最近、転職を嫌がる新入社員や就活生が激増しているらしい。
昔は、大手企業に入って総合職として働き、全国を飛び回って働くこというのは、大卒として就職をした者にとってはごく当たり前のことだった。
また、全国とまではいかないまでも、特定のエリア内で転勤をするのは、企業に勤めている限りはごく日常的に起こり得ることだった。
しかし、最近は様子が変わってきていて、就職先を探している就活生の段階で「転勤は嫌だ」として転勤の無い会社を探す人も多いと聞く。
たしかに、転勤というのはデメリットが多い。
例えば、人間関係にしても初めて行く土地で一から作っていくしかないし、親類も地元の方が多い場合がほとんどなので、「親のことが心配」「親の介護の関係で動けない」などの問題が発生してくるケースも多い。
また、知らない土地というのは、ここ日本であってもやはり住むと違和感を覚えることも多く、特に「都会から田舎への転勤」は嫌がられることが多い。
例えば、東京や大阪等の大都市に住み慣れた人間が地方への転勤を命じられれば、「もう会社辞めようかな」と思うケースは多いのではないだろうか。
最近の日本ではごく一部の都市に人、物、金、が集中しているので、そういったエリアから田舎へ転勤すると何かと不便が多いからだ。
若手社員の中には、田舎への転勤を命じられた瞬間に拒否をしたり、中には辞表を提出する人もいる。
現在の若者は必死に働いて金を稼ぎ、よりいい生活を享受したいという「エコノミックアニマル的嗜好」はなくなっており、どちらかといえば「自分のペースで自分らしい生活を送る」ことを重視している場合が多い。
若いうちの数年は金では決して買うことの出来ない、この世で最も貴重な人生の宝と言ってもいいくらい貴重な宝物だ。
そんな貴重な時間を、都市部ではなく何も無い田舎で過ごせと言われたら、当然嫌がる者も多いからね。
「東京の方の奴らは楽しそうですよね．．．」
そんな感じで、地方で働いていた後輩社員が絶望的な口調で愚痴っていたのを聞いたことがあるが、やはり若いうちは異性との出会いが多く、様々な誘惑に満ちた都会が楽しいに決まっている。
また、都会でなくても住み慣れた地元の方が友達も多いだろうし、何かと都合がいいはずだ。
そのため、最近の若者たちにとっては全国転勤のある企業で高給を得るよりも、地元や都市部で転勤がなく働ける企業で「自分らしい生活」を構築していくほうが魅力的なのだろう。
そのため、今後は企業側もそういった面を意識していかないと、「あっ」という間に優秀な人材を他企業にかっさらわれるハメになってしまう可能性が高い。
他業種にわたって企業が人手不足に喘ぐ昨今では、企業はそういった面にも気をつかっていかないと人材の確保に困ることになっていだろう。
おいらが働き出した頃では考えられない現象だけどね．．．。
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