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FBの仮想通貨リブラに「待った」がかかっている本当の理由について

FBの仮想通貨リブラに「待った」がかかっている本当の理由について

FBが仮想通貨のリブラを発行する計画を発表し、世界中に衝撃が走っていたが、この計画に対して米議会から「待った」がかかっている。

具体的には、リブラの開発を中止するように、という要請が出ているらしい。

FBはすでに事業規模が巨大になりすぎているにもかかわらず、データの利用や個人情報の取り扱いについて問題がある、というのが理由らしい。

FBは同社のSNSはもちろん、インスタグラムという世界中で爆発的にダウンロードされているアプリも保有しており、その影響力はアマゾンやグーグルなどと同様国家レベルに達しているとも言われている。

そんなFBが仮想通貨を発行した場合、マネーロンダリングに使用されたり、従来の国家が発行する通貨を取り扱う金融機関が混乱するなど、広範囲に影響が出る可能性がある。

GAFAはすでに強大な影響力を持っており、国家でさえもその力をコントロールすることが出来ないと言われているが、これはまさに資本主義とインターネットがもたらした従来に無い新しい権力の形だと言えるだろう。

中国がGAFを排除しているのは賢明な選択だと思う

日本のお隣の超大国である中国では、GAFAのうち、アップルを除いたグーグル、アマゾン、フェイスブックを排除している。

その代わりに、アリババや百度など同じようなサービスを展開する国内企業が幅を効かせている。

つまりは、中国国内のデジタル空間から米国の巨大IT企業を排除しているわけだが、これは非常に賢明な選択だと言える。

中国政府は国内で厳しい情報規制を実施しており、そうすることで国民をコントロールして圧倒的な人口を誇る広大な国家を統治している。

そのため、GAFにが入り込むことによって情報統制が崩壊してしまうことを非常に恐れているのだ。

また、GAFに関してはデジタルビジネスだけではなく、通常のビジネスにとっても必須のサービスを展開しており、これらの企業が国内に入り込むということは、もはやビジネスの主戦場となっているデジタル空間を米国企業に支配されることになる。

そうなってしまうと、米国の巨大テック企業にビジネス上でも首根っこを掴まれている状態になる。実際日本企業なんかはグーグルやアマゾンのサービスにかなり依存しているからね。

中国政府は貧富の差や労働環境、農村部と都市部の格差など、巨大国家が内包する様々な問題を、情報統制によって国民の視線が向かう先を意図的にずらすことで、何とかあの超巨大な国土と10億を超える国民を抱える国を統治している。

たぶん、情報規制をかけないと、さまざまな所で不満が爆発し、国家をコントロールすることが出来ないだろうからね。

仮想通貨は円やドルや元の価値を下げる可能性がある

例えば、仮想通貨のビットコインが国内のすべての場所で使えるようになったとしよう。

その場合、ビットコインの価値と日本国家が発行する円の価値が同等になってしまい、円ではなく日常的にビットコインを決済に使用する人が増えるだろう。

ビットコイン等の仮想通貨の特徴としては、個人間での送金が可能だという点だ。

ビットコインはあらかじめ発行数が決まっている通貨だという話があるが、仮にビットコインが定期的に一定の規模で期限を設けず発行されることが確定したとしよう。

その場合、人々はビットコインを持つか、それとも円を持つかを自由に選択することが出来るようになる。

そうなってしまうと、ビットコインを個人間送金で取引し、消費税を支払わずに商品を購入出来るサービスが登場してしまう可能性がある。

また、個人間送金で取引が行われるということは、お金の流れを把握出来ないということなので、個人や企業の所得や利益に対して税金を確実に課すことが出来なくなる。

そのため、国家は仮想通貨の普及に対して否定的な姿勢を取っているのだ(と、自分は思う)。

FBリブラは発行されるのか?

リブラの発行については様々な意見が飛び交っているが、恐らく発行自体はされるのではないか。

しかし、運用方法については規制がかかるのではないかと思っている。

というのも、FBの月間アクティブユーザー数は22億人を超えており、本当に国家レベルの影響力を持っている企業なので、その企業が仮想通貨を発行してそれに「価値」が出てしまったら何が起きるのかわからないからだ。

仮にリブラで様々な物やサービスを買うことが出来るようになったら、従来型の通貨を扱う銀行なんかはたまったもんではないだろう。

そして、中央銀行も紙幣を刷りまくる意味がなくなってしまう。

通常、紙幣は国家という巨大権力の存在が裏付けにあって、初めて信用力を発行することに価値がある。

それが、一企業が発行する形の無い仮想通貨に価値が付随してしまったら、従来の価値基準や規律が崩壊してしまう可能性がある。

そのため、今後FBのリブラが無事発行されるのか、また、発行されたとしたらどのような運用がされるのかは個人的に非常に興味があるところだ。

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