続けているのだが、その影響をモロに受けているのが石油を製造販売している石油企業たちで、その中でも最もひどい株価の下落に襲われているのがエクソンモービルだ。
エクソンモービルはかつて世界の企業時価総額ランキングで上位に君臨していたほどの超巨大企業で、アメリカを代表する企業の一つだ。
そんなエクソンモービルだが、最近の業績はすこぶる悪くて株価が下落していたところに、さらに石油市場が崩壊してしまったため、株価は大きく下落してしまっているのだ。
さらに追い打ちをかけるように、ロシアがOPECとの協調減産を拒否したことにより、石油価格はさらに暴落の様相を見せ始めている。
そのため、当然のことながらエクソンモービルの株価はボロクソに売り込まれ、配当利回りは6%まで上昇しているのだ。
つまり、超高配当といえるエクソンモービルの配当利回り6%は、石油価格の暴落と業績の悪化というリスクと表裏一体となっているのだ。
エクソンモービルがどのようなリスクを抱えているかというと、シンプルに配当金が減額されるというリスクを抱えている。
そのため、投資家たちは表面上の利回りだけを見てエクソンモービルに投資をすることはよく考えた方がいいだろう。
ところで、石油株が暴落する一方で株価が上昇中の株があるのだが、ご存じだろうか?
それは、長期間株価が低迷していた金鉱株で、代表的な銘柄であるバリック・ゴールドの株価は完全に底を打ち、コロナショックで株式市場が崩壊する中で一人気を吐いている状態だ。
そのため、一時期1株10ドル程度まで落ち込んでいた株価は、ついに20ドルを突破することころまで上昇している状態だ。
金は株式市場などが崩壊したときに資金が集中する安全資産なので、その金を産出するバリック・ゴールドなどの業績は当然のことながら金価格の上昇によって好転すると考えられるため、現在株価が上昇し続けているのだ。
金という資産は、そもそもの埋蔵量が極端に低く、50mプール3杯分くらいしかこの地球上に存在していなともいわれているため、資金が大量に流れ込むと価格が暴騰するという特徴を持っている。
そのため、今後さらに株式市場が崩壊し、資金の行き場がもはや金しかない、という状態になってしまった場合、さらに金鉱株の株価が上昇する可能性は高い。
石油についても、以前リーマンショック後に株式市場から逃げ出した資金が流れ込み、価格が暴騰したことがあるのだが、同じようなことが起これば、低迷中の石油株たちも株価が上昇するかもしれないね。
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