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開かずの金庫から出てきたお金の価値と不動産や株式の価値を比較してみる

開かずの金庫

GW中に「開かずの金庫」を開けてお宝を探すという番組を見ていたんだが、鍵師の人の技術が物凄かった。

1億分の1くらいの確率でしか開かないダイヤル式の鍵を開け、二重扉の鍵もアッサリと解除してしまい、超長期間誰も開けることが出来なかった金庫を開けていたからね。

その番組では、由緒ある家の「開かずの金庫」を開けて中に仕舞い込まれていたお宝を取り出し、それを鑑定士が鑑定していた。

お宝には刀剣や小判など、日本らしいものが多く、中にはとんでもない鑑定額がついているお宝もあった。

「へー、骨董品って結構いい値がつくんだな...」

そんな感じで独り言を言いながら番組を見ていたのだが、その中で金庫の中から昔の紙幣が出てくる場面があった。

その紙幣の総額は6000円で、中には珍しい500円札などもあり、当時の価値で約40万円程度の価値があると説明されていた。

しかし、紙幣は紙幣なので、現在の価値も変わらず6000円とのことだった。※500円札だけレアなので6万円くらいの鑑定額がついていた。

現金の価値は減っていく

古い紙幣の価値がその当時は現在価値に換算して40万円程度だった理由は、その頃は物価が安く、6000円で現在の40万円分の買い物が出来たからだ。

しかし、時代の移り変わりと共に物価は上昇し続けていったので、すでにその6000円は6000円分の価値しかない。

ちなみに、1950年頃の大卒の初任給は1.1万円前後で、米10kgの価格は990円程度だったそうだが、今では大卒の初任給は20万円超で、米10kgの価格は3000円程度となっている。

為替の変化など様々な要因はあるのだが、単純に数字に対する交換価値で考えると、ここ日本では現金の価値は時が経過するにつれて下がってきたのだ。

一方で、不動産や株式といった資産の価値は昭和初期の頃から比べるとバブルを頂点として上昇を続けてきたし、一部の資産についてはバルブ当時を通り越して現在まで価値が上昇し続けている。

例えば、ここ20年くらいの間は低迷し続けている日経平均も1970年には2000円台だったので、その頃と比べると現在でも10倍程度まで価値が上昇している。

不動産については、バブルの時期が価格の絶頂期だったと言われているが、今現在では再び銀座の一等地等は過去最高値を更新している。

また、地元をブラブラしていた際、30年以上前に建てられたアパートにいまだに人が結構入居しているのを見て思ったのだが、不動産の場合は立地さえよければ本当に現金を生み出し続けるマネーマシンになる可能性がある。

株式にしても不動産にしても、ものを選ぶ必要があるが、超長期で考えると資産価値が増加していく可能性がある。

しかし、現金の場合は全く何も生み出さず、価値も発行された時の数字のままなのだ。

骨董品の価値が上がる理由

ちなみに、骨董品の価値も物によっては時間の経過と共に上がっていくようだ。

骨董品を鑑定する鑑定士が言っていた言葉で、「他に無いから価値が上がる」というフレーズが印象に残った。

骨董品の場合は、「他にはない」という希少性のおかげで価値が上がっていくのだが、それは株式でも不動産でも一緒で、数が限られているからこそ値段も上がっていく。

その証拠に、同じ地区に大量にマンションが投入されたり、企業が増資等で株式を新規発行したりすると、それらの資産の価値は下がる場合がある。

しかし、不動産や株式の場合、数が増えると言っても限度がある。

一方で、現金の場合は政府がその気になればいくらでも発行出来るので、「数が無いから価値が上がる」という現象は特殊要因が無い限りは起きえない。

まれに古い紙幣や硬貨に価値が出るのは、発行数が限られている、つまりは数が限られているからだ。

なので、普通の1万円札や千円札の価値は保有しておくだけでは上がることはない。

価値が上がるとすれば、それらの紙幣を資産と交換した時だけだ。

現金だけを保有は危険

別に大したことではないのだが、「開かずの金庫」を開ける番組を見て現金の価値の脆弱さを再認識した。

現金は資産の中で最も流動性に優れており、様々な資産とスピーディーに交換することができるので、自分自身現金は大好きだ。

ただ、インフレ率などと合わせて長期で考えた場合、現金だけを持つということは結構なリスクなのかもしれない。

現金は物の価値を表す指標として使われるため、ことすれば最も価値がある資産のように思えるが、実際は資産価値という意味合いでいうと不動産や株式に軍配が上がるんだろうね。

武士が土地を必死で守るという意味合いのことばで、「一所懸命」という言葉があるが、土地=不動産というのは正に命がけで守るべき価値がある資産だったのだ。

ただ、例外もあって金や銀などの希少金属を使用した貨幣については、時間の経過と共に価値が上がる可能性は高い。

しかし、中世に信用創造のためにジョン・ローという人物が作り出した現代型の紙幣というものは、物の価値としては単なる紙切れだ。

なので、やはり現金だけを持つのではなく、資産や不動産を持つ方が資産の保全や増加という目的を達成するためには理に適っているのではないかと思った。

ジョン・ローの話をしようと思ったが、本日は眠たいのでここまでとしよう。

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