最近、老後の生活費について強い不安を持っている人が増えてきているが、その原因は何と言っても制度がすでに崩壊している年金にあるだろう。
というのも、現在の年金制度というのは日本が高度成長期にあり、ガンガンGDPが成長して子供が増え続けていた時代に確立されたもので、基本的に日本の労働人口が増え続けていく、という想定のもとに作られた制度だ。
また、労働人口が増え続けないにせよ、せめて現状維持はできるくらいの元でしか成り立たない構造になっている。
しかし、現在の日本はといえば少子高齢化の最先端を突っ走っている状態で、もはや若者たちが高齢者を支えるという構造が完全破綻してしまっている。
そのため、老後資金として多くの人々があてにしていた年金制度について不安を持つ人が非常に多く存在しているのだ。
日本は現在インフレの真っ最中であり、老後2000万円問題が勃発したことからも分かるとおり、もはや老後を年金だけで穏やかに過ごすことは夢物語になってしまっている。
それどころか、最近では「老後破産」という恐ろしいキーワードが一般化していることからも分かる通り、老後に生活資金が枯渇してしまう危険性も高まっている。
「老後破産」に陥ってしまうと、もはやリカバリーがきかない状態になってしまうので、そこから経済的に挽回することはかなり難しい。
なので、我々労働者たちは、おそらく、というかほぼ確実に70歳までは働かなければならなくなるだろう。
さて、いったい何故人々は70歳まで働かなくてはいけなくなるかというと、シンプルに人がいなくなるからだ。
出生率が過去最少を記録した、というワードをよくニュースなどで聞くかもしれないが、要するに下の世代の人口がどんどん減ってきているので、上の世代が労働者として働かざるを得なくなってくるのだ。
下の世代が減るということは、当たり前の話だが税金の納入額が少なくなる可能性が高くなるので、これまで整備されてきた社会インフラを維持する一人当たりの負担が高くなることになる。
それがどういうことを意味するかというと、シンプルに税金が高くなる、医療費が高くなる、といったことが挙げられる。
そのため、これまでのように老後に悠々自適で暮らせる人の数は相当数減ることになるのだ。
これは、人口が減少する国で生きる我々にとって、もはや逃れようのない事実なので、受け入れるしかないのだ。
しかし、ただ受け入れるだけでは将来的にインフレと増税で苦しむことになるのは目に見えている。
なので、ある程度の対策は打っておくべきだろう。
ところで、最近は先進国と呼ばれる国でも日本と同じように少子高齢化問題を抱えている国は多いのだが、一つだけ例外な国が存在している。
それが、米国で、米国は先進国であるにも関わらず労働人口が緩やかに増えており、将来的にも経済成長していくことが予測されている。
現在はコロナウイルスの問題で株価が暴落している米国の株式市場だが、長い目で見れば増え続ける労働人口と旺盛な消費によって成長していくことが見込まれている。
なので、我々としては成長を続ける米国の株式に定期的に投資をし、少しでも資産を積み上げておくことが重要になってくる。
投資の神様のように崇められているウォーレンバフェットは、NYダウは100年後には100マンドルになるといっているのだが、米国の労働人口が増え続けていけば、確かにそれも夢とは言い切れないだろう。
ほかにも、新興国と呼ばれる国々と日本の間では物価水準の差が縮まってきており、もしかしたら将来的にそれらの国々の株価水準の方が日本の株価水準よりも相対的に見て高い、という時代がやってくるのかもしれない。
なので、老後破産問題を回避する意味でも、老後の生活資金作りとして早期段階から投資信託などを利用して世界中の株式などに分散投資していくことは非常に重要になってくるだろう。
これは、退職時点から焦って初めても遅い取り組みなので、できるだけ早く着手することをお勧めする。
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