不労所得の代表格と言えば、株を保有しているだけで何もしなくても手に入る配当金が第一候補として頭の中に思い浮かぶ人も多いと思うが、配当金とは何か?ということについて知らない人というのも実際にいる。
自分自身も、株を始めるまでは配当金が何か?ということすら知らなかった。
人間というのは、自分自身が関わっていることや触れる機会のある物事には興味関心を示すケースが多いのだが、自分自身があまり興味がないことについてはほとんど知ろうともしないケースが多い。
しかし、配当金という不労所得について知らないということは、株式会社が生活のベースとなっているこの資本主義社会において、労働者という身分にのみ属することを意味する。
そのため、配当金等のシステムを理解していないということは、経済的な意味において、資本主義社会の構造を理解していない、と言ってもいいほど致命的な知識の欠落だと言っていい。
というのも、資本主義社会の頂点に位置するのは投資家たちで、その投資家たちが利用しているシステムの一つが配当金等の、いわゆる不労所得を得るための仕組みだからだ。
サラリーマンに代表される労働者たち(自分含む)は、毎朝早くに起き、満員電車に揺られながら苦痛に歪んだ顔で出社をし、朝から晩まで働いてクタクタになって帰ってくるという毎日を過ごしているケースが多い。
いったい何のためにそんな苦行をするんですか?
そう質問すると、大体の人は「自分がお給料をもらうためです」と回答するだろう。
もちろん、中には「自己成長のためです」とか、「社会をよりよくするためです」みたいな感じの回答をする人もいるとは思うのだが、そのベースにはやはり「給与」という存在があって、よほどの資産を保有している人以外は「お給料をもらうため」に働いているケースが多いはずだ。
しかし、それはマクロ的な観点での物の見方であって、労働者たちがなぜ働いているかというと、それは会社が「利益」を創出するためだ。
例えば、トヨタなどの自動車メーカーは自動車を作るために存在はしているのだが、「利益」を生み出さなければ自動車を作り続けることは出来ない。
そのため、従業員を雇い、「利益」を創出し、その結果世間に商品やサービスを提供しているのだ。
そして、その「利益」の中から支払われるのが「配当金」という名の不労所得なのだ。
他にも、その年生み出した「利益」や、蓄積された「利益」のうちから自社株買いや特別配当を行ったりする。
その結果潤うのが、資本家である株主なのだ。
前項で説明したように、労働者が働く理由は、企業が生み出す「利益」にある。
そのため、我々が朝から晩まで働いて誰が潤うのかといえば、それは企業が生み出す利益の一部を手にすることが出来る資本家たちだ。
嘘だと思う人は、NYダウの長期チャートを見てみるといい。
株式は紆余曲折を経ながらも、長期的には右肩上がりのチャートを描いている。
ということは、個別の銘柄では差異があったとしても、平均的には株式会社に投資をした資本家たちは資本主義社会というシステムから得られるメリットを超長期間享受してきたことになる。
なので、合理的に考えるのであれば、資産の一部でも株式に投資をして配当金という不労所得を得たり、株価の値上がりによる利益を得たりすることは、資本形成という点から考えるときわめて合理的だと言える。
株などの資産を保有したことがない人はあまりピンとこないかもしれないが、この構造については覚えておいても損はないと思う。
文字だとよくわからない、という方のために動画を作成してみたので、よろしければご視聴いただけたらと思う。
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