「ああ、お金、お金さえあれば．．．」
そんな感じでタメ息をつく人々は非常に多く、実際のところ「お金」がないせいで人生のクオリティが著しく下がっていると感じるケースが多いのは事実だ。
私も働きだした頃はお金がなくて、「お金、おがね、おかねああああああ」、と発狂しそうになっていたことがある。
その頃はお金を使いたくて、使いたくて仕方がなく、自動車ローンに毎月お金を吸い取られ、さらには飲食費や交遊費などにお金を費やす日々で、給与口座からどんどんお金が消えていくのを寂し気な目で見つめていたものだ。
その頃の私と同じように、「お金、お金あああああああ！！」、とお金を使いたくて使いたくて我慢が出来ず、ひたすら欠乏感を感じている人も多いだろう。
この場合、「お金を使いたい」という気持ちがトリガーとなって欠乏感を感じ、それがイコールで「お金がなくて不幸」という感情をその人に抱かせてしまう。
このように、「お金を使いたいのに、お金がない」、という状態を不幸な状態だと感じる人が非常に多い。
つまりは、お金を使いすぎてしまうせいで不幸になってしまうパターンだ。
この場合、自分の収入よりも多くのお金を使ってしまうことで、その人は不幸になってしまっているのだ。
しかし、この世にはこのような浪費的なお金の使い方以上に不幸な、世界一不幸なお金の使い方が存在している。
さて、ここで「お金」というものの価値について少し考えたい。
お金がその価値を真に発揮するのは、お金が使われて何らかの商品やサービスと交換されるときだ。
例えば、コンビニで弁当を買った場合、お金と弁当が交換され、弁当を食べることによって空腹が満たされる。
この場合、「空腹が満たされる」という効果がお金を払って得られるわけだ。
つまり、お金を払うことによって、人は何らかの対価や効果を得られることが出来る。これが、お金の価値だ。
そのため、日本人が大好きな「貯金」はお金の価値を一切発揮させることなく、死んだ状態のまま保管する世界一不幸なお金の使い方だと言っていい。
将来資格の学校に通いたい、欲しいものがある、旅行に行きたい、など、自分が求めるもののために貯金をしているのであればいいが、何の目的もなくひたすら貯金をすることは、無意味極まりない行為だ。
この事実に気付いている人は日本では意外なほど少なく、大金をこの世に残して哀れな最後を遂げる人も非常に多いのだ。
もやしを食い続け、ボロボロの自転車に乗り、ボロ屋に住んだ結果１億円を貯めることが出来たとしても、それをあの世までもっていくことは出来ないからね。
ただお金を貯め続けることが無意味な行為であることは分かってもらえたと思うが、それでは投資の場合はどうだろうか？
個人的には、投資の場合も同じで「自分が求める状態」のために投資をしていかないと、最後は大金を得たはいいが童貞のままあの世に旅立つという悲劇的な最後を迎える可能性があるだろう。
FIREして誰にも文句を言われずに生活がしたい、配当金で毎日豪遊したい、など、何らかの状態を目指し、その状態を達成するために投資をしてお金を増やすことは合理的な行為だ。
ただ、その一方でひたすら投資をしてお金だけを集め続ける行為は楽しければいいだろうが、楽しくないのであれば完全に無意味な行為だ。
「お金」とは手段であって「目的」ではない、というのはよく聞かれる表現だが、それは確かに的を得ている。
投資をしてお金を増やすにしても、最終的なゴールや目的をイメージすることは非常に重要だというわけだね。
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